鳥取トリップを楽しめる兵庫・宝塚『山陰ゆかりの店 郷音』

焼き鯖やとうふちくわのほかに、境港サーモンや〝ののこめし″など、店のメニューの8割以上が鳥取産。宝塚にいながらにして、まるで鳥取を旅したような気分になれる和食店です。

店主は鳥取・八頭(やず)の出身

阪急宝塚線の清荒神(きよしこうじん)駅からすぐ。青い暖簾が目印の『郷音』が、大阪・北浜での20年に渡る営業を終えてこちらに移転したのは2021年のこと。 店主の白岩俊夫さんは、鳥取県東南部の八頭出身。故郷を離れて改めて気付いた郷土のスローな味を広く伝えたいと、料理と酒をセレクトしています。

『郷音』外観
入口右側の小窓には、「日置桜」「辨天娘」「千代むすび」など鳥取の地酒が顔を見せます。
『郷音』店内&ご主人
25年の会社勤めを経て、飲食業界へ飛び込んだ白岩さん。「店の個性を!」と思いついたのが、故郷・鳥取の味を軸にすることでした。
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知られざる鳥取名物がスタンバイ! 

約50種類のメニューの8割が、鳥取に縁のあるもの。豪快な鯖の一本焼きは鳥取東部ではスーパーでも売られている日常食。独特の食感がクセになるとうふちくわは、鳥取砂丘近くに店を構える『前田商店』から。そのほか、砂丘らっきょうや境港で養殖された銀鮭「境港サーモン」、八頭にある『大江ノ郷自然牧場』から届く天美卵を使っただし巻きなど、東西に幅広い鳥取の全域から選りすぐった食材や料理がズラリ。なかには鳥取県民でも知らない逸品もあるそうです。

『郷音』の焼き鯖一本やとうふちくわ
豪快な「鳥取の焼きさば一本生姜」は1580円。背中に鳥取産のショウガを詰めているのは白岩さんのアレンジ。とうふちくわ盛合せ(大)1050円。境港の生サーモンのおさしみ1780円は身の甘みと旨みに驚きます。鳥取の地酒は1合850円~。
『郷音』の鯖の塩麹漬けのあぶりと鯖のへしこ
多彩な鯖の食べ方も、上質な鯖に恵まれている鳥取ならでは。鯖の塩麹漬けのあぶり1380円。鳥取の鯖のへしこ980円は、塩気がやわらかくて初めてでも食べやすい味わいです。
『郷音』の鯖の酒粕漬け焼き
艶めいた皮目が何ともそそる鯖の酒粕漬け焼きは1380円。表面はパリッと中はしっとりしています。
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締めのおすすめは〝ののこめし″

数ある郷土料理の中から締めにおすすめしたいのが、聞き慣れない〝ののこめし″。鳥取県弓ヶ浜半島を中心に、ハレの日のご馳走として古くから伝わっている料理です。 油揚げの中に生米と共に刻んだニンジンや椎茸などの野菜を詰めて醤油ベースのだしで炊いたもので、どこか懐かしい素朴な味に、ほっこりします。

『郷音』の「ののこめし」
ののこめしは、〝いただき″とも呼ばれています。
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また、アジフライや鯖一本焼きなど一部商品は14時30分までに予約すればテイクアウトも可能。まずは少し試してみたいという方には、そちらもおすすめです。