大山バターで進化を遂げた神戸『レコルト 北野本店』のクロワッサン
大山バターを使うのは、長年の夢
「かれこれ10年近く前から、クロワッサンに使いたかった食材。ようやく念願が叶いました」。店主の松尾裕生さんが、それは嬉しそうに語る。鳥取・大山にある『大山乳業』のバターに松尾さんが出合ったのは、まだ店が兵庫区・大開にあった時のスタッフに鳥取出身者が居たのがきっかけだ。
「おいしいからぜひ!とすすめられて、僕の焼いたバゲットに挟んで食べたら最高の相性。乳の甘みがしっかりあるのにくどさは皆無の、すっきりした味わい。これがあれば僕の理想のクロワッサンが作れる!と直感しました」。けれど大規模生産ではないため関西では入手困難で断念。それでも「いつかは…」と諦めきれず試作だけは続ける中、ふとした縁で仕入れられるように。移転のタイミングでクロワッサンに使うバターを憧れの大山バターに切り替えることを決意した。
大山バターを生かすための配合と焼き方
元々は臨床検査技師。趣味で始めたはずのパン作りにハマりすぎてこの道に入ったという異色の経歴を持つ松尾さん。根っからの研究者気質ゆえに、クロワッサンの配合から焼き方に至るまでこだわり抜いている。
配合に関しては、北海道産の小麦粉1㎏に対して使うバターを、それまでの500ℊから650ℊへと増量。30分という長めの焼成時間で余計な水分を焼き飛ばし、サクッと軽い食感が持続するよう調整している。
「大山バターのふわっとエアリーな口どけと豊かな風味は、少量ずつ丁寧に練り上げるチャーン製法だから。けれど、伸びが悪いから実はクロワッサン作りには向いてなくて、生地作りから苦労しました」。クロワッサンのサクサク感は、薄く伸ばしたバターと生地を何度も折り重ねた美しい層が生むもの。27層から成るクロワッサンの完成には、スタッフ全員の技術力向上が必須だったと松尾さんは振り返る。
食べ比べたくなるクロワッサンバリエ
仕入れられる数に限りがあるため、80種近く店に並ぶパンの中で大山バターを使っているのは、クロワッサン生地のものでも限られたものだけ。
ただし、そのクロワッサンだけで少なくとも5種類以上のバリエーションがある。
「バターや小麦粉のおいしさが分かるのは、ごくプレーンなクロワッサン。甘いのが好きという方が多いので、表面にシロップを塗ったタイプのほか、クリームを挟んだもの、アーモンドクリームやチョコをかけたものもご用意しています」と松尾さん。ひとりでも多くの方に自信作のクロワッサンを食べて欲しいという想いゆえの提案だ。
生クリームのおいしさを伝える「ふわふわ雲ぱん」
『大山乳業』の乳脂肪35%の生クリームも、松尾さんのお気に入りだ。「ノン・ホモジナイズという製法で、脂肪球を均一化していないもの。これも乳の甘みが強くて飛び切りコクがあります」。そのおいしさを真っ直ぐ伝えたいと編み出した真っ白の「ふわふわ雲ぱん」も、見逃せない快作だ。
赤ちゃんのほっぺのように柔らかな白パンに、甘さ控えめのふわふわホイップクリームを絞っただけ。思わず童心に帰る優しい食感と甘さに癒される。
他にも、大山バター・大山練乳・大山クリームチーズを練り合わせた特製ミルククリームを挟んだミルクフランス、鳥取・湯梨浜(ゆりはま)町『渡辺のびのび農園』の平飼い卵を時折ではあるが使っているというオムレツドッグや和風芋プリンなど、気になる鳥取ゆかりのアイテムが、ちらほらと。どれもゆっくり噛み締めたくなる優しい味でほっこりする。
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- 店名
- レコルト 北野本店
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区山本通2-14-18 神戸マンション101
- 電話番号
- 078-599-6436
- 営業時間
- 9:30~17:00
- 定休日
- 月・火曜
- 交通
- JR三ノ宮駅・阪急神戸三宮から徒歩10分
- メニュー
- デニッシュ食パン1本907円、クルミのバゲット1本540円。
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