和の香で心を届ける。大阪・堺『やまつ辻田』の極上七味
旧家の佇まいがカッコいい!
関西の老舗うどん屋の卓上に置かれた小さな缶は、きっとここの銘が入っている。気合いの入った飲食店でも出合うことが多い。
『やまつ辻田』は、明治35年から和風香辛料を製造販売してきた。西高野街道沿い、長い築地塀に白壁の土蔵、門前の石灯籠も立派な屋敷が辻田家だ。
この辺りは、昭和30年代までは鷹の爪の一大産地だったとか。辻田家では、その種を100年以上に渡り大事に継承してきた。「1度外国に出てしまうと、別の品種と交配する可能性も高いし、辛みも香りも不安定になる。だから手元で鷹の爪純粋種を守ってきました」とは、4代目・辻田浩之さん。
天に向かって凛と咲く可憐な“赤い花”
全国の信頼できる農家に少しずつ種を分け生産してもらっているが、地元にも自ら世話をしている畑がある。鮮やかな緑の葉の間に小さな赤い花が咲いている―と思ったら、これが鷹の爪。
赤い唐辛子は全部が鷹の爪じゃない?!
“鷹の爪”とは、実は何百とある唐辛子の1品種。「いま“鷹の爪”として流通している99%が外国産の他品種で、国産純系品種は絶滅危惧種です」と辻田さん。
江戸時代の天才発明家にして医師で学者の平賀源内先生が、「はなはだ小さく愛すべき風情は盆栽として愛でられたほどで、食するならばこれが第一」と手放しで褒めちぎるほど、辛みは凛とキレがよく甘い香りが上品だ。
「鷹の爪という食文化の継承はうちの一番大事な仕事の1つ。今までもこれからも、精一杯魂を込めて繋いでいきます」。そんな辻田さんの想いがたくさんの人に伝わって、2021年、大阪府のなにわの伝統野菜として認証された。
30㎝ほどの高さの木の前に座り込んで1つ1つ実を採る。1kg収穫するのに3時間ほど。1kgは選別して乾燥させると300gに。「ほかの品種なら8房一気に成って、根元から引いて実を採るから量が取れる。単性の鷹の爪は手間が倍以上で採算も取れない。それで栽培をやめる農家が多かったんでしょうね」。
真夏から11月に掛けて収穫された鷹の爪は、自宅横の工場に集め選別する。軸付きは、1つ1つ軸を1.5㎝の長さにハサミで切り揃え、粉にする分は搗(つ)き、篩(ふるい)に掛け、鉄釜で焙煎してようやく鷹の爪の真っ赤な粉が完成する。
7つのプレシャスな材料たち
さて七味というからには7つの材料が必要だ。すべて鷹の爪に負けず劣らずの最上級品が揃えられている。
まず、実が成るまで20年を要する実生の柚子。高知県仁淀川の天然糸筋青海苔。目が覚めるほど清々しい香りと辛みの山朝倉山椒、トルコの世界最高品質と言われる地区の金胡麻や丹波の黒胡麻など、プレシャスな7つを絶妙のバランスで合わせる。馥郁(ふくいく)たる香りはまるで魔性のもの。いつまでもその中に耽溺していたいと思わせる和のアロマだ。
「うどんや蕎麦にはもちろん、鶏のから揚げに、すき焼きの生卵にたっぷり混ぜるのもオススメです」と辻田さん。油分と一緒だと辛味が柔らかく感じられ、複雑な香りがたまらなく食欲を刺激。さまざまな料理にぜひお試しを。
こんな山椒の青、見たことない!
『やまつ辻田』では、実生の柚子を贅沢に使った実生柚子ぽん酢や、トルコの金胡麻などなど素晴らしい品があるが、今回もう一品オススメは、粉山椒。
袋の口を開けると、いやもう本当に目が覚めるほど華やかな香りに感動。色も鮮やかな若緑色で、これまでの山椒の印象が一変するかも。ウナギが百倍おいしくなること請け合い。
極上七味が買える場所は
・『やまつ辻田』公式オンラインショップ
・大阪高島屋
・泉北高島屋
・日本橋高島屋
・阪急うめだ本店
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- 店名
- やまつ辻田
- 住所
- 大阪府堺市中区福田280
- 電話番号
- 072-236-1223
- 営業時間
- ゲストルーム「道」12:30~16:30(要予約・お茶とお菓子付)
- 定休日
- 日曜・祝日
- 交通
- 南海バス福町バス停より徒歩10分
- メニュー
- 大からから極上七味唐辛子(12g)550円、缶入り(5g)594円、石臼挽き朝倉粉山椒(4g)594円、実生柚子ぽん酢(360ml)1188円。

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