現地さながらの、気負いのないビストロの味。大阪・上本町『アヴォロンテ』

「日本向けアレンジはしません」。味に厳しい地元民がこぞって通うパリのビストロの味を提供し続けているのが、大阪・上本町の『アヴォロンテ』です。

パリのビストロで単身修業

日本での修業ののち渡仏。夜な夜なパリジャンが集い、豪快に料理を食べガブガブとワインを飲む――そんなビストロで料理の腕を磨いた川田祐志さん。先輩シェフや味に厳しいお客さまたちにたっぷりと“ビストロ料理とは何たるか”を叩き込まれ、帰国後に大阪のビストロで料理長を務めたあと2013年に自らの店『アヴォロンテ』をオープンしました。

『アヴォロンテ』内観
店は地下鉄谷町九丁目駅と近鉄大阪上本町駅をつなぐ地下道、7番出口を出てすぐとあってアクセスも抜群。
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川田さんがパリのビストロで体感したのは、素材の味を生かしてシンプルに調理することの難しさとボリュームたっぷり・一皿でお腹がいっぱいになるポーションで提供される豪快な料理のおもしろさ。そんな現地さながらのビストロ料理を、アレンジなしで日本でも提供したい! そんな思いを叶えました。

『アヴォロンテ』シェフ川田祐志さん
『アヴォロンテ』=フランス語で“自由気ままに好きなだけ”。「豪快に食べて飲んで欲しくて」という川田さんの想いを聞けば、店名も本当にピッタリです。
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ボリュームたっぷりの豪快な皿の数々!

「うちは現地色が強めなので、一皿でドンッとお出しします。この量に驚かれることも多いんです」と川田さん。事実、常連さんは圧倒的に男性が多く、みんなで取り分けながら楽しみたいと8割以上のお客さんがアラカルトで注文をされるそう。料理とワインを介して、ワイワイと夜を過ごす。そんな時間を提供できる店でありたいというのが心にある想いです。

そして味付けで信条としているのは、日本人の舌に合わせたアレンジはしないこと。あくまでもパリジャンに愛された現地の味をそのままに楽しんでもらいたいと腕をふるいます。

『アヴォロンテ』豚足の香草パン粉焼き
前菜から豚足の香草パン粉焼き2800円。下処理をしてトロトロに煮込んだ豚足を細かく刻み、型に入れて冷やすと自身のゼラチン質がつなぎとなってひとつのかたまりに。その豚足に香草を混ぜたパン粉をまとわせて揚げ焼きにした一品。ピクルスと卵を合わせた酸味の効いたラビゴットソースがよく合う! 他のメニューも楽しみたいならぜひ2〜3人でシェアを。
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ココットでじっくりと調理する煮込み料理・ジブロットラパン(ウサギの白ワイン煮込み)。
鶏肉に似てあっさりとした味が特徴のハンガリー産のウサギを、白ワインや玉ねぎと一緒に煮込みます。旨みをたっぷりと含んだスープをジャガイモやニンジンに全て吸わせる、曰く「フランスの肉じゃがですね」。

『アヴォロンテ』ジブロットラパン
ジブロットラパン(ウサギの白ワイン煮込み)4800円。ウサギは想像以上に淡白な味ながら、旨みのあるスープがたっぷりと絡んでホロホロ&ジュワリ。
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そしてデザートにぜひ食べてもらいたいのが、リオレ キャラメルソース! 生米を牛乳と生クリームでコトコトと炊くフランスでは定番のデザートです。ミルキーで少しもったりとしたお米のスイーツは、苦味の効いたキャラメルソースで。大人数でテーブルを囲んでワイワイしたい夜に、覚えておきたい一軒です。

『アヴォロンテ』リオレ キャラメルソース
リオレ キャラメルソース600円。「あれ、今日ある?」と聞かれることも多いという人気の一品。川田さんが「このデザートを褒められるのがたまらなくうれしい」と話す自信作です。
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