タイの本場の味に日本人のエッセンスをひとさじ 大阪・十三『Two Chefs』

大阪・十三駅の東側、淀川区役所のすぐそばにあるタイ料理店の『Two Chefs』。タイに魅せられ続ける日本人オーナーシェフとタイ人シェフによるおいしい料理があなたを待っています。

十三駅東エリアに佇む本格派タイ料理店

阪急十三駅を、飲み屋がひしめきテレビ番組のロケもよく行われる十三商店街がある西側…とは逆の東口へ出るとすぐに見えてくるのが十三駅前通商店街です。そこを抜けて少し歩いたところにある淀川区役所の真向かいに、本格的なタイ料理を楽しめる『Two Chefs』があります。

『Two Chefs』外観
店は十三駅前通商店街を抜けたところから歩いて2分ほど。すぐそばはもう淀川河川敷! 梅田〜中津の都会の風景をのんびり眺められます。
『Two Chefs』淀川河川敷
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こちらを営むのは北村道雄さん。高校生の時に青年海外協力隊に関連した研修事業で初めてタイのバンコクやチェンライを訪れ、その虜に。以来幾度となくタイを訪問し、大学の卒論でもバンコクをテーマに執筆するため現地に長期滞在するうちさらにタイへの熱が高まります。

大学で食や栄養について学んでいたこともありタイ料理を作る道へ進もうと決心した北村さんは、故郷の島根を離れ関西のタイ料理店へ。神戸・三宮の『クワンチャイ』などで現地人シェフと寝食を共にしながら働き、本格的なタイ料理の腕を磨きました。

ふたりのシェフが腕をふるうキッチン

そんな日々を経て、2015年に独立し開店したのが『Two Chefs』。修業していた店の同僚だったタイ人シェフと北村さんの2人が厨房に立つから、というのが店名の由来です。

『Two Chefs』スタッフ
左はタイ語も流暢に使いこなすオーナーで料理人の北村さん。右は現在厨房を守るタイ人の3代目のシェフ、チェンマイ出身のギャップさん。タイの5ツ星ホテルで経験を積んだ腕利きです。中央はアシスタントを務めるギャップさんの奥様のルンさん。『Two Chefs』を共に立ち上げた初代のシェフはタイに戻り、レストランを営んでいるそう。
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提供する料理は、あくまでも本場の味に忠実に。けれどそこにタイ料理をよく知る北村さんの日本人としてのエッセンスをほんの少し加えています。なぜなら生鮮食材は国産を使用するため、現地で使われるものとは水分量や味の濃さなど素材としての質が異なるから。そこを北村さんの舌と経験を下地にコントロールするのです。

『Two Chefs』チキンとカシューナッツ炒め
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『Two Chefs』パイナップルチャーハン
鶏モモ肉とカシューナッツをナンプリックパオ=赤唐辛子や海老味噌がベースの調味料で炒め合わせた一皿。この店を立ち上げたタイ人シェフは柔らかい味を好んでいたためメニューは辛さ控えめとのことですが、この炒め物はしっかり旨辛で刺激的。チキンとカシューナッツ炒め880円。そしてパイナップル半分を丸々使う人気料理・パイナップルチャーハン1080円。スパイス香るジャスミンライスのシーフードチャーハンはパイナップルの甘酸っぱさがいいアクセントに。パイナップルがチャーハンと合うことに、純粋に驚きます。
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「タイ料理を知って」メニューに見える心意気

特筆すべきはメニューの多さです。ページをめくってもなかなか終わりが来ない、そして見たことがない分厚さを誇るメニューブックがその証。開店当時「食べてもらいたいメニューをメニューブックに載せても、“よくわからないものは頼まない”という人だらけでした」と話す北村さん。ならばと2カ月間限定メニュー枠を設け、食べてもらいたいタイ料理を猛プッシュ。そこで好評を得たメニューを次々定番化していった結果、料理だけでも50種以上、ドリンクも加えると100を超えるメニューが並ぶようになりました。

『Two Chefs』メニューブック
限定メニューは今でも2カ月に1回ペースで変更しながら続行中。料理を待つ間、ぜひ眺めてもらいたい!
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よく知っているタイ料理からまだ出合ったことのないタイ料理まで、あなたを驚かせ喜ばせてくれる刺激的なメニューがズラリ。飛行機に乗らずとも気軽に感じられるタイの風が、この店には吹いています。

『Two Chefs』内観
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