尾崎裕哉さん【前編】「愛の示し方はみんな違うし、愛はきっと尽きないもの」

今回のゲストは、シンガーソングライターの尾崎裕哉さん。故・尾崎 豊さんの長男でもあります。2016年にファーストシングル「始まりの街」でデビューを果たし、近年はフルオーケストラとの競演や弾き語りツアーなど様々なスタイルでのライブ活動を行なっています。3都市をめぐるツアー「尾崎裕哉 LIVE TOUR 2025」が4月に控えるなか、バレンタインデーを彩る音楽イベント「Love Light 2025」の出演も決定したばかり。愛と感謝を伝えるこの日。どんな想いでステージに立つのでしょうか。そして、尾崎さんにとっての“愛”とは?

昨年よりもとろける甘〜い一日を届けたい

―昨年に引き続き、2年連続で「Love Light 2025」に出演されます。バレンタイン当日ということで、今年もラブソングを中心に歌う予定でしょうか?

尾崎さん(以下、尾崎):
そうですね。いろんな愛の形があると思うので、男女関係だけではない愛もなるべく意識しつつ、(昨年よりも)とろけちゃうような一日にしたいなと。曲目もそうですが、歌い方や演出などを工夫して、どうやったらもっと甘くなるかな?と考えています。

―ラブソングといえば、昨年はお父様の名曲「I LOVE YOU」を披露されましたよね。長年カバーしてきたなかで、この曲の捉え方に何か変化はありますか?

尾崎:
単純なところで言うと、サビで“きしむベッド”という歌詞がありますが、子どもの頃は意味がよくわからなかったんですよね(笑)。でも大人になって、こうした男女の尊い関係を描写することができるんだ! と改めて驚いています。10代の感性でそのフレーズが出てきた父をすごいと思いましたね。そして自分が歌うときには、純粋な愛の形を届けられるように意識しています。
尾崎裕哉さん

―ご自身の楽曲でも、根底には愛がテーマになっているのでしょうか。

尾崎:
写真を撮るとき、笑顔を撮るのが好きなんです。だから曲に関しても、人の笑顔が見たいなという気持ちがあります。ラブソングもちょこちょこ書いていますが、「愛ってなんだろう?」といった内容の曲もあります。その都度生まれる愛を、なるべく形にしたいなと思っていますね。
でも、これからはもっと汚れた曲も作ってみたいとも考えているんです。言葉の使い方にしてもこれまではあえて言葉の角を取ってきたんですが、曲のジャンルも含めていろんなスタイルにチャレンジしてみてもいいかなと。

ノートに書かれた「What is love?」の真相

―尾崎さんが小学生の頃、ノートに「What is love?」と書いていたというエピソードを聞いたことがあります。

尾崎:
それには実はいろいろあって。一つは、父が「What is love?」という言葉をノートか机に刻んでいたという話があって、それを父の実家で子どもの頃に聞いていたんです。でも僕、長い間男子校だったんですよ。だから素朴に「愛って何なんだ?」と思っていて(笑)。
尾崎豊の曲にはラブソングが多いので、男子校の自分には愛を想像するしかないというか、人を好きになるってどういう気持ちなんだ?と悶々と考えていました。愛はきっと素晴らしいことなんだろうなと思っていましたが、大人になって恋をして、酸いも甘いも知りました(笑)
尾崎裕哉さん

―なるほど。愛とは何かを定義することは難しいかもしれませんが、歌を通して答えを探っているようなところもあるのでしょうか。

尾崎:
はい。愛の示し方ってみんな違うと思うんですよね。愛の歌もきっと形が変わってくものだと思うし、愛は尽きないものなんじゃないかな、なんて思っています。

―そんな尾崎さんだからこそ、きっと「Love Light」は甘い時間になりそうですね。

尾崎:
はい。非常に甘い甘い夜になると思うんですが、音楽だけではなく実際にチョコもお渡しします。愛をしっかり受け止めてもらえるように心を込めて歌を届けたいですね。

―ちなみに、印象に残っているバレンタインデーの思い出はありますか?

尾崎:
15歳までアメリカにいたんですが、アメリカだと男女関係なくバレンタインデーにはチョコレートを贈ります。授業中にチョコレートを食べてもいい唯一の日だったので、いろんな種類の甘いものをたくさん食べた思い出があります。僕、甘いものもそうですが、食べることやお酒が大好きなんですよ。

―食全般が大好きだと話す尾崎さん。後編では、尾崎家の餃子の話や、ちょっとマニアック(?)な食べ物トークが炸裂します!

profile

尾崎裕哉さん

シンガーソングライター

尾崎裕哉

1989年生まれ。2歳の時、父・尾崎 豊が死去。母と共に渡米し、10年間ボストンで過ごす。2016年に、Digital 1st Single『始まりの街』をリリース。同年、テレビで父の楽曲「ILOVE YOU」を熱唱し大反響を呼ぶ。2020年に1stアルバム『GOLDEN HOUR』発表。幅広く音楽活動を行う一方で、2020年に友人と共に『雅梅餃子』をプロデュース。フードイベントにも参加するなど、食関連の活動も行っている。 2025年2月14日(金)、箕面市立文化芸能劇場にて、「Love Light 2025」開催。