関西モーニング手帖Vol.9/パンから焼く! ベトナム人が本気で作る『バインミー ウィン』

関西でブームが続くバインミー。桜ノ宮の『バインミー ウィン』は、2020年にオープンした古株で、現在も土日は行列ができる人気店。モーニングセット450円〜と現地並みの価格ながら、「味は本場超え」と評判。そんな、ベトナム人兄弟が作る本気のバインミーをご紹介します。

ベトナム人も買いに来る“本場超え”の味

「バインミー」の知名度も高まったので、今や説明の必要はないかと思いますが、簡単に言うとベトナムのサンドイッチです。フランスパンに、日本で言う“なます”やレバーパテ、豚肉、野菜などが挟まっています。ベトナムの国民食とも呼べる存在で、朝食の定番でもあります。

桜ノ宮駅目の前の『バインミー ウィン』は、開店当初こそ「あの黄色い店、何や」と不思議がられていましたが、今では大阪人も観光客も訪日客も訪れる不動の地位を誇っています。営むのはベトナム人のウィンさんとリーさん。技能実習生として来日していたリーさんが奥様の鍋谷さんとバインミー店を開くことになり、調理経験のあった弟・ウィンさんを日本に呼び寄せて始めたそうです。

バインミーウィンの外観
テラス席もあり、休日は店内も外も満席に。
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ウィンさんの味に対するこだわりは日本人も脱帽するほど。まずパンを自家製するためにベトナムのベーカリーに住み込みで修業して技を学び、理想のレシピを編み出しました。「もっちり」と「さっくり」の異なる食感を生み出す小麦粉を2種ブレンドし、バターをふんだんに加え、あとは砂糖と塩だけとシンプル。外側は叩くとコンコンと音がするぐらいクリスピーなのに、中はサクッ、ふわっの食感は他で味わえません。

バインミーウィンのパン
店内のオーブンで夜中から焼き上げています。
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レバーパテは、通常は豚レバーを使うところを「クセがあるから」と鶏レバーでアレンジ。つなぎにバゲッドを使ってなめらかな食感を出し、タマネギとお店で挽いたオーガニック黒胡椒を加えてスパイシーに仕上げています。

味の要となるソースは、開店からしばらくはスイートチリソースに胡麻ソースを配合していましたが、ここ最近は「さらに上を目指し、ネギソースに変えました」とのこと。確かに味にパンチが増し、より香ばしくコク深くなりました。

バインミーウィンのレバーパテバインミー
バインミーはもちろんテイクアウトOK。デリバリーサービスでの購入もできます。
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モーニングはドリンクとセットで450円〜

レギュラーサイズのバインミーは「目玉焼き」430円、「ミルク」300円など非常にリーズナブル。モーニングはひと回り小さいサイズのバインミーにドリンク付きで450円〜。鍋谷さんによると「モーニングは完全にサービスです。味を知っていただき、ファンになってもらうのが狙い」だそうです。

バインミーウィンのレバーパテとウィンナーとたまご
モーニングセットは4種。「レバーパテ」(上)500円、「ウィンナーとたまご」は560円。練乳入りのベトナムコーヒーなどから選べます。モーニング用のパンは写真より少しだけ小さめ。
バインミーウィンのレバーパテ
パクチー増量や、目玉焼きトッピングなど、アレンジも可能。
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人気の「ウィンナーとたまご」は、その名の通りウィンナーと目玉焼きが主役。たっぷりのなますと、香菜やレタスなどの野菜がシャクシャクとみずみずしい食感です。パンにはマーガリンとソースがしみ込み、なますも甘酢でしっかり漬けてあり、野菜にもソースがよく絡んでいるので、どこを噛んでも「ウマッ」と声が出るほど。これほど計算されたバインミーはなかなか日本にもないでしょう。

バインミーウィンのウィンナーとたまご
ウィンナーとたまごはレギュラー560円。パクチーが苦手な人は抜いてくれます。
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「レバーパテ」もツウに人気。確かに臭みがなく、黒胡椒が肉の味わいをまとめているので、まるでフランス料理のパテ・ド・カンパーニュを味わっているような気分になります。そう言えばベトナムはフランス領だったので、どこか共通する食文化があるのですね。

バインミーウィンのウィンナーとたまごバインミー
バインミーウィンのレバーパテバインミー
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具材全盛り的な「とくべつ」で満腹に

レギュラーメニューの人気は「とくべつ」で、具は豚肉のレモングラス炒め、牛肉炒め、ベトナムハム、レバーパテ、なます、野菜とオールスター全集合的な豪華な一品。口に入れた瞬間、レモングラスの香りがフワッと立ち、ナンプラーの酸味や、黒胡椒のピリッと感、ネギソースの爽やかな風味がバランスよく重なり合います。

バインミーウィンのパン
パンは時間が経つときれいなキツネ色が薄くなってしまうため、常に店内奥で生地をこね、焼き上げています。
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モーニング用のパンは夜中に焼き上げますが、レギュラー用のパンも朝からウィンさんが作っており、常に焼きたてを提供できるようオーブンを回転させています。だから、店内はベーカリーのようにパンの焼ける香ばしい匂いが。

唯一、お店で作っていないのはベトナムハム。いずれは手作りしたいとのことですが、「今は岐阜で、信頼できるベトナム人が作っているハムを取り寄せています」と、これも色々食べ比べて選び抜いたものです。

とくべつ700円。豚肉と牛肉が入り、お店で一番豪華なバインミーと言えます。他にエビとアボカドもイチオシとか。
バインミーウィンのとくべつ
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朝からひっきりなしにお客さんが訪れ、ベトナムの朝もこうなのかなと想像できるような活気。近所のご夫婦、家族連れ、S N Sを見て訪れる若い人、わざわざここを目指して来る観光客、常連のベトナム人……。桜ノ宮では、朝バインミーが定番になりつつあります。

基本的にバインミー専門店ですが、最近はベトナムの揚げ春巻きやデザートなど、サイトメニューも加わりました。

バインミーウィンのチェー
チェー450円。ゼリーがぷりぷりの弾力で、見た目に反して甘さはかなり控えめ。トウモロコシのプチプチ感が面白い。
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おすすめはチェー。ココナッツソース、緑豆、黒豆、緑色のパンダンリーフゼリー、タピオカ、トウモロコシなどが入り、これも現地仕様!

バインミーウィンの内観
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実はパンだけの購入も可能。自宅で好きな具を挟んでマイバインミーを楽しむことができますが、やはりウィンさんの味にはかないません(笑)。

writer

猫田しげる

nekota shigeru

北海道出身。20年以上、グルメ誌、新聞地域面、旅行本、レシピ本などの編集・ライター業に従事。各地を転々とした挙句、現在は関西在住。「FRIDAYデジタル」などのweb媒体で記事執筆。めったに更新しない猫田しげるの食ブログ 「クセの強い店が好きだ!」と恐ろしくフォロワー数の少ないInstagramをヨロシク!