
『京料理かじ』が魅せる、四季の懐石鍋コース
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世界遺産・二条城から徒歩10分
世界遺産の二条城から北へ歩くこと10分ほど。京都御苑の西側に『京料理かじ』が開業したのは2001年。店主の梶憲司さんは、京都の祇園や西陣の老舗料亭で研鑽した後に鷹峯(たかがみね)の有名料亭で15年間料理長を勤め上げ、こちらに暖簾を掲げました。
店が建つのは、かつて平等院を創建した藤原頼道の邸宅・高陽院の跡地という由緒ある土地。2階に30名近く入れる座敷も備えたのは、幅広く楽しんでもらえるようにするため。2012年の増築で個室やテーブル席を増やしたのは、時代のニーズに合わせての変化。開業時に胸にした「京料理を身近に楽しめる店に」という想いは、約四半世紀経つ今も変わりません。
旬を味わう鍋会席が好評
「より良いものをお届けしたい」と、値打ちの食材探しに奮闘する日々を送る梶さん。スタンダードな懐石コースに並ぶ人気が、四季折々の鍋懐石です。春なら桜鯛、新ワカメに山城タケノコを、夏から晩秋にかけては鱧と松茸、冬は寒ブリが主役。「料理屋ならではの仕立てでないと、わざわざお越しいただく意味がありませんので」と、全力で腕を振るいます。
例えば冬の寒ブリしゃぶコースは全9品。焼き物は甘辛い寒ブリを甘辛い山椒焼きに、椀物は塩焼きした寒ブリを椀種にした聖護院大根のみぞれ仕立て。お凌ぎのご飯物は寒ブリの握りを生と炙りで一貫ずつ。多彩な手札ありきの見事な〝尽くし″に、ベテランの風格が漂います。
メインの寒ブリしゃぶの鍋だしは、ブリの骨と昆布で取っただしがベース。そこに冬の寒さに耐えて身を肥やしたブリの身をくぐらせます。野菜はたっぷりの水菜と京ニンジンのせん切りのみというのが、この店の流儀。ブリの旨みを際立たせる引き算が見事です。
鱧山椒などの土産品も充実
「京の味と技を、ぜひご家庭でも」と開業時から用意している土産品も逸品揃いです。一番人気の鱧山椒は、骨切りした鱧を酒と水でコトコト炊いて、醤油や梅酢で味付け。最後に青山椒の実をたっぷり加えて爽やかに仕上げています。その他にも、ちりめんじゃこの佃煮は常時4種類。定番のちりめん山椒のほか、貝柱の戻し汁で炊いて旨みをグッと上げた〝かいばしら″や角切りした自家製カラスミを混ぜ込んだ〝からすみ″など、創意工夫が利いた品々が揃っています。
京都らしさがあって、程よく個性的。ご飯のお供はもちろん、酒のアテにも抜群。自宅用にも贈答用にもと、年に何度も購入される方が多いそうです。
data
- 店名
- 京料理かじ
- 住所
- 京都府京都市中京区小川東入横鍛冶町112−19
- 電話番号
- 075-231-3801
- 営業時間
- 12:00~14:00入店、17:30~21:00入店
- 定休日
- 水曜
- 交通
- 地下鉄丸太町駅から徒歩8分
- 席数
- 1F/カウンター10席、2F/座敷2~28席
- 個室
- 1F/2室(2~8名)※個室はサービス料10%別(2名利用時は15%)
- メニュー
- 昼/平日限定・宝コース4000円。夜/コース(昼夜共通)6000~20000円、鯛しゃぶコース(通年)7500円~。生ビール中800円、日本酒1合700円~。
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