桃の食べ方をマスターしよう!切り方から保存方法、レシピまで!

ジューシーで甘い桃を味わうための食べごろや保存方法のメリット・デメリット、さらに切り方のコツやアレンジレシピまで幅広く紹介します。

桃の食べごろを見極めるポイントは?

桃は見た目のかわいらしさや甘い香りに惹かれてつい早く食べたくなる果物ですが、しっかり熟したタイミングで味わえば、いっそうおいしく感じられます。まずは色合いを見ながらヘタの部分を軽く触れ、弾力を確かめてみてください。甘くフルーティーな香りが漂ってくるかどうかをチェックするのも基本です。
指先で触れてまだ硬いと感じたり、香りがほとんどしなかったりする場合は、常温で数日ほど追熟させると甘みが増し、食べごろに近づきます。特にヘタまわりがほんのり柔らかく、やさしい甘い香りが立ち上ってきたら、いよいよ切り頃、食べ頃です。

【引用元】
農林水産省「果物の品質と保存性に関する調査報告」
引用文章:「完熟した桃は、見た目の色づきに加え、ヘタ付近の弾力と甘い香りが目安となります」

ヘタ側の弾力をチェックする
桃の食べごろを判断するうえで、ヘタまわりの弾力はとても重要です。指先で優しく押してみて、少しふわっとした柔らかさを感じたら、果肉にほどよく水分と糖度が回っている証拠といえます。ただし、強く押しすぎると傷みやすいため、触れるか触れないかくらいの力加減を意識してください。桃の表面は意外にデリケートなので、丁寧に扱うこともおいしい桃を守るポイントです。

甘い香りがしているか確認する
もう一つ大切なのは、桃本来の甘い香りがしっかり感じられるかどうかです。完熟が近づくと、やわらかな果肉の中からフルーツらしい甘い香りが立ち上ってきます。香りが弱く、青っぽさや生っぽさを感じるようであれば、まだ追熟が足りません。常温に置いて、日ごとに香りの変化を確認してみましょう。香りと同時に色づきや手触りの変化も見ながら、最高のタイミングを見計らっていただくと、より甘くジューシーな桃が楽しめます。

カットした桃
iStock.com/kazoka30
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【常温】保存のメリットとデメリット

■メリット■
桃は完熟を待つことで甘みが増す果物の一つですが、その追熟をスムーズに進めるには常温保存が効果的です。買ってきたときにやや硬さが残っている場合は、冷蔵庫に入れるより先に常温で風通しの良い場所に置いておくと、果肉が柔らかくなると同時に、甘みと香りが育っていきます。食べる直前に少しだけ冷やせば、口当たりの良いひんやり感とともに、ほどよい甘さを堪能できるでしょう。「常温で追熟→最後に短時間冷やす」という流れを試してみるのもいいですね。

追熟しやすく甘みが引き立つ
常温保存で追熟が進むと、内部でデンプンが糖に変わる反応が活発になり、甘さがより引き立つといわれています。特に夏場は気温が高いため、硬めの桃でも数日置いておくだけで香り高くジューシーに仕上がることが多いです。ただし、猛暑時期は傷みが早まるので、毎日状態を確認し、柔らかくなりすぎる前に冷蔵庫へ移すか、切って食べるタイミングを見極めるようにしてください。

■デメリット■
一方で、桃を常温で長く置いておくと、鮮度が落ちやすく傷みが進みやすいのも事実です。桃は柔らかくなる速度が速いため、食べごろを逃すと果肉がぐずぐずになったり、傷が目立ったりする場合があります。特に直射日光が当たる場所や高温多湿の環境では、せっかくの甘みや香りを感じる前に台無しになるリスクが高まります。常温で追熟させる場合は、日の当たらない風通しの良い涼しい場所を選びましょう。

痛みやすいリスクが高い
冷蔵や冷凍と比べると、常温保存はどうしても管理が難しく、わずかな時間差で熟度を過ぎてしまうことがあります。柔らかくなりすぎた桃は味や香りも落ち着いてしまい、果汁が流れ出ておいしさを損なうケースが少なくありません。いったん傷みが始まると、そこからカビや腐敗が広がるおそれもあるので、見た目の変化や果皮の傷みには十分注意し、こまめに状態をチェックしてから使いましょう。

【冷蔵】保存のメリットとデメリット

■メリット■
桃を冷蔵保存すると、常温よりゆっくりと熟度が進むため、食べごろの期間を比較的長くキープしやすいという利点があります。完熟した桃はあまり長持ちしませんが、少し早めに収穫されたものなら、冷蔵庫の野菜室などで上手に管理することで数日間おいしさを保てるでしょう。完全に熟しきる前に冷蔵することで、甘さとみずみずしさをほどよく残し、食べるタイミングを自由に調整できるのも魅力です。

