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協奏美しい技巧派フレンチ、大阪・北浜『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』

‟フランスの心“を店名に掲げるレストランが紡ぐコースは、伝統的手法をベースにしながら攻守を使い分けた、クールでスタイリッシュな構成。繊細な味わいと芸術的な盛付けにも、感性が光っています。

北浜駅直結の上質フレンチ

 大通りを見下ろせる大きな窓に、開放感のある高い天井。黒を基調としたシックなカラーリングの中、ガラス越しに透ける厨房の気配が、何ともドラマチックです。
 大阪メトロ北浜駅の4番出口に直結している商業施設・北浜プラザ内という好アクセス。足を踏み入れた瞬間に身を包み込む上質な空間にときめきます。

『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』外観
オープンは2010年。隣には厨房続きにした姉妹店『カフェ・ドゥ・コルス』が並んでいます。
『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』店内
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変化に富んだ刺激的なコース

 昼夜共にコース料理のみで、アミューズから野菜料理、肉・魚料理など7品ほど。東京の有名フレンチ『シェ・イノ』創業者の井上 旭シェフから店名をもらい受けるほど交流が深いこともあり、大切にしているのは古き良き伝統的手法と創造性の共存です。
 「コースの序盤となるアミューズや前菜は、華やかなビジュアルと軽快な味わいに。クライマックスとなるメインは逆に直球的で重厚な味に仕立てて、徐々に盛り上がる変化と刺激のある流れを意識しています」と、シェフの橋本充史(あつし)さん。 オーナーが鳥取・若桜(わかさ)の生まれである縁から、鳥取食材を意欲的に取り入れているのも特徴です。
 例えば、この日の前菜は鳥取・大山(だいせん)から届いたブロッコリーを主役にした一品。薄緑色のムースは、ブロッコリーの茎のピュレに生クリームと塩を足しただけのもの。上に色とりどりの旬の魚介を、周りにぐるりとブロッコリーのつぼみを飾って、春めいた賑やかな情景を描いています。

『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』の鳥取産ブロッコリーのオードブル
この日のランチコース15800円のブロッコリーのオードブル。オーブンで焼いたブロッコリーのつぼみの香ばしさとクリーミーなムースとの対比が印象に残ります。
『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』の大山白ネギとタケノコのパイ包み焼き
大山白ネギとタケノコのパイ包み焼き。弱火でじっくり炒めて甘みを引き出した白ネギをタケノコと重ねてパイ包み焼きに。中央はネギのフリット。白ネギの青い部分のピュレと山椒風味のフォン・ド・ヴォーソースで。
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メインの定番はロッシーニ

 メインディッシュでファンが多いのが、鳥取和牛オレイン55を使ったロッシーニです。オレイン55は、オレイン酸を55%以上含んでいるブランド牛。口どけと脂のキレの良さに定評がある牛肉のフィレを、フォアグラとトリュフを使った伝統的な一品に仕立てています。

『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』のロッシーニ
コース料金に2800円追加でいただける、鳥取和牛オレイン55のロッシーニ。「重厚な味わいだけれど、重くなりすぎないのはオレイン55のおかげですね」と橋本シェフ。
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 締め括りとなるデザートは、再び華やかな装いに戻る構成。感性を刺激する2時間弱のコースの時間はあっという間に過ぎてしまいます。
 10名まで入れる個室もあるので、親族顔合わせなどハレの日の宴席にも最適。想い出に残る特別な日にピッタリなレストランです。

『レスプリ・ドゥ・クゥー・ドゥ・フランス』のデザート
香り高い鳥取産の鬼柚子をジャムにしてクリームチーズと合わせたレアチーズケーキ仕立て。柚子のシャーベットや柚子の香りのチュイル(薄焼きクッキー)など、幾つも柚子を重ねながら、嫌味のないハーモニーがお見事です。
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