地方料理やスペインビールも充実、三宮の隠れ家スペインバル『OLIVA』

生田神社の鳥居の東、東門筋の飲食店街にある老舗洋菓子店『ローヤル』の2階。階段を上がると、そこは隠れ家のようなスペインバルが! 骨付きのハモンセラーノやタパスが数種類並ぶカウンターの向こうから、ダリのような髭の店主がご挨拶。セラーには、スペインワインがぎっしり、スペインビールもありますよ。

日本酒の角打のような気軽なバル

「料理は独学」と語る、店主・東山光成(みつまさ)さん。テキスタイル関係の仕事をしていて海外暮らしも経験。旅行が趣味で、世界各国を旅しては、おいしい料理と酒を楽しんできました。各地で友人ができると料理のレシピを教わり、自宅でさっそく試作しては試食。そんな趣味が高じて、1993年に「日本の角打のような」スペインバルをオープンさせました。関西にまだスペインバルが少なかった時代にできた、バルの先駆け的な一軒です。

『オリーバ』の店内
東門街にあるビルの2階にある隠れ家的なバル。こじんまりと、アットホームな空間です。
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『オリーバ』の店主・東山さん
ダリのような髭が印象的な東山さん。明るい奥様の小百合さんと2人で切り盛りしています。
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「魚介類を使うスペイン料理は日本人好み。タパスは一人でも色々食べられて、食いしん坊の酒飲みにぴったりだと思って」。アヒージョもまだ一般に知られていなかった頃でした。1995年、阪神・淡路大震災に遭い、地下から2階に移転。いつしか街にスペインバルやイタリアのバールが次々にオープンしましたが、30年以上経った『OLIVA』は、どこか老舗の風格すら漂っています。

スペイン人も太鼓判、本場さながらの料理

東山さんは毎年のようにスペインに出掛けては、各地の料理を探求。自店で次々に披露してきました。「明石蛸のガリシア風」や、牛のホルモンとヒヨコ豆を煮込んだ「カジョス」などは、風味豊かで初めて食べる人でもおいしいと感じる味わいです。

『オリーバ』の明石蛸のガリシア風
明石蛸のガリシア風1430円。タコのプリプリした食感、パプリカパウダーがきいたピリ辛風味のワインが進むタパス。すっきりした酸味のガリシア産ワイン、グラス770円を合わせて。
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『オリーバ』のカジョス
カジョス(牛の胃袋の煮込み)1430円。マドリード地方の料理で、牛の胃袋(ハチノス)をじっくり煮込んだ、いわゆるモツ煮。こちらもワインによく合う。パンに付けてソースも味わいつくして。
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ほかにスペイン牛ハラミのプランチャ(鉄板焼き)や、イベリコ豚と鶏の白肝のテリーヌ、東山さんが現地で買い付けて来たスペインチーズなど、黒板に書かれた初めての料理にトライするもよし、定番のアヒージョやパエリアなど、安定の味を堪能するもよし。どれも店を訪れたスペイン人が太鼓判を押す本場の味。陽気にスペインワインやビール、シェリーなどを飲みながら、ご機嫌な旅気分が味わえますよ。

『オリーバ』のパエリア
シーフードのパエリア1人前1760円。2名から注文可。エビ、ムール貝、アサリ、イカなど、魚介の旨みたっぷり。魚介類の他、ミックス、イカ墨、ショートパスタを使ったフィデウアも。
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