
兵庫・元町『patisserie AKITO』の和栗のミルクジャムで秋が香る朝食を
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すべてのジャムは店で手作り
神戸元町に2014年に開店して11年。鮮やかなガトーと共に、開店当初から看板商品として登場したのが、田中哲人(あきと)シェフのミルクジャムだ。淡路島産の新鮮なミルクを銅鍋の中でかき混ぜながら火入れすると次第にミルク自体がキャラメル化して、こっくりと優しい甘さのジャムが炊き上がる。
基本のミルクジャムは淡路島産のフレッシュなミルクに、砂糖、練乳、生クリームを加えて煮詰めていく。火加減を調節しながら完成まで2時間かかる手間入りの一品だ。
ピスタチオやアールグレイ、折々のフルーツなどを使う季節限定ものや、2層になったタイプもありバリエーションも豊富だ。シェフに聞くと「多分80から100種類ぐらいは作ったんじゃないかな」とのこと。どのジャムもすべて店内の厨房でコトコトと丁寧に煮て、瓶詰めしている。
愛媛県産和栗とミルクの優しい甘み
和栗のミルクジャムは、通常のミルクジャムよりも砂糖の量は控えめに。また使う素材によって、砂糖の種類も変えているそう。栗の場合はグラニュー糖か甜菜糖が相性がよく、繊細な和栗の風味や甘みを立たせてくれる。
和栗は愛媛県産のものをチョイス。毎年旬の時期にワンシーズン使うものをペーストにして冷凍保存しておき、ジャムを炊くたびに使っていく。
ベースのミルクジャムを煮て1時間半ほど。とろみが出て、牛乳の色が淡いベージュに変わったら、和栗のペーストを投入。まずは泡立て器で鍋全体に栗のペーストが溶けるまで手作業でかき混ぜ、さらに攪拌機で混ぜながら馴染むまで煮ていく。
艶やかに、滑らかに炊き上がった和栗のミルクジャム。
焼きたてのトーストにたっぷり塗って召し上がれ。舌の上に広がるミルクの濃厚な風味と後から追いかけるように香る上品で繊細な栗の風味。その組み合わせの甘美なこと。
朝が楽しみになる秋のジャム。季節の贈り物としても喜ばれるだろう。
data
- 店名
- patisserie AKITO
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区元町通3-17-6
- 電話番号
- 078-332-3620
- 営業時間
- 10:30〜18:30(カフェは〜18:00LO)
- 定休日
- 火曜
- 交通
- 各線元町駅から徒歩5分
- 席数
- カウンター11席
- メニュー
- ミルクジャム950円、サンベリーナ650円、ミルクジャム・プリン580円、ミルクジャムシュークリーム380円。コーヒー450円、紅茶500円。
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