スリランカで独自調合する香り高いスパイス。大阪・南船場『セイロンカリー』

スパイスカレーのお店が多い大阪・南船場。中でも『セイロンカリー』は、万博で腕を振るったこともあるスリランカ人シェフによる本格的なスリランカカレーを味わえるとして人気です。

味に惚れ、お店をオープン

店主の重國裕子さんがスリランカカレーに魅了されたのは、お母様の知り合いのスリランカ人が手作りしてくれたカレー弁当がきっかけ。その後、国内で様々なお店を食べ歩きしましたが、納得する味に出合えず、とうとう現地へ。本場の味を食し、“スリランカのカレー屋さんを日本でやりたい”と思い立ったそう。

現地でシェフ探しをする中で、上海万博や麗水(ヨス)万博にスリランカ代表として呼ばれるほどの凄腕シェフ、ランジさんに出会います。「ランジさんのカレーを食べた時、こんなおいしいカレーつくるんやと電流が走った」と重國さん。

ランジさんには最初は渋られましたが、何度も交渉し情熱を伝えたと言います。ようやくOKをもらえ、2013年に『セイロンカリー』をオープン。2024年3月には東大阪に2号店を開き、人気はどんどん拡大しています。

『セイロンカリー』重國裕子さん、シェフ・クマーラさん、サラタさん
重國さん(中央)。現在ランジさんは東大阪店にいるため不在でしたが、ランジさんと万博で共に働いたことのあるシェフ、クマーラさん(左)と、サラタ(右)さんが出迎えてくれました。
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『セイロンカリー』内観
スリランカの国旗などが飾られ、異国情緒たっぷりの店内。
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特製スパイスが味の決め手

おいしさの秘密は、ランジさんが独自に調合したミックススパイス「トゥナパハ」。これがカレーの味の決め手になっていると言い、ランジさんがスリランカに帰国した際、自宅で調合したものを日本に取り寄せています。

一番人気のメニューは、カレーと副菜数種、ご飯、パパダム(豆粉のせんべい)がワンプレートになった「アンブラ」です。カレーはチキンや鶏キーマなど、本日のカレーから好きなものを1つ選べます。副菜は日替わりで、この日は、パリップ(豆カレー)やポルサンポーラ(ココナッツのふりかけ)など、彩りのきれいな6種がラインナップ。

『セイロンカリー』アンブラ
アンブラ1200円(写真はバスマティライス+200円、マグロカレー+200円)。手前から時計回りに、マグロカレー、パリップ、ポルサンポーラ、大和真菜のサンボル(和え物)、ナスのモージュ(和え物)、三度豆のテルダーラ(炒め物)、ビーツのキラタ(ココナッツ煮)。
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まずは一つひとつの味を堪能。ココナッツと豆の優しい味わいのパリップ、ごろりと分厚い身のマグロカレー、辛味と酸味のあるビーツのキラタ…と、多彩な味わいにどんどん食が進みます。「うちでは乾燥のものではなく、石垣島で特別に栽培してもらっている生のカレーリーフを使用しています」と話す通り、スパイスの香りも実に豊か。

ご飯が半分くらいになったところで、副菜もカレーも全部混ぜ。口の中で、甘みや酸味、辛味、シャキシャキ、パリパリといった様々な味と食感が混ざり合い、個性はばらばらなのに、うまく調和しているのが不思議。

このほかにも、ロティや野菜、カレーを鉄板の上で刻みながら炒めた「コットゥ」、スリランカ式チャーハン「フライドライス」も人気だそう。また、「ライオンラガー」やスリランカの蒸留酒「アラック」といったスリランカのアルコールドリンクもあるので、夜にお酒と一緒にスパイス料理を楽しむのもおすすめです。

『セイロンカリー』アラック
ヤシから抽出したココナッツのお酒「アラック」。風味をしっかり味わいたいなら、ロックがおすすめ。
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『セイロンカリー』外観
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