京都『杦-SEN-』のモダンなカウンターで、情趣溢れる懐石料理を。

閑静な通りに佇む京都・烏丸五条『杦-SEN』でいただけるのは、季節感を重んじた趣深い懐石コース。茶懐石の小道具や現代作家ものなど、色気のある器使いも愉しみどころのひとつです。

四季を感じる美しいもてなし

店主の杉澤健(たけし)さんは1979年京都・亀岡生まれ。東京の『赤坂 菊乃井』や京都の料亭『室町和久傳』などで長く和食の腕を磨き、斬新な定食スタイルで話題を呼んだ『祇園ろはん』の料理長を務めた後、2018年に京都・烏丸五条に『杦-SEN-』を開きました。

かつてはロンドンでプライベートシェフを務めた経験もある杉澤さんが大切にしているのは、日本の美しいもてなしの精神。入り口は、古来より邪気を祓うとされている軒菖蒲(のきしょうぶ)や茅野輪くぐりなど、折節の飾りが施されています。

京都・烏丸五条『杦-SEN-』店内
純和風の入り口からは想像付かない和モダンなカウンター席は、非日常の演出のひとつ。
京都・烏丸五条『杦-SEN-』外観
店舗は、貴重な宮大工の仕事や昔ながらの建具が随所に残る日本家屋を改装。
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遊びを交えた緩急ある仕立て

季節感を大切に構成する料理は、昼夜共に10品前後のコースのみ。昼は14850円から、夜は30250円からです。ある夏の盛りの先付は、蓮の葉を器に敷いたお盆らしい装いで。焼きナスや白ズイキ(里芋の茎)などの夏野菜の上を、涼し気なスッポンゼリーが覆います。

京都・烏丸五条『杦-SEN-』先付
お盆や送り火がテーマの先付。夏野菜のスッポンゼリーがけ。
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「定石を大切にしながらも、自分の色を描きたい」という杉澤さん。丹後産アワビのお造りを肝ポン酢や小豆島産オリーブ油と塩でいただくなど、時に柔軟な提案も織り交ぜます。

京都・烏丸五条『杦-SEN-』のお造り
丹後産アワビのお造り。独特の弾力に、旨み濃厚ながら軽やかな肝ポン酢が見事な相性。
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ハイライトは季節の鍋料理

開店当初から人気が高いのが、目の前で仕立てる季節替わりの鍋料理です。夏は牛肉のしゃぶしゃぶに品よく炊いた実山椒をたっぷり散らして爽やかに。冬なら松葉ガニのほか、よく肥えた熊肉や鴨肉が登場。日によっては数種類の中から好きな食材を選べます。

京都・烏丸五条『杦-SEN-』の鍋料理
牛しゃぶ
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選べる締めのご飯

「コースだけれど、選ぶ楽しみを加えたくて」と、締めのご飯は常時8種類も用意されています。定番の土鍋炊きの白ご飯のほか、炙り鯖寿司や鰻丼、カキフライ丼、鯛めしなどに加え、柳そばと風流に名付けた和風ラーメンも。ハーフサイズで2種類なんてワガママもお願いできます。

カウンターとは別棟に靴を脱いで上がるテーブル個室があり、こちらは古き佳き和の風情を色濃く残した空間。記念日や接待におすすめです。

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amakara.jp編集部

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