大阪・空堀商店街『こんぶ土居』の正真正銘昆布を味わえる「古式こんぶ茶」

昆布茶といえば、緑の粉状? いえいえ、この「古式こんぶ茶」は、昆布そのものの姿形。本物の真昆布で作られたその味わいは、心と身体が大喜びする滋味深さ。加えて大阪名物としての物語があり、ここでしか買えないレア物で、軽くてかさばらず、何といっても素晴らしくおいしい。大阪の手土産にイチオシしたい逸品を深堀りご紹介。

こんな昆布茶、見たことない

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』昆布茶
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大阪・空堀商店街『こんぶ土居』昆布茶2
古式こんぶ茶45g袋入り550円。梅昆布茶もある。こっちも本気でおいしい。
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細切りの昆布そのまま―という見たことのないスタイル。これを一つまみ湯飲みに入れて湯を注ぐ。3分待てば、素晴らしく豊かな味わいの昆布茶が出来上がる。塩とうま味調味料たっぷりの粉状のそれとは次元の異なる本物だ。ほうっと思わずため息が漏れるほど、優しくも奥深く、まろやかでいて底力がある。これぞ日本の味、大阪が誇る真昆布の味わいだ。
これなら、軟水さえあれば、世界のどこでも本当においしい昆布茶を楽しめる。海外旅行にも、地方に出張するときも旅の友として携えて行けるし、旅先の人へのお土産にもできる優れもの。

大阪の食文化の守護神『こんぶ土居』

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』外観
空堀商店街のアーケードの中。元は信用金庫だった建物をできるだけ自然な建材でだが、老朽化などを理由に壊されると知った先代が、「こういった建物は、今から一から建てることはもう不可能なんです。壊してしまうのはどうしても惜しい。うちもお金はないんですが」と言いつつ改修して近所から2000年頃に移転。
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この本物の昆布茶を生み出したのは、創業百有余年の昆布専門店『こんぶ土居』。
空堀商店街の中ほどに、白壁の堂々たる構えを見せる。
大阪の和食の料理人なら知らぬ人のない店だ。なんとなれば、大阪の和食の味の根幹を成す“真昆布”の専門店だから。「他の昆布はダメというのではなく、大阪の昆布屋として歴史上の繋がりがありますから」とは、4代目・土居純一さん。

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』店内
昆布の香りがそこはかとなく漂う落ち着いた店内。
大阪・空堀商店街『こんぶ土居』商品
大阪・空堀商店街『こんぶ土居』商品2
土居さんセレクトの海苔やお茶、ゴマ油、七味など、真っ当な食品を並べたコーナーも。
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真昆布の「真」はダテじゃない

江戸の頃、昆布は北前船ではるばる北海道から天下の台所・大阪まで運ばれてきた。食にうるさい大阪人が好んだのは道南産の真昆布。天皇や将軍に献上されていた昆布の中の一級品だ。
大阪の地で真昆布は高知や鹿児島のかつお節と出合って「だし」が生まれ、日本料理の根幹となった。だしを取った後のだしがらは、大阪の“始末の心”で佃煮にし、堺の包丁技術を生かして、おぼろ・とろろ昆布などの加工品ができた。そうして真昆布と真昆布加工品が大阪の名物として全国に知られるようになったわけだ。
そんな伝統ある大阪の食文化を守り育て、本物を次代に伝えることを使命――としているのが、『こんぶ土居』。つまり、大阪食文化の守護神のような存在なのだ。

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』4代目・土居純一さん
若い頃、イタリアなど世界を放浪した経験もある4代目・土居純一さん。広い識見と正義感で大阪の食文化を守らんとする誠実な人。案外お茶目な面もあり、この人のファンは多い。
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真昆布の危機=大阪食文化の危機