適度な温度で日持ちしやすい
冷蔵庫で保存する際は、野菜室を活用するのがポイントです。野菜室は通常の冷蔵室より温度が高めに設定されていることが多く、桃の冷やしすぎを防ぎながら鮮度を保てます。また、乾燥を防ぐためにビニール袋やラップで包む、あるいは新聞紙を軽く巻くと、水分が適度に保たれて日持ちが良くなる傾向にあります。ただし、もともと完熟に近い桃は、冷蔵庫に入れると追熟が止まりやすいため、保存開始のタイミングを意識することが大切です。

■デメリット■
冷蔵庫は温度が低いため、桃特有の甘みを深める追熟が進みにくくなり、香りも弱まりがちです。まだ硬さの残る桃をすぐに冷蔵庫へ入れてしまうと、そのまま熟度が止まったようになり、風味が十分に引き出せないことがあります。また、キンキンに冷えた桃は爽やかさを感じられる反面、甘さを感じにくくなる面も否めません。

甘みや香りが損なわれる場合がある
とくに低温が苦手な品種や、もともと糖度が高い桃の場合には、冷蔵庫で保存すると本来の甘さを活かしきれないことがあります。十分に追熟してから冷蔵に切り替えればあまり問題はありませんが、そこまで待てないときは、食べる当日の朝などに数時間だけ冷やすほうが甘みを感じやすいでしょう。冷やしすぎず、ほどよく冷えた状態でいただくと、桃本来の香りや味わいがしっかり堪能できます。

【冷凍】保存のメリットとデメリット

■メリット■
桃を冷凍する方法は、長期的に保存したいときや、まとめ買いして食べきれない分を後日使いたいときに便利です。冷凍庫に入れておけば、シーズン中に手に入れたフレッシュな桃を、旬を過ぎてもさまざまなレシピに活かせます。特にスムージーやシャーベットなど、冷凍ならではの食感を楽しむレシピでは、凍らせた果肉の口当たりが新鮮に感じられるでしょう。

長期間保管しやすくアレンジに便利
冷凍する前に皮を剥いたり、食べやすい大きさにカットしたりしておくと、使いたいときにすぐ調理できるので便利です。凍らせた桃はスムージーやヨーグルトのトッピング、ジャムづくりなどに幅広く活用できます。冷凍する際は、なるべく空気に触れないよう密閉容器やフリーザーバッグを使って鮮度を保ちましょう。フレッシュなままでは味わえない、ひんやりとした食感と濃厚な甘さを同時に楽しめるのは、冷凍保存ならではの魅力です。

■デメリット■
冷凍保存は長期保管に適している反面、果肉の食感や風味が生の状態と大きく異なってしまうリスクがあります。水分が凍り、解凍時に細胞が壊れるため、シャキッとした噛みごたえや、とろけるような口どけが失われやすいのです。さらに、解凍の仕方によっては果汁が流れ出てしまい、水っぽさや風味の劣化を感じる場合もあります。フレッシュな瑞々しさを重視するなら、冷凍はあまり向いていないかもしれません。

フレッシュな食感が失われる可能性
特に桃のように柔らかく水分が多い果物は、冷凍と解凍のプロセスで果汁が外に出やすく、繊細な香りや口当たりが損なわれがちです。シャーベット状や加熱加工しないと食べにくいと感じることもあるでしょう。もしフレッシュなままの桃を心ゆくまで楽しみたい場合は、冷凍より常温または冷蔵で管理するほうがおすすめです。

桃の洗い方と皮の剥き方は?

桃の表面には産毛がびっしりと生えていて、傷みやすさや口当たりに影響を及ぼす場合があります。ただし、ゴシゴシと強くこすると皮が破れたり果肉を傷めたりしてしまうため、丁寧な取り扱いが肝心です。皮ごと食べる場合でも、産毛を優しく落としてから清潔にすることが大切になります。まずは流水で産毛を落とし、半分に切り込みを入れて種を外してから皮を剥くのが定番の手順です。

優しく洗って産毛を落とす
洗うときは、冷たい水よりも少しぬるめの流水が産毛を落としやすくなるでしょう。とはいえ、水温が高すぎると果肉を変質させる恐れもあるので、体温よりやや低い程度が理想です。力を入れすぎると表面の薄い皮が傷つきやすいため、指の腹で撫でるように優しく洗い流しましょう。産毛が気にならなくなったらOKです。

種の外し方と皮の剥き方
桃の中心には大きな種があるため、果実の割れ目に沿ってぐるりと切り込みを入れ、両手でひねるようにすると片側に種が付いたまま、きれいに分かれます。その後、種が付いている側の果肉を薄めに切り落とすか、指やスプーンなどでそっと種を外してください。皮の剥き方は、完熟した桃なら手でつるんと剥けることがありますが、まだ硬めのときは包丁を使ってやや薄めに剥くと実を無駄にしません。いずれにしても果肉は傷つきやすいので、必要以上に強く力を入れないようにしましょう。

カットした桃
iStock.com/LumineImages
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桃をカットする方法は?

