大阪・空堀商店街『こんぶ土居』の正真正銘昆布を味わえる「古式こんぶ茶」
こんな昆布茶、見たことない
細切りの昆布そのまま―という見たことのないスタイル。これを一つまみ湯飲みに入れて湯を注ぐ。3分待てば、素晴らしく豊かな味わいの昆布茶が出来上がる。塩とうま味調味料たっぷりの粉状のそれとは次元の異なる本物だ。ほうっと思わずため息が漏れるほど、優しくも奥深く、まろやかでいて底力がある。これぞ日本の味、大阪が誇る真昆布の味わいだ。
これなら、軟水さえあれば、世界のどこでも本当においしい昆布茶を楽しめる。海外旅行にも、地方に出張するときも旅の友として携えて行けるし、旅先の人へのお土産にもできる優れもの。
大阪の食文化の守護神『こんぶ土居』
この本物の昆布茶を生み出したのは、創業百有余年の昆布専門店『こんぶ土居』。
空堀商店街の中ほどに、白壁の堂々たる構えを見せる。
大阪の和食の料理人なら知らぬ人のない店だ。なんとなれば、大阪の和食の味の根幹を成す“真昆布”の専門店だから。「他の昆布はダメというのではなく、大阪の昆布屋として歴史上の繋がりがありますから」とは、4代目・土居純一さん。
真昆布の「真」はダテじゃない
江戸の頃、昆布は北前船ではるばる北海道から天下の台所・大阪まで運ばれてきた。食にうるさい大阪人が好んだのは道南産の真昆布。天皇や将軍に献上されていた昆布の中の一級品だ。
大阪の地で真昆布は高知や鹿児島のかつお節と出合って「だし」が生まれ、日本料理の根幹となった。だしを取った後のだしがらは、大阪の“始末の心”で佃煮にし、堺の包丁技術を生かして、おぼろ・とろろ昆布などの加工品ができた。そうして真昆布と真昆布加工品が大阪の名物として全国に知られるようになったわけだ。
そんな伝統ある大阪の食文化を守り育て、本物を次代に伝えることを使命――としているのが、『こんぶ土居』。つまり、大阪食文化の守護神のような存在なのだ。
真昆布の危機=大阪食文化の危機
その真昆布は、2015年以降、天然物はほぼ収量0という、とんでもなく危機的な状況に瀕している。「理由は大きくは環境問題。ですが、それだけでなく人災もあると僕は見ています」と土居さん。
「令和の今、昆布は異常な高値がついています。二極化でもない。もう高嶺の花でしかない。安いものを探すなら化学調味料に行くしかない状況です」。
それでも、「先代の頃から、不作の際の安定供給や熟成による品質向上のため十分な在庫を持つようにずっと努めてきたので、倉庫にはまだまだ最高級品質の真昆布が眠っています」とのことだから、まだ当分は大丈夫。今後は…。大阪の味を守るために、私たちも地球レベルの環境保全にできることをやるしかない。
材料は、真昆布と塩と砂糖とだしだけ
さて、昆布茶のこと。大量の塩や化学調味を使わずに、きちんと昆布の滋味を味わえる昆布茶ができないかと、先代が2002年に生み出した。「売れなくても、昆布屋としてまともな昆布茶を作ろうと思ってね」とおっしゃっていたが、着実にファンは付いて地道に売れているらしい。
材料は、昆布とだしと塩と砂糖。しかし内訳をみると、今や希少な真っ当な食材たちだ。昆布はもちろん北海道函館市産真昆布。これを細切りにして、昆布、かつお節、煮干しでとった大ヒット商品「十倍出し」(10倍に薄めるだけで本格的な和食の味わいを楽しめる濃縮だし)に、高知県産の塩、北海道製造の甜菜糖を加えた調味液で煮て、乾燥させたら出来上がり。塩をふいてるように見えるのは添加物ではなく、昆布の成分が白く結晶したものだ。
昆布茶として飲むだけでなく、漬物、キュウリや蕪と和える。ご飯にのっけてアラレをパラリ、お茶を掛けたらおいしいお茶づけにも。
味付けはこれ一本。ヘビーユーザー続出の新作
この店に並ぶすべての商品がオススメなのだが、ここでは新作の白だしをご紹介しよう。白だし=万能調味料だ。世の中にまん延する様々なレシピに、白だしが頻繁に登場するが、土居さんが作った白だしを使うと本当に目が覚めるほどおいしくなる。
「一本あると煮物、チャーハン、パスタ、和洋中なんにでも使えて、ほんとに便利だなと実感。自己消費量がハンパなくてばんばん減っていくんですよ」と制作者自らが言うのをへぇなんて聞いていたが、ものは試しと使ってみたら、いやはや全く仰る通り。トマトスープにちょっと加える、キャベツ炒めの仕上げに掛ける。気に入りの麺で和えうどんにしてみたら、たまらない旨さでドはまりして、3日連続具材を変えて作ってしまった。宗田節、うるめ鰯、鯖節などいわゆる雑節が、雑なんて言葉を冠するのが申し訳ないほどに、芳醇な香りを立ち上げる。土居さんが試作に試作を重ねて黄金律を編み出したと胸を張っていう塩梅の良さは正に絶妙という言葉を冠したいレベルの高さだ。
「ロース肉以外の端肉でも料理人はおいしく作るでしょう。普通の素材で正しい技術を駆使して、素人ではできない最適バランスを考え尽くしました」と胸を張るのも納得。これ一本で調味不要、塩も醤油も何も足さずにピタリと味が決まる。これはもう手放せない。
2026年2月から発売開始されて以来、リピーター続出。おいしいもの好きだけど忙しいあの人に贈れば、必ずや喜ばれるはず。
data
- 店名
- こんぶ土居
- 住所
- 大阪府大阪市中央区谷町7-6-38
- 電話番号
- 06-6761-3914
- 営業時間
- 9:30~18:00
- 定休日
- 日曜・祝日
- 交通
- 地下鉄谷町6丁目駅より徒歩5分
- メニュー
- しっとりふりかけ350円、古式こんぶ茶550円、白だし1300円、十倍出し大瓶(400ml)1350円。
- 公式サイト
- https://www.konbudoi.jp/
- https://www.instagram.com/konbu_doi/

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