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大阪・阿波座『アラルデ』バスクの伝統に旬の食材を織り込んだモダンスパニッシュ

大阪・阿波座に2016年に誕生した『アラルデ』は、スペイン・バスクの伝統料理に、独自の解釈や季節感を盛り込むスパニッシュレストラン。山本嘉嗣シェフが独自に作った薪炭窯を駆使し、目の前で豪快かつ繊細に火を入れる料理を楽しめます。子連れや海外からのゲストも多い一軒です。

店内に満ちた香りもご馳走

薪炭窯で、時に炎を上げて豪快に肉を焼き上げ、時に炭の熾火(おきび)で旬の食材に繊細な火入れを行う山本嘉嗣シェフ。そのダイナミズムと店内に漂う香りもご馳走のスパニッシュレストランです。

山本シェフは日本料理からキャリアをスタートし、アルゼンチン・ブエノスアイレスやスペイン・バスクのレストランで修業。帰国後は大阪市内のスパニッシュレストランでシェフを務めた経歴の持ち主。

2016年の独立開業後も頻繁にスペインと日本を往来し、料理を通して現地の技術や文化、魅力を伝えています。

山本嘉嗣シェフ
山本嘉嗣シェフ
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現地の味を紡ぐスペシャリテ

おまかせコースの中でも1品目に提供される「フォアグラ ボンボンショコラアイス」は、同店のスペシャリテ。

これは山本シェフの修業先であるスペイン・バスクのレストラン『アラメダ』のシグネチャーディッシュで、「レシピをそのまま使うことを許された品」と山本シェフ。

フォワグラ ボンボンショコラアイス
料理は全て全8品〜9品16500円より。焦がしバターの風味やフォアグラの風味が入り混じると感じるヘーゼルナッツのニュアンスが印象的。
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フォアグラやリキュール、生クリームなどを溶かして冷やし固めたアイスクリームに、焦がしバターやキャラメルを加えたミルクチョコレートをコーティングした品で、トップにはスペイン・バスク産の粗塩を添えて。
かじって舌の上に置くと、冷んやり、じわりと溶け、フォアグラやチョコレートの風味が渾然一体に。塩のミネラル感が追ってきます。

日本の素材で表現するスペイン料理

コース5~6品目に登場する米料理「アロス」はスペイン全土で愛される、パエリアのような出汁で米を炊き、小さなココットで提供される品。 バスクではアサリ出汁で炊くアロスが有名ですが、『アラルデ』ではキンメダイのアラや骨をベースに作る出汁と、日本の旬の食材を使って、日本のアロスを表現します。

アロス
甲殻類のようなニュアンスがあるキンメダイの出汁を使うことで「甲殻類アレルギーの人も迎えることができる」と話す山本シェフ。ふっくら焼いたカキ、ジューシーなアスパラガス、パセリのアリオリソースを盛って。
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旬の食材を合わせる具材には、この日は北海道産グリーンアスパラガスとカキを。

グリーンアスパラガスはカットしてから炭火で炙るように素早く火を入れ、カキは片面を炭火とブドウの枝で燻しながら加熱することで片面は芳しく、かつ浅く火を入れて、片面はレアな食感を楽しめるようになっています。

この他、シメには南国黒牛のリブロースを。最初は薪の炎で豪快に炙って焼き目をつけ、時間をかけて休ませながら火を入れて仕上げにブドウの枝で燻す大迫力の一品です。

お隣の姉妹店『田田(デンダ)』でハシゴ酒も

こうした、炭や薪、ブドウの枝を駆使し「燃え盛る炎でスモーキーに焼く料理」「熾火で繊細に仕上げる料理」「ブドウの枝で燻して香り高く仕上げる料理」を巧みに組み込み、緩急をつけたコースが真骨頂。

その全てを行うアサドール正面のカウンター席が「アラルデ」の特等席。自宅のダイニングの延長線上をイメージしているというアットホームな雰囲気も魅力です。

2024年2月にはお隣にカジュアルなバール業態『田田(デンダ)』もオープン。こちらでの食事の前に、サクッと食前酒を楽しむのもおすすめです。

山本シェフ
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内観
店内には山本シェフがスペインで描いた絵画も。店内奥には6名まで座れるテーブル席が。
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