焼き師歴39年の店主が営む“鶏割烹”。大阪・高槻『鶏割烹まことや』

JR高槻駅から歩いて5分の『鶏割烹まことや』。焼き師として39年を迎える店主の前田誠二さんが、技術と心を込めて焼き上げる焼き鳥コースが味わえます。

割烹着の店主が迎えるカウンター焼き鳥

JR高槻駅から歩いて5分ほど、飲食店が並ぶ通りの2階にひっそりとある『鶏割烹まことや』。大衆的な焼き鳥店としてこの地で営業をスタートしたのは2010年のこと。店主の前田誠二さんがずっと心に留めていた「丁寧な仕事を施した価値のある一串を提供したい」との思いを叶え、焼き鳥をコースで提供する“鶏割烹”というスタイルへリニューアルし気持ちも新たに歩み始めました。

『鶏割烹まことや』内観
店内はカウンターがメインながら、個室も一室完備。
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ディナーでは、使う鶏の銘柄や品数が異なるコースのみを展開。カウンターから眺めることができる焼き場で、前田さんが丁寧に焼き上げる串が一本ずつ提供されます。

『鶏割烹まことや』調理風景
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『鶏割烹まことや』焼き場
カウンター席からは焼き場が見渡せます。割烹着に身を包んだ前田さんの立ち姿もパリッとしていて素敵です。
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但馬鶏を味わい尽くす珠玉のコース

お店で人気なのが、8800円の但馬鶏のコースです。前菜、かしわの藁焼き、焼き鳥と内容はシンプルながらコースのボリュームはかなりしっかり。この日の前菜はだし巻き玉子とささみしそ巻きのあんかけです。なめらかな玉子焼きにしそがとてもいいアクセントのささみ、その上にかけられた黄金色の餡も上品な味付けでここから始まる但馬鶏づくしに期待が高まります。

『鶏割烹まことや』だし巻き玉子とささみしそ巻きのあんかけ
舌触りの滑らかさに驚くだし巻き玉子は、ささみしそ巻きを巻き込んだ変化球的一皿。
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そして前田さんが考案したかしわの藁焼きは、目でも香りでも楽しめる一皿。熱々の備長炭の上に藁をパラリ、その香ばしい香りもプラスされサッと焼き上げられる但馬鶏はジューシーでお酒も進みます。瞬間燻製をイメージして作り上げられたのだそう。

『鶏割烹まことや』調理風景
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『鶏割烹まことや』調理風景
香りもごちそうの藁焼きはお酒との相性も抜群。ワインも日本酒も合いますが、どちらもフルーティーな味わいのものが相性◎。
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大本命の焼き鳥の串は、きも、こころ、砂ずり、ふりそで、ソリレス&鶏トロなど希少部位も含めた12〜13串がズラリ。味がしっかりと濃く、身が柔らかい但馬鶏は焼き上げにとっても神経を使うのだと言います。しっかりと中まで火を通して提供することを大切にしている前田さんは、備長炭の積み上げ方を場所によって変えて焼き台の中に強火スペースと弱火スペースを作成。まずは強火で焼き上げ、弱火のスペースで低温調理を施すイメージでゆっくりと火入れするとふっくらとジューシーな仕上がりに!

『鶏割烹まことや』串
左からきも、こころ、砂ずり、ふりそで、ソリレストトリトロ、手羽先。そのほかにかっぱなんこつやぼんじり、こころのこりなども。串は「全部食べてもらいたい」という思いから気持ち小ぶりにしているそうですが、13串ほど提供されるのでボリュームはしっかり。
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串の提供は味の濃い部位から始まって、あっさりとした味わいの部位へ。「その方が食べ飽きずに完食してもらえるんです」と前田さん。1本ずつ食べ進めるごとに、鶏の旨みはもちろんふっくらとした食感にもうっとりできる但馬鶏のコース。ゆっくりゆったり焼き鳥を堪能できる、貴重な一軒です。