
フグの名店で食す、夏のハモ鍋。大阪・法善寺横丁『法善寺 浅草』
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水掛不動さんの真正面
ミナミに奇跡のように残る法善寺横丁は、今やインバウンド客の格好の観光名所。緑の苔に覆われた不動尊に、見様見真似で柄杓で水を掛けたり、写真を撮ったりする人の姿が引きも切りません。
その水掛け不動さんの目の前にあるのが『浅草』。クリーム色の土壁が周囲に溶け込んだ老舗の佇まいは、少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、意外なほどリーズナブルで、大阪らしい人情味のある温かなもてなしに心和むお店です。ガラガラと格子戸を開けてみれば、お店の方の優しい笑顔に迎えられます。
ちょっと急な階段を上がって2階へ。2023年にリニューアルして座敷は靴を脱がずにそのまま席に付けるテーブル席の個室になりました。窓から水掛不動さんの鎮座する社の小屋根が見え、手向けられた線香の香りがふわりと届きます。
目にも彩な9種の前菜
それでは、夏のハモ料理をご紹介しましょう。ハモ会席と、ハモしゃぶコースがあります。今回はハモしゃぶコースを。
まずは前菜。涼し気な網目格子の箱に、9種の料理が豆皿に可愛く並んでいます。取材時は、ホタルイカの燻製と空豆、うざく、鴨ロース煮、カツオのタタキはニラソースで。鮑のやわらか煮、タコともずく酢、翡翠ナスとエビ、うすいエンドウ、そしてハモの南蛮漬けがキウイソースを添えて登場。
『神戸たん熊』で修業してきた4代目・辻 宏弥さんが腕を振るう9種の前菜盛合せは、今や名物になっています。
黄金色のだしの中でハモの花が開く
続いてお造りは、ハモの落としと、焼き霜の2種で供されます。揚げ物もハモの変わり揚げ。
メインはもちろんハモしゃぶ鍋。鍋は、てっちりでもお馴染みの、ずっしりと重い錫(すず)の鍋にて。黄金色に輝くだしがたっぷりと張られています。「約20匹のハモからだしを取ります」と辻さん。その濃厚さは、専門店ならでは。だしの中を潜らせると、ハモの身がきれいに花びらのように開きます。これは鮮度が高い証拠。鍋のお世話は、着物姿のスタッフさんにお任せ。丁寧にハモや野菜を鍋に投入し、頃合いのところを、一人ずつ小皿に取り分けてくれます。玉ネギの甘みと共に、丁寧に骨切りされた身を頬張れば口福に満たされます。
締めは煮麺と雑炊のダブルで! ハモだしを余すところなくいただきます。デザートはこれも夏の名物・スイカゼリー。しっとりとした個室で、ゆったりとハモを堪能すれば、夏バテも吹っ飛びますね。
data
- 店名
- 法善寺 浅草
- 住所
- 大阪府大阪市大阪市中央区難波1-1-12
- 電話番号
- 06-6211-1649
- 営業時間
- 17:00〜20:00LO
- 定休日
- 不定休
- 交通
- 各線なんば駅から徒歩3分
- 個室
- 7室(1~20名)
- メニュー
- ハモコース11000円、すっぽんコース11000円、てっちりコース13000円。生ビールグラス660円、日本酒1合660円~。
- 備考
- ※要予約
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