桃のカット方法は、料理や盛り付けのシーンによってさまざまです。シンプルに半割りのままスプーンですくって食べるのもよいですし、くし形に切ってフルーツプレートやデザートに並べると華やかな印象を演出できます。切った後に変色や味の劣化を防ぐには、レモン汁を少し振りかけておくと果肉がきれいな色合いを保ちやすいです。どのカット方法でも、果汁をなるべく逃さないよう包丁の入れ方や角度に気を配ると、甘みを損なうことなく仕上げられます。

見た目をきれいに仕上げるコツ
包丁を入れる際は、果汁が流れ出すのを最小限に抑えるため、皮の剥き口や種の部分に近いところから切り始めないようにすると扱いやすいです。また、断面がぴんと張った状態のまま盛り付けるためには、なるべくスムーズに一気に切るのがポイント。カット直後は空気に触れやすく、酸化が進むと食感や風味が落ちてしまうため、なるべく早めに味わうと、みずみずしさや甘みを逃さずに堪能できます。

もっとおいしく食べるコツは?

実は、桃はヘタ側から食べるとより甘みを感じやすいといわれています。重力や果糖の分布などの影響で、ヘタ側に糖分が集まりやすいためです。また、カットしてから時間をおくと糖度が全体に均一になる反面、香りが飛んでしまう可能性もあるため、切りたてをいただくのが理想的です。冷やしすぎると甘みを感じにくくなる傾向がありますが、逆に冷えていたほうが食べやすい方もいらっしゃるので、自分好みのひんやり具合を探してみるのも楽しみ方の一つです。

食べる直前に冷やす 甘さと冷たさを両立させたい場合は、食べる直前に冷蔵庫へ移して短時間冷やす方法がおすすめです。桃を丸ごとラップで包んで数時間だけ冷やすと、中心までキンキンにはならず、程よい冷たさを楽しめます。長時間冷やし続けると甘みが感じにくくなるうえ、香りも飛びがちになるため、冷却時間の調節がポイントです。

種まわりを見逃さない
意外にも、桃の種まわりには糖度の高い果汁が集中していることが多いです。完熟度合いの高い桃ほど、スプーンですくうとじゅわっと甘い果汁が出てくる場合があります。包丁で切るとどうしても実の一部が種に残りがちなので、最後はスプーンを使ってしっかり味わうのがおすすめ。種まわりの果肉を無駄なくいただくと、「思ったより甘かった!」という嬉しい発見があるかもしれません。

桃のアレンジいろいろ

新鮮な桃は、そのまま食べるだけでも十分おいしいですが、少しアレンジするとさらに楽しみ方が広がります。ヨーグルトやアイスクリーム、サラダなどに加えると、桃の甘みと酸味がアクセントになり、口当たりがさっぱりして夏の食卓にぴったりです。ジャムやコンポートにすれば保存期間をやや延ばせるうえ、パンやデザートソースとしても活用できますし、白ワインやシャンパンに漬け込んで甘い風味を味わうといった大人向けの楽しみ方も可能です。

桃とヨーグルト
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生で味わう簡単アレンジ
手軽な楽しみ方としては、スライスした桃にヨーグルトやバニラアイスをかけるだけでも、十分においしさを堪能できます。甘みの強い桃なら、加糖のヨーグルトを使わなくてもフレッシュな甘酸っぱさを楽しめますし、アイスを組み合わせるとデザート感がグッとアップします。お子様のおやつや朝食にも向いており、スプーンですくうだけなので忙しいときにもぴったりです。

ジャム・コンポートへの活用
桃のジャムやコンポートを作るなら、皮付きで煮ると淡いピンク色がきれいに出やすく、風味にも深みが増します。一方で、皮を剥いてから煮ると見た目がすっきりし、ソースとして使うときに色移りを気にしなくて済む利点があります。どちらの場合も、砂糖と一緒に弱火でコトコト煮詰めるだけなので意外と簡単です。保存容器は煮沸消毒したガラス瓶などを使い、冷蔵庫で保管すれば1~2週間ほど楽しめます。香り付けにシナモンやバニラビーンズ、レモン汁などを加えると風味に変化がついて飽きずに食べられるでしょう。

【旬のフルーツを使ったレシピ】
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お店やお取り寄せで桃を楽しむ

■お店に桃を食べに行こう
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