
10年目の革新。昼夜2組限定に。大阪・西天満『リストランテ ドゥエフィオーリ』
では、4・5月の新しいコースから、いくつかのお料理をご紹介しましょう。
3000円以上お得なランチが狙い目
え、ここ?と戸惑うほどの細いビル路地の奥。玉砂利と石畳に導かれていくと、黒い扉が現れます。中は白い空間。何だか秘密めいています。
「静かなので、ゆっくり食事を楽しんでいただけるかなと思って」、この場所を選んだというオーナーシェフの土屋哲平さん。関西イタリアンの名店『ポンテベッキオ』にて18年腕を磨き、本店の料理長も務めた後、2016年に満を持して独立、この店をオープンしました。
そんなレストランが10年目を機に更なる進化を目指して、リニューアル。
月水土曜のみだったランチも月曜から土曜まで営業。コースは、昼夜同じ内容で全14品へ。昼は15000円、夜は18000円。税サービス料を入れると何とランチは3630円もお得に。まずはランチからいかがですか。
ワクワクの3つのスターター
では、新しいお料理は―。
店名にちなんだ花が咲いたようなガラスのウエルカムプレートに代わって、最初に供されるのは3種のアミューズ。
これから始まる14品のコースに胸が躍るスターターです。しかも3品それぞれがキュート。
キャビアの小瓶の中は、まったりとした食感の初カツオのマリネ。新玉ねぎのフライやソテー、卵黄のソースとキャビアがたっぷりのっています。「スプーンを一気に入れて、幾つかの層を一緒に味わって」とシェフ。きれいすぎてスプーンを入れるのをためらってしまうけれど、ここはシェフの想いに応えて一気に。アボカドと卵黄をまとったカツオがまったりねっとりととろけあい、玉ねぎのシャキシャキが時折リズムを作ります。
白い器は、炭火でさっと炙ったイシカゲ貝。フレッシュのトマトソースの酸味の中、貝のだしのジュレが広がります。
岩塩のプレートの上は、フキノトウのサブレに、豆のピュレやウニなどを重ねて。ひと口でパクリといくとフキノトウの苦みが春を思わせます。
「これにはフランチャコルタがオススメです。泡を飲みつつ、ちょいちょいと摘まんでいただきたいですね」とシェフ。
復活した名物スープ
コース前半に登場するスープも印象的。オープン当初名物として供していた雉(きじ)のスープがホロホロ鳥バージョンで復活したもの。「岩手県のホロホロ鳥丸ごと一羽を旨みに変えたスープです」とシェフ。2~3時間掛けて炊いたチキンブイヨンで、ホロホロ鳥を炊いて、仕上げに鳥節というかつお節の鶏肉版を入れてさらに炊くという、手間と時間を掛けたスープ。あっさりしているのに、旨みがジーンとあとを引き、忘れられない味わい。
コース中盤に肉料理を
パスタの後に肉料理が出てくると、もうお腹いっぱいという方も。だから、パスタはごはんのように締めにして。メインはコースの折り返し地点で登場。
4-5月のコースのメインは鴨肉。「今日は宮城県の『野田鴨』です。『近江鴨』も使います。国産の鴨肉が好きなんですよ。さっぱりしているので」とシェフ。炭火でローストした香ばしいところとレアな部分の対比が楽しい。添えられたのは、アランチーニと呼ばれるライスコロッケ。「ノスタルジックでしょ。古典的なこういう料理はワインを呼びますね」。
日本人に優しくパスタは締めに
パスタはコースのラストに2種。掉尾(ちょうび)を飾るのはこのアニョロッティダルプリンです。「卵たっぷりの歯切れの良いパスタなんですが、少し餅粉を加えています」とのこと。もっちりとしたパスタで包んだのは、5時間煮込んだ牛スネ肉のミンチ。バターとチーズのソースを絡めていただくと、頬を両手で包んでおいしいため息がもれてしまいます。
「もっと料理に、ゲストのおもてなしに集中したい」という土谷シェフの想いがビンビン伝わってくる新コースです。
data
- 店名
- リストランテ ドゥエフィオーリ
- 住所
- 大阪府大阪市北区西天満4-10-4 新光西天満法曹ビル1F
- 電話番号
- 06-7710-7828
- 営業時間
- 12:00~、18:00〜(各一斉スタート)
- 定休日
- 日曜・祝日
- 交通
- 京阪大江橋駅から徒歩6分、地下鉄淀屋橋駅から徒歩8分
- 席数
- 6席
- メニュー
- コース(全14品)ランチ16500円、ディナー19800円(サービス料別)。グラスワイン1600円~。
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