知っておきたい、トアウエスト「VICOLO」の流儀。

知っておきたい、トアウエスト「VICOLO」の流儀。

覆面調査の現場より

2023.07.05

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:竹田俊吾

「小さい酒場とナチュラルワイン」をテーマに、元町・三宮界隈を飲み歩いた数日。その中の1軒で見聞きした、行く前に、皆さまに知っておいていただきたい、いろいろ。

目次

よもや休み!? きっかり開店のワケ。 肉の存在感際立つ、ホロホロお肉のパテ。 ドキドキさせる!? 来店前の下調べ。 黒毛和牛のアローストは2時間かかります! 店舗情報

よもや休み!? きっかり開店のワケ。

神戸の情報ツウに聞いた“美味しい、ワインの店”、「VICOLO」。日が暮れかける18時少し前。先に店前に着いていた同行のライターさんから「シャッター閉まってるけど…」と連絡あり。予約を入れたので私が日時を間違っていなければ休みってことはないはずだけど…と、店先でソワソワしているうちに、シャッターが開いた。なんでも、一人で仕込みをしているため、18時きっかりに開店するんですって。

神戸VICOLO外観店は各線三宮駅からも徒歩圏内の、トアウエストの路地裏に。

肉の存在感際立つ、ホロホロお肉のパテ。

席に着いてすっと差し出された小さな黒板メニュー。メニュー数は多くないけれど、少数精鋭で、どれにするか目移りする…。ちなみにロケハンに行く前はお店のSNSや、ネットの口コミで下調べをして行く。「これ、よくネットにあがってましたよね」…なんてライターさんとひそひそ話しながら選んだのは、まず田舎風お肉のパテ。

これが大当たり。口の中でほろほろとほどけていく食感で、肉の存在感が際立つ! ワインが進みます。訊けば、焼いた後に重しをかけない、オリジナルのレシピゆえの食感、肉の存在感だそう。

神戸VICOLO黒板メニュー一見ビストロ料理っぽいが、イタリア料理のラインナップ。

神戸元町VICOLOパテ田舎風お肉のパテ1600円は、ちょっと他にない食感に仕上がっている。

ドキドキさせる!? 来店前の下調べ。

ちなみに、「VICOLO」のインスタには、飲み物はビールとワインと食後酒のみ、20歳未満はお断りしている、食事の時間は2時間半以上必要な場合が多い…など注意書きがあって、何かやらかして叱られたらどうしよう…とドキドキしていたけれど、それもこれもワンオペだからというシンプルな理由。じっくりワインを楽しみながら、料理を待つのです。

オーナーシェフの田邉成雄さん自身は、料理やワインについて尋ねれば、テキパキッと笑顔で答えてくださる優しい方でした。

神戸元町VICOLO田邉シェフ料理中は真剣な表情の田邉シェフ。

神戸元町VICOLOお客でも、お客さんと談笑中は優しい笑顔に。

黒毛和牛のアローストは2時間かかります!

しかし、下調べが足りなかったのは、食べたいと思っていた「黒毛和牛のアロースト」が調理に2時間ほどかかること。もう1軒ロケハンする予定にしていたので、怯んで注文できず…。

が、スペシャリテ的な逸品、取材の際にご用意いただけました。

焼いたお肉は撮影しているうちに、いわゆるドリップが出てくることが多いのですが、時間が経ってもまったく何も出ないことに驚き! だからこそ、爆発的なお肉の旨みで、2名分をスタッフ3人で分けても大満足な食べごたえ。2時間じっくり低温で調理することの、意味を知ったのでした。

無骨なようで、洗練された料理に合わせるワインのラインナップは7割がクラシックで3割がナチュラル。お料理に合わせて、田邉さんに選んでいただくのがおすすめです。

――では、最後に復習です。

・シャッターは開店時間ギリギリに開きます。
・ほろほろ食感のパテは一度食べていただきたいメニューです。
・ワンオペゆえの注意事項がありますが、基本ワインと食事をゆっくり楽しむお店ということをお伝えしたいだけです。
・黒毛和牛のアローストは2時間かかります。
以上、「VICOLO」からでした!

神戸元町VICOLO黒毛和牛アロースト熊本黒毛和牛 アロースト5600円(2名分、写真は1名分)はぜひ注文していただきたい一皿。

神戸元町VICOLOワイン希望があれば、ナチュラルのみでペアリング、なんてことも可能。

■店名
『VICOLO』
■詳細
【住所】兵庫県神戸市中央区下山手通3-5-5 新安第一マンション1F
【電話番号】078-585-5341
【Instagram】https://www.instagram.com/vicolo_kobe/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D

■誘導先
掲載号『あまから手帖7月号』

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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