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小さなゲストにも本気の一貫ともてなしを。大阪・豊中『鮨うえの』/子どもとごはんvol.22

子連れでの食事は、行き先を選ぶもの。連載「子どもとランチ、ときどきディナー」では、お子さまウェルカムなお店をご紹介。

今回訪れたのは、大阪・北摂で長年愛されてきた日本料理の名店『一汁二菜 うえの』が、鮨店としてリニューアルした『鮨うえの』。職人が子どもの成長や好みに合わせて丁寧に握る「お子様鮨セット」は、小さなゲストにも妥協しないこの店の哲学を物語る。家族の節目に寄り添う、豊中の名店へ。

日本料理の美学を紡ぐ、名店の新章

大阪・北摂、豊中の地で24年にわたり日本料理の真髄を伝えてきた『一汁二菜 うえの』。その名店が2025年2月、『鮨うえの』へと転身を遂げた。

料理長の柚上満太郎さんは、鮨店で3年の経験を積み、その後『一汁二菜 うえの』へ入門。店主・上野法男さんの薫陶を受け、20年間日本料理の道を極めた人物だ。
今回の刷新は、柚上さんにとって日本料理の研鑽を経ての“鮨への回帰”。鮨の前後や間に先付けや椀もの、造り、焼き物、茶碗蒸しなど日本料理だけでなく、端正な鮨も味わえる新たな表現がたまらない。
一方、リニューアル後も変わらないのは「女性とお子様が絶対的に心地よく過ごせる店でありたい」という女将の思想。それは空間や席の配置の細部にまで息づいている。

大阪・豊中『鮨うえの』料理長・柚上満太郎さん
気さくな人柄で、子どもたちからも人気の料理長・柚上満太郎さんも子を持つパパだという。子育ての経験や苦労、楽しさが手厚いもてなしに繋がっている。
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大阪・豊中『鮨うえの』個室
店内にはエレベーターを完備しベビーカーでの入店もスムーズ 。周囲を気にせずくつろげる個室も用意されている。
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子どもにこそ本物を。

「当グループは全店お子様連れを歓迎しています。子どもたちにこそ本物の和食を食べてほしい、というのが親父さん(店主・上野法男さん)の考えです。子どもたちが喜べばお母様たちも嬉しいはずですから」と微笑む柚上さん。

大阪・豊中『鮨うえの』シャリ
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その言葉通り、「お子様鮨セット」には感激の配慮が随所に散りばめられている。
なかでも驚くのは、大人用と子ども用でシャリを作り分けていること。子ども用は、米を柔らかめに炊き、甘みを効かせた味付けに。一方、口の中でハラリとほどける硬さにし、関西人が好むまろやかでありながらもキレのある味わいのシャリを大人には用意する。「子どもは素直。パパのご飯は硬いね、なんて気づく子もいるんですよ」と柚上さん。
シャリ以外にも、ネタに塗る醤油を大人より甘めに調整。「お子様鮨セット」の巻物では子どもが好きな牛時雨煮を巻いたり、カッパ巻きは食べやすいようキュウリを千切りにするなど、まさに日本料理店ならではの気遣いと職人の矜持が伝わってくる。

大阪・豊中『鮨うえの』お子様鮨セット
お子様鮨セット3850円。子どもが大好きなネタの鮨5貫と巻物(牛時雨煮、カッパ、かんぴょう、納豆)、『うえの』が大切にする一番だしを用いたうどんがセットに。アイスクリームのデザート付き。
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家族の節目を支えるホスピタリティ

地域の女性や子どもに寄り添う店作りを行ってきた『うえの』で、その哲学を象徴するのが、「NOとは言わない」姿勢だ。

例えばまだ鮨が食べられない子どもには唐揚げやハンバーグ、ポテト、さらには特製のカレーまで、リクエストに応じて「ワンプレート」で提供することも可能。その他、なんと要予約で離乳食の用意まで。
「我が子にもかつて離乳食を作ったので。最初の外食で『うえの』の味を知ってもらえるなら嬉しい」と笑う柚上さん。言葉にしなくとも伝わる食育のかたちがある。
さらに公開していないが、お食い初め膳の用意も可能。あらかじめ焼かず、提供のタイミングに合わせて焼き上げる鯛は、大人から評判だという。

本物の味を幼いころから自然に知る体験こそが、きっと未来に繋がっている。

大阪・豊中『鮨うえの』外観
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子連れに嬉しいポイントまとめ

・子ども用メニュー(お子様鮨セット)あり
・離乳食の提供可能(要予約)
・離乳食の持ち込み可能
・アレルギーの対応可能(要予約)
・個室あり(最大6名、8名、18名/うち1室は掘り炬燵式の畳敷き)
・子どもイスあり
・ベビーカー入店可能
・店内にエレベーターあり

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writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
instagram@ryocosugar