枠に捉われない “姫路風”のご馳走。姫路『懐石 鷺風』

山陽姫路駅からは徒歩約5分、JR姫路駅からは徒歩約10分。美しい姫路城のほど近くに佇む『鷺風(ろふう)』。心地よく背筋が伸びる凛とした空間でいただく、手間暇かけた“姫路風”のご馳走の数々。それは、和食の枠を超えた口福でした。

京風でも江戸風でもない“姫路風”

シラサギの優美な姿にたとえて、「白鷺城」とも呼ばれる姫路城。そのお膝元にある『鷺風』。店名に鷺という字が入っているのは、ずばり“姫路風”という意味が込められているからだそう。ところで、“姫路風”とは…?

姫路『懐石 鷺風』外観
姫路『懐石 鷺風』外観2
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「たとえば野菜が中心の精進料理のような京風とは違い、“姫路風”とは私にとっては少し田舎風という意味。どこか土の匂いがするような力強さもある、肉や魚をふんだんに使いたっぷりと手間をかけたごちそう料理なんです」。そう話すのは、店主の西川健一郎さん。姫路で生まれ育ち、神戸の和食店で修業を積んだのち、1998年に独立。この地で店を開いてからは26年が経ったそうです。

姫路『懐石 鷺風』店主
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特別な日におすすめの個室やメニュー

店内にはゆったり過ごせる個室も。趣のある落ち着いた空間ゆえ、「ハレの日や顔合わせなどの特別な日はもちろん、夜は接待利用も多いんですよ」と西川さん。

姫路『懐石 鷺風』内観
姫路『懐石 鷺風』内観2
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「お客さまの要望に応えていたら、種類がこんなに増えてしまったんです(笑)」という夜のコースの締めの一品は、「やさしい塩ラーメン」や「とろとろ和牛カレー」といった変化球も含め、なんと15種類(!)から選べるそう。ちょっと特別なシーンは緊張してしまうことも多いですが、こんな優しさがあれば、場も和みそうですよね。

ほかにも、フランス料理の料理人からヒントを得て技法を取り入れたり、デザートにはカヌレやマカロンが登場したりと、和食の枠を超えた柔軟さもまた“鷺風流”。確かに西川さんご自身も、板前の和帽子は被らずエプロンを着用。肩肘張らない雰囲気に心もほぐれるような気がします。

お値打ちすぎる「季節点心」

「夜の懐石を楽しむ前に店の魅力を気軽に楽しんでみたい!」という人におすすめなのが、女性に人気のお値打ちすぎるランチ「季節点心」3960円。

先付け・お吸い物・お造り・焼き八寸・土鍋で炊いたお食事・デザート・ドリンクをコース仕立てでいただける大充実の内容なのですが、ここにもあっと驚くおいしいアイデアがあちこちに。

姫路『懐石 鷺風』の「エビ真薯のお吸い物」
エビ真薯のお吸い物
姫路『懐石 鷺風』の「お造り」(奥)と「寿司」(手前)
写真のお造り(奥)は、ヨコワ、タイ、イカの3種。寿司(手前)はヒラメ、ブリ、サワラ。
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この日はホッと癒される山椒が香るお吸い物に続いて、お造りと寿司が一緒に登場。

お造りは寒天で濃度をつけることで口の中にしっかりと味わいが残る特製の海苔醤油と共に。握り寿司のネタの上に乗っているのは、姫路の味噌蔵『小松屋』から仕入れた麹菌を使った自家製の醤油麹です。

しっかり色づいたシャリには「普通じゃアカンやろと思って」と、飴色になるまで長時間炊いた淡路島産のタマネギと熟成赤酢を加えることで甘みと旨みを凝縮。野菜の味わい深さもプラスされた寿司は唯一無二のおいしさです。一手間も二手間もかけた味わいがサラッと登場するところに、底力を感じざるを得ません。

姫路『懐石 鷺風』の「八寸」
華やかな八寸は月替わり。
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アサリの茶碗蒸しやイカと菜の花の白和え、彩り豊かな八寸や土鍋ごはん、デザートのクレームブリュレまで、満腹必至のラインナップ。ランチで訪れるなら、夜の懐石料理を少しお得にいただける「昼懐石」もおすすめです。
大切な人を連れて行きたいとっておきの店として、ぜひ手札に加えたい一軒です。

鳥取県産食材を使った料理も提供

西川さんは鳥取県が開催する生産者訪問会にも参加したことがある県産食材ファンで、産地から取り寄せられた食材は、様々な料理に調理され提供されます。旬の鳥取県産食材を味わえるおすすめの一軒です。

姫路『懐石 鷺風』の「鳥取和牛のお肉料理」
鳥取和牛ヘレとロースを使った〆のお肉料理 。
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【2025年版】姫路でおすすめのランチ15選|穴場、名物グルメなど

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