ファン待望、『Leai ル・アイ』再始動。変わらないもの、進化するもの
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谷六の名店が新たなフェーズへ
1階はパンとケーキの店、2階はイタリア料理のレストラン。同じビル内、同じ『ル・アイ』の屋号で、家族がそれぞれの店を構えていたのを知る人も多いだろう。心斎橋の周防町筋で1982年に創業したビストロ&カフェの流れを汲み、谷六でも長年にわたって愛されてきた。しかし2025年に入り、森田さんの父の体調面などから「1階」は閉店へ。ビル自体も手放すことが決まったため、森田さんは「2階」を出る運びになったのだ。
一度は、慣れ親しんだ谷六を離れることを考えたという森田さん。「実は、東京も視野に入れて移転先を探していたんです。でも“谷六のル・アイ”と覚えてもらっているし、やっぱりこのエリアがいいのかなと」。折よく理想的なキャパシティの物件がすぐ近所で見つかり、無事に引っ越しに進むことができた。
広さこそ手頃だったが、欲をいえば路面店でなく「2階」がベターだったと森田さんは笑う。前の店は窓が広くて、前を行き交う人たちが近すぎないのが心地よかった。とはいえ、新しい場所も敷地が通りより一段高くなっていて、高めにとった窓からの眺めはほどよい開放感がある。以前はテーブル席が中心だった店内は、カウンターのみのスタイルに。アイランドキッチンとカウンターテーブルとの間には絶妙な距離がとられ、リラックスして連れあいと会話できるのがありがたい。
名物の前菜盛り合わせは健在
料理は以前のコース形式を踏襲。ガラスのプレートに15種ほどの品々が盛り込まれる「季節の前菜」も健在だ。いったん供されれば、頻繁な皿の上げ下げもなく、ゆったり過ごすことができる。とてつもなく手数が多く、封印してしまうことも考えたけれど「素材を探し、作り上げること自体は楽しい。愛されているならがんばって作ろうと腹をくくりました」。
ゲストの手元には、メニュー名を記した“地図”が届けられ、照合しながら「どんな味?」と食べ進めるのも楽しい。鶏白レバーのムースや自家製ソーセージ炭火焼き、バーニャカウダ……。このひと皿だけでワインボトル1本空いてしまいそうだ。
よりシンプルに、明快に進化する料理
リニューアルオープンまで約6カ月の休業期間には、早起きして大阪城公園をウォーキングするのが森田さんの日課に。心身のリフレッシュとともに、料理のアイデアが次々と湧いてきた。「前はどこか自我を出そうと意識していたけど、今は素材に寄り添っている感じ」と晴れ晴れとした表情で話す。定番メニューをつくると可能性を狭めてしまうと感じるから、素材と向き合って毎回ゼロベースでレシピを構築。そのプロセスが重要ゆえ、結果的に同じ(に近い)料理になっても構わない。
要素が削ぎ落とされた中でも、ベースの出汁を5時間近くかけてとったり、イタリアで体験した食感に近づけるべくパスタやリゾットには硬水を使ったりと、さらなる高みを追求する手はゆるめない。
店は10周年を迎え、森田さんは50代目前というタイミング。予定外の移転ではあったが、「場所が変わって、料理も自分も変わっていけば」とポジティブに受け止め、まっさらなキッチンに立つ。心斎橋時代の店が描かれた絵や、フランス国旗のトリコロールの看板など、店の記憶を伝えるピースを大切に守りながら、半世紀前に生まれた『ル・アイ』の名を繋いでいく。
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- 店名
- Leai ル・アイ
- 住所
- 大阪府大阪市中央区安堂寺町2-2-15 島田ビル1F
- 電話番号
- 06-6191-0551
- 営業時間
- 12:00~、19:00〜
- 定休日
- 水曜(月2回不定休あり)
- 交通
- 地下鉄谷町六丁目駅から徒歩5分
- 席数
- カウンター10席
- メニュー
- コース8500円、12000円、16500円(昼夜共通) ※サービス料10%別
- https://www.instagram.com/leai_1012/
writer

本庄 彩
honjo aya
食と人、旅をテーマに取材執筆を手がける。ワインとビールがあれば幸せで、蒸留酒は永遠にビギナーながら、京丹後の森でつくられるボタニカルジンのきれいな味わいに感激。
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