大阪・西天満『Az/ビーフン東』で受け継がれるビーフン&バーツァン

大阪・西天満で長く愛されてきた『台湾料理 東』。時を経て昼はビーフン専門店『ビーフン東』、夜は中国料理『Az』として営業を続けています。

昼夜で表情を変える中国料理店

1947年に大阪・西天満の地で営業を始めた『台湾料理 東』。同時期に、東京・新橋に『ビーフン東』をオープンさせ、ここで提供していたビーフンは皇室・文豪・政財界など各界の著名人に愛されてきました。大阪の店舗は閉店を余儀なくされていた時期もありましたが、長い月日を経て同じく西天満で『Az(アズー)/ビーフン東(あずま)』として再び開店しファンを喜ばせたのは2011年でした。

『Az/ビーフン東』外観
スタイリッシュなデザインのビルの地下に『Az/ビーフン東』はあります。同じビルの階上には同系列のレストラン『AUBE』と『Chi-Fu』も。
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現在『Az/ビーフン東』を取りまとめるのはシェフでソムリエの資格も持つ畑野亮太さん。中国料理・広東料理の名店で研鑽を積み、現在はこの店の味を守りながら新たなメニューも生み出しています。

『Az/ビーフン東』畑野さん
総料理長を務めている畑野さん。ルーツである広東料理をベースに、特にディナーでは“しっかり食べてしっかり飲める”料理を提供しています。
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シグネチャーメニューはビーフン!

現在未訪…という方へはまず昼のビーフン専門店『ビーフン東』への訪問がおすすめ。長きにわたって愛されてきたビーフンには、人気の理由がたくさんあります。

ビーフンとはもち米で作られた麺で、ランチでは「焼」「汁」の2種類から選べます。
まずは乾麺の状態のビーフンを下味もかねてスープで戻します。余熱でも熱が入るので少し固めにあげて、保温・保湿効果のあるラードをからめて少し蒸すのがポイントです。

『Az/ビーフン東』調理風景
強火で麺がしっかり踊るように茹で上げます。ちぎれやすく扱いが難しいとされるビーフン、こちらではあえてスーパーロングのものを採用。扱いはさらに難しくなりますが、長さがある分しっかりと麺をすする楽しみを味わえるそう。
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白菜、もやし、キャベツ、ネギにスープを加え旨みを引き出すべく昆布塩で調味してさっと炒め合わせ、豚のバラ肉は同じく名物であるちまきのタレで味付け。ビーフンの上にこんもりとのせれば、焼きビーフンの完成です。

『Az/ビーフン東』焼きビーフン
基本のレシピは代々受け継がれてきたものですが、時代に合わせてシェフのアイデアがプラスされてきたそう。昆布塩を用いるのは畑野さんの発案!
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他ではなかなか出合えないと人気の汁ビーフンは、麺と付け合わせは焼ビーフンと同じながら、スープは鶏ガラをベースにちまきのタレを調味料として使用しコクとほのかな甘みが感じられる仕上がりです。

『Az/ビーフン東』汁ビーフン
コクのあるスープが極細のビーフンに絡んで、ズルズル啜れば旨みが口の中に広がります。麺とスープも完食しても意外と胃は軽やか!
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ボリュームしっかりのバーツァン

ビーフンとセットで楽しんで欲しいのがちまきです。バーツァンと呼ばれる中華ちまきは、もち米をラードで炒めて作るのがカギ。一粒一粒を油でコーティングすることで米が立ち蒸して食べた時には、それぞれの米がくっついて餅のようになるのを防げるのだそう。このバーツァンの味付けに使うタレは毎日継ぎ足して使ってきたという“命のタレ”です!

『Az/ビーフン東』バーツァン
もち米の中には豚肉、うずらの卵、茹でピーナッツや干し椎茸を炊いたものなど具沢山! ランチではBセット(ビーフンとバーツァン)1300円で楽しめます。ビーフンが小サイズになるAセット1100円も。バーツァンはもち米200gとしっかりめなので、女性はAセットでも十分満腹に。
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もちろんビーフンとバーツァンはディナーでもいただけます。畑野さんが繰り出す中国料理と世界各国からセレクトされたナチュラルワインのマリアージュもぜひ!

『Az/ビーフン東』内観
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