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店主の料理と日本酒、そして心遣いにも酔う大阪・福島『お酒とさかな かけはし』

飲食店がひしめく大阪・福島にあって大人の“飲みたい”気持ちに寄り添い、お酒とおいしいお酒の肴で気持ちよく酔わせてくれるのが『お酒とさかな かけはし』です。

鮮魚居酒屋で飲食のいろはを学んだ修業時代

夕方ごろから賑やかさが増す大阪・福島の中でも国道2号線の南エリアで極々細い路地を入ったところに佇むのが『お酒とさかな かけはし』です。

『お酒とさかな かけはし』外観
店は朝日放送のすぐ近く、細い路地を入った裏通りに位置しています。そんな立地もゆったりと飲める夜の始まりにぴったりです。
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素敵な店名ですねとお褒めいただくことも多いんですと話す店主は、梯(かけはし)隆司さん。「実は名前を付けただけなんです。単純でしょう?」と笑顔を見せます。会社員として働いていた頃からおいしい料理と酒を合わせて楽しむことが好きだった梯さん。ここまで好きなのだから自分も飲食の世界に飛び込んでみようと一念発起し、縁あって大阪・西梅田の鮮魚居酒屋『さかなや いぬい』で修業の日々を過ごしました。

『お酒とさかな かけはし』調理風景
魚の捌き方、調理の仕方、接客など飲食のいろはをイチから学んだ修業時代。あの日々があったからこそ今があると話します。
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魚に肉、もちろん野菜も揃う酒の肴

『さかなや いぬい』をはじめ数軒の居酒屋で経験を積み、いよいよ独立。梯さんが開店当初に目指したのは“お酒とおいしいアテをしっかり扱って、お客さんに日常的に使ってもらえる店”でした。「もちろん修業したのは魚のおいしい居酒屋だったので魚料理には力を入れていますが、実はしっかり肉料理や野菜料理も取り揃えているんです。だから店名の“さかな”の表記はひらがなにして、魚も酒の肴も豊富に取り揃えていることを伝えたいと思いました」と熱い想いを店名に委ねています。

『お酒とさかな かけはし』メニュー
店のメニューは毎日心を込めて書き上げます。素晴らしき達筆ぶり! 「読めないと言われることも多くて(笑)。これ、何て書いてあるの? と聞かれるところから会話が広がっていくこともありますね」。
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ドリンクは日本酒を豊富に揃えます。自宅でも燗酒をゆるゆると飲み続けるほど日本酒が好きという梯さん、開店当初はマニアックな銘柄を取り揃えていたものの日本酒ビギナーを遠ざけていたことに気づき、路線を変更。銘柄の幅に広さを持たせ料理をしっかり食べつつ楽しめる日本酒をと、冷酒向きのものと燗酒向きのものを約20種ずつ常備しています。

『お酒とさかな かけはし』日本酒
銘柄はその時々で変わるものの、優しい燗酒でゆるゆると飲めるものが好きだそう。料理とのマリアージュのカギは温度と考え、冷たい料理には冷酒を、温かい料理には燗酒を合わせます。それは口の中で合わさった時に、温度差が大きくならないことで両方を楽しめるという想いから。 日本酒(1合)1200円〜。
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自宅からも店からも気軽に行ける距離にあるとあって毎朝中央市場に通い仕入れをする鮮魚を使ったメニューはもちろんのこと、肉や野菜も使ったメニューが揃います。

『お酒とさかな かけはし』すっぽん唐揚げ
大阪・空堀の『魚将』とのご縁がきっかけで提供できるようになったというすっぽんの唐揚げとスープ。すっぽんの手の部分を丁寧に下処理し、片栗粉と薄力粉で作った衣には薄口醤油で味付け。カラリと揚げると口に入れた時に衣まで醤油の香ばしさが感じられるのはもちろん、ぷるんぷるんのコラーゲン質がたっぷり。旨みの爆弾とでも言いたい、白濁したスープも口の中に膜が張るような感覚でコラーゲンの豊富さを実感できます。すっぽん唐揚げ(1個)600円、すっぽんスープ2180円。
『お酒とさかな かけはし』すっぽん料理スープ
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『お酒とさかな かけはし』蝦夷直のカレー
シメのご飯ものの豊富さも特筆すべき点。人気のカレー、この日はスパイスと蝦夷鹿(エゾシカ)と香味野菜のスープで作り上げる、居酒屋らしさ溢れるスープカレー。香りはごく控えめなのに、食べるとしっかり感じられるスパイスの味わい。蝦夷鹿は臭みもなくほろほろとした食感で、スプーンが進みます。かけはしのカレー1000円。
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通常メニューはポーションしっかりゆえに、おひとり様から「いろんなものをちょっとずつ食べたい」というリクエストがあったそうで…。その声に応えて「おまかせ」なるメニューがリストに登場。その日のメニューに登場しているメニューの中からお造りも二切れ、その他の料理も小皿にちょこちょこ盛って、ストップがかかるまでサーブされるという至れり尽くせりなシステムが(12品ほどで6000〜8000円)! 梯さんは「大人用の居酒屋と思ってもらえたら」と言いますが、そのお酒と多彩なアテの味、心遣いはもはや気軽な割烹です!