
あえての“割烹未満”を貫く京都・荒神口『お料理とお酒 ふくら』
ほっこりできるカジュアルな雰囲気
京都の学生街・出町柳エリアからもほど近い荒神口にあるお店は、パッと見は小洒落た食堂風。扉を開けて中に入ると、ウォールナットのカウンター席がメインで、厨房に立つ店主はストライプのシャツにカフェエプロンという砕けた装い。和食らしくない佇まいに少し戸惑いますが、これこそが店主・村田光宏さんの狙いです。
「味も素材も、本格的な割烹レベルと自負しています。ですが、おいしいものにホッとできるお店にしたくて」と村田さん。和食でも割烹でもなく、「お料理とお酒」を店名に冠したのもそれが理由。カジュアルな小料理屋を目指したという雰囲気には、そんな温かい想いが込められています。
メインを選べる“未完”なコース
凝り性な村田さんは、味噌のほか、醤(ひしお)という醤油の原型とも言われる調味料や、滋賀県の郷土食・鮒ずしや干物など、数々の発酵食品を手作りしています。
アラカルトもありますが、8割以上のお客様が頼むのが「未完(みかん)」と名付けられたコースです。内容は、村田さんの故郷・滋賀から届く琵琶マスや鹿肉のほか、村田さん特製の自家製品を生かした酒肴盛合せなど全6品。個性と定番が品よく混在するおまかせコースを通して、この店ならではの魅力をお得に堪能できます。
こちらのコース最大の特徴は、メインを選べるプリフィクススタイル。「自分で選ぶ楽しみも外したくなくて」と労力をいとわずに照れ笑う村田さん。名物の丸鍋(スッポン鍋)のほか、滋賀・日野町産の鹿肉や京都・亀岡の七谷鴨のローストなど7種類前後を日替わりで用意しています。
コースをお酒のつまみ感覚でゆっくり楽しむ方が多いこともあって、締めのご飯ものや甘味が付いていないのも、未完の特徴。アラカルトのご飯ものから好きに選んで追加できるのも、このコースの嬉しい所です。
もちろん、アラカルトでの利用もOK。その場合は先付(2品1500円)をいただいてから、自由に注文する形になります。
テイクアウトのちらし寿司も評判
開業から間もないタイミングで始めたテイクアウトも、ファンが多い逸品です。3日前までに予約が必要ですが、華やかなちらし寿司・よくばりふくらは、特にその価値充分の内容です。
粒立ち良く甘さ控えめの酢飯の上には、鮮魚のヅケや滋賀県名物・赤コンニャクの煮物や自家製みりん干し、厚焼き玉子など盛りだくさん。酒肴にもなる品々が、さすが左党のツボをわかっていると好評です。
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- 店名
- お料理とお酒 ふくら
- 住所
- 京都府京都市上京区荒神口下ル上生洲町220-1クリスタルハイツ1F
- 電話番号
- 075-252-0505
- 営業時間
- 12:00~・12:30~(コースのみ。3日前までに要予約)、17:00~21:00LO(コースは20:30LO。土・日曜、祝日は16:00~。)※営業時間が変わることが多いため、Instagramで要確認
- 定休日
- 月曜、その他不定休
- 交通
- 京阪神宮丸太町駅から徒歩10分
- メニュー
- 昼/コース4950・7700円、夜/お造り1200円~、刻み鮒ずし950円。生ビール(サッポロSORACHI1984)880円、日本酒半合600円~。持ち帰り/小鯛の雀寿司1本3000円。※先付1500円。※4名以上はコースのみの提供。
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