心と体を元気にする、薬膳×イタリアンの妙! 京都・丸太町『LUDENS』

かつて生薬問屋街だった京都・二条通に店を構えるイタリアン『LUDENS』。地域の歴史に着想を得た、心と体を元気にするコース料理で楽しませてくれます。

薬膳効果に心と体が喜ぶリストランテ

イタリア語でレストランはリストランテといい、動詞のリストラーレが語源とされています。リストラーレという言葉には“食事や休養で元気を回復させる”という意味がある――2009年に創業したのち、2017年に今の二条通沿いへ移転したリストランテ『LUDENS』。店を構える二条通がかつて生薬問屋街だったことに着目し、移転を機に薬膳を取り入れた心と体が喜ぶイタリアンのコース料理を提供し続けています。

『LUDENS』外観
京都らしさが漂うその店構えからも、料理とこれから始まるおいしい時間に期待が高まります。
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「元気を取り戻すという意味を持つ“リストラーレ”として、その本来の楽しみ方を提案したいんです」と話す田淵章仁シェフは、国際薬膳食育師の資格も併せ持つプロフェッショナルです。

『LUDENS』シェフ込み内観
「何料理なんですか? とよく聞かれます」と笑う田淵シェフ。ハーブや果物を漬け込んだシロップ・コーディアルや薬膳茶など、料理だけに留まらずドリンクにも力を入れています。
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アイデアと遊び心に驚く全8品のコース

そんな田淵さんの技術と思いが詰まった一皿が、コースの冒頭に供される「養生スープ」です。魚介だしや鶏のブロード、生薬など和・洋・中それぞれの料理で大切にされる滋養が詰まった材料をギュギュッと合わせた一杯は、完成までに1年もの時間を要したという『LUDENS』の顔です。

『LUDENS』養生スープ
季節や気候によって素材を変え、前日のスープに継ぎ足して煮込むのも「養生スープ」の大きなポイントです。この日はフグのだしと鶏のブロードをベースに、ポルチーニ茸、高麗人参、黄精(おうせい)、ナツメ、レモングラスなどが使用されています。
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しかし田淵さんは、薬効を追求するばかりではありません。例えばほろ苦いアマゾンカカオのチュイールにブルーチーズのコクと塩味を合わせたり、クロモジが刺さった「肉のポルシェ」の濃厚な旨みに対してまろやかな酒粕のソースを合わせたり…。発酵食品をはじめ、香辛料も効かせた遊び心ある提案もお得意。もちろんその心意気は20種もの野菜や野草、香草が使われたスペシャリテにも現れていて、目にもそして心と体にも元気を与えてくれます。

『LUDENS』全8品のコースより
料理は全て11000円、全8品のコースより。アマゾンカカオとブラックペッパーチップ、滋賀・竜王町の『古株牧場』のブルーチーズ。フォアグラ入り、『ROSE Farm KEIJI』の「和ばら」のキューブ、パン・ペパートなど。
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『LUDENS』肉のポルシェ
淡海地鶏、猪、鹿などをブロードと共に練った「肉のポルシェ」にはノビルを添えて。
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『LUDENS』スペシャリテ
スペシャリテ、「大原野菜のひと皿」。ウスイエンドウのパンナコッタを中心に、京都・大原の朝市で仕入れる珍しい野菜から野草までがひと皿に。ネギ頭の焦がしパウダーと黒ゴマ、フキノトウと金柑のピュレなど、細やかな味のアクセントが野菜の香味をより鮮やかに感じさせてくれます。
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コースをもっと楽しんでもらいたいと力を入れているのが、料理とのペアリングです。ワインはもちろん、薬膳ビールや薬膳ハイボール、ノンアルコールのドリンクはソムリエが季節のハーブや昆布を使ってオリジナルで作るなどこだわりが満載! 『LUDENS』の料理とだからこそ深く楽しめる提案に、身を委ねてみてはいかがでしょうか。