兵庫・元町『patisserie AKITO』の和栗のミルクジャムで秋が香る朝食を

家庭用に贈答に、神戸土産としてももはや定番となった『patisserie AKITO』のミルクジャム。この商品、数えきれないほどの味のバリエーションがあり、毎年秋に登場するのが和栗のミルクジャムだ。今回特別にこの秋、最初の栗のジャムを炊く現場へ潜入取材した。

すべてのジャムは店で手作り

神戸元町に2014年に開店して11年。鮮やかなガトーと共に、開店当初から看板商品として登場したのが、田中哲人(あきと)シェフのミルクジャムだ。淡路島産の新鮮なミルクを銅鍋の中でかき混ぜながら火入れすると次第にミルク自体がキャラメル化して、こっくりと優しい甘さのジャムが炊き上がる。

基本のミルクジャムは淡路島産のフレッシュなミルクに、砂糖、練乳、生クリームを加えて煮詰めていく。火加減を調節しながら完成まで2時間かかる手間入りの一品だ。

ピスタチオやアールグレイ、折々のフルーツなどを使う季節限定ものや、2層になったタイプもありバリエーションも豊富だ。シェフに聞くと「多分80から100種類ぐらいは作ったんじゃないかな」とのこと。どのジャムもすべて店内の厨房でコトコトと丁寧に煮て、瓶詰めしている。

兵庫・元町『patisserie AKITO』田中シェフ
兵庫県洋菓子協会の副会長を務める田中シェフ。自店の営業の傍ら、業界のため、子どもたちのためにと奔走するベテランだが、その優しい笑顔に“ジャムおじさん”と呼ばれているとかいないとか。
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愛媛県産和栗とミルクの優しい甘み

兵庫・元町『patisserie AKITO』和栗のミルクジャム
和栗のミルクジャム1080円。小サイズ460円もある。販売は10月から春頃までを予定。
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和栗のミルクジャムは、通常のミルクジャムよりも砂糖の量は控えめに。また使う素材によって、砂糖の種類も変えているそう。栗の場合はグラニュー糖か甜菜糖が相性がよく、繊細な和栗の風味や甘みを立たせてくれる。
和栗は愛媛県産のものをチョイス。毎年旬の時期にワンシーズン使うものをペーストにして冷凍保存しておき、ジャムを炊くたびに使っていく。

兵庫・元町『patisserie AKITO』ベースのミルクジャムを煮る
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ベースのミルクジャムを煮て1時間半ほど。とろみが出て、牛乳の色が淡いベージュに変わったら、和栗のペーストを投入。まずは泡立て器で鍋全体に栗のペーストが溶けるまで手作業でかき混ぜ、さらに攪拌機で混ぜながら馴染むまで煮ていく。

兵庫・元町『patisserie AKITO』
完成した和栗のミルクジャム。全体に栗の繊維が混ざり、ふわりと上品に香りが抜ける。
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艶やかに、滑らかに炊き上がった和栗のミルクジャム。
焼きたてのトーストにたっぷり塗って召し上がれ。舌の上に広がるミルクの濃厚な風味と後から追いかけるように香る上品で繊細な栗の風味。その組み合わせの甘美なこと。
朝が楽しみになる秋のジャム。季節の贈り物としても喜ばれるだろう。

兵庫・元町『patisserie AKITO』トースト
カリッと焼いたトーストに存分に塗って。冷蔵庫で保存していた場合、食べる前に少しジャムを常温に戻した方がより栗の風味が感じられる。
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兵庫・元町『patisserie AKITO』内観
開店から13時まで、朝食営業をしており、ブーランジェリービアンヴニュの食パンのトーストに、2種類のジャム、ドリンク付で650円というお値打ちのモーニングセットがある。
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兵庫・元町『patisserie AKITO』ミルクジャム
入口すぐの壁一面にずらり並ぶミルクジャムの一例。日常用や神戸土産としても人気。フルーツのジャムも定番から季節ものまで幅広く。購入前に試食させてもらえるのが嬉しい。
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兵庫・元町『patisserie AKITO』ショーケース
取材時のショーケースより。美しく繊細なガトーが並ぶ。ミルクジャムを使ったプリンやシュークリームなどの商品も多数。
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