その真昆布は、2015年以降、天然物はほぼ収量0という、とんでもなく危機的な状況に瀕している。「理由は大きくは環境問題。ですが、それだけでなく人災もあると僕は見ています」と土居さん。
「令和の今、昆布は異常な高値がついています。二極化でもない。もう高嶺の花でしかない。安いものを探すなら化学調味料に行くしかない状況です」。
それでも、「先代の頃から、不作の際の安定供給や熟成による品質向上のため十分な在庫を持つようにずっと努めてきたので、倉庫にはまだまだ最高級品質の真昆布が眠っています」とのことだから、まだ当分は大丈夫。今後は…。大阪の味を守るために、私たちも地球レベルの環境保全にできることをやるしかない。

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』の昆布ミュージアム
昆布を熟成させている倉庫を活かして、昆布ミュージアムを開館。昆布が大阪名物ということをご存じない人も増えてきた昨今。確かに産地は北海道なのになぜ大阪の名物?という疑問を持つ人もいるかもしれない。答えはこのミュージアムに行けば分かるので、ご興味あればぜひ。
※『昆布ミュージアム』は店より徒歩1分。不定期開館のため問合せは『こんぶ土居』へ。
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材料は、真昆布と塩と砂糖とだしだけ

さて、昆布茶のこと。大量の塩や化学調味を使わずに、きちんと昆布の滋味を味わえる昆布茶ができないかと、先代が2002年に生み出した。「売れなくても、昆布屋としてまともな昆布茶を作ろうと思ってね」とおっしゃっていたが、着実にファンは付いて地道に売れているらしい。

材料は、昆布とだしと塩と砂糖。しかし内訳をみると、今や希少な真っ当な食材たちだ。昆布はもちろん北海道函館市産真昆布。これを細切りにして、昆布、かつお節、煮干しでとった大ヒット商品「十倍出し」(10倍に薄めるだけで本格的な和食の味わいを楽しめる濃縮だし)に、高知県産の塩、北海道製造の甜菜糖を加えた調味液で煮て、乾燥させたら出来上がり。塩をふいてるように見えるのは添加物ではなく、昆布の成分が白く結晶したものだ。
昆布茶として飲むだけでなく、漬物、キュウリや蕪と和える。ご飯にのっけてアラレをパラリ、お茶を掛けたらおいしいお茶づけにも。

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』真昆布
古式こんぶ茶の原材料。大阪の日本料理に欠かせない真昆布と十倍出し。
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味付けはこれ一本。ヘビーユーザー続出の新作

この店に並ぶすべての商品がオススメなのだが、ここでは新作の白だしをご紹介しよう。白だし=万能調味料だ。世の中にまん延する様々なレシピに、白だしが頻繁に登場するが、土居さんが作った白だしを使うと本当に目が覚めるほどおいしくなる。

「一本あると煮物、チャーハン、パスタ、和洋中なんにでも使えて、ほんとに便利だなと実感。自己消費量がハンパなくてばんばん減っていくんですよ」と制作者自らが言うのをへぇなんて聞いていたが、ものは試しと使ってみたら、いやはや全く仰る通り。トマトスープにちょっと加える、キャベツ炒めの仕上げに掛ける。気に入りの麺で和えうどんにしてみたら、たまらない旨さでドはまりして、3日連続具材を変えて作ってしまった。宗田節、うるめ鰯、鯖節などいわゆる雑節が、雑なんて言葉を冠するのが申し訳ないほどに、芳醇な香りを立ち上げる。土居さんが試作に試作を重ねて黄金律を編み出したと胸を張っていう塩梅の良さは正に絶妙という言葉を冠したいレベルの高さだ。

「ロース肉以外の端肉でも料理人はおいしく作るでしょう。普通の素材で正しい技術を駆使して、素人ではできない最適バランスを考え尽くしました」と胸を張るのも納得。これ一本で調味不要、塩も醤油も何も足さずにピタリと味が決まる。これはもう手放せない。
2026年2月から発売開始されて以来、リピーター続出。おいしいもの好きだけど忙しいあの人に贈れば、必ずや喜ばれるはず。

大阪・空堀商店街『こんぶ土居』白だし
新作「白だし」400ml入りボトル1300円。
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編集部選☆間違いない関西手土産

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