料亭で培った腕と趣向。芦屋の会席料理店『和食 孤一』

会席料理店に生まれ、老舗料亭で修行した店主・濱岡一徹さん。カウンター10席の店内で、一皿一皿手を抜くことなく、丹精込めたコース料理を提供しています。

老舗料亭で修行し、開店

芦屋駅から徒歩5分。暖簾をくぐると、非日常へと誘うような、風情ある石畳の小道があります。そこを通ると、奥行きのある分厚い檜のカウンター。その奥で料理を仕立てているのが店主の濱岡一徹さんです。

濱岡さんは、西宮の歴史ある会席料理店の生まれ。幼少時から日本料理に親しみ、「リーガロイヤルホテル大阪」の老舗料亭で腕を磨くこと約7年。カウンター10席の会席料理店を開きました。

『和食 孤一』店内のカウンター
上質で特別感のある、檜のカウンター。
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丁寧な手仕事が光るコース料理

料亭で培った腕と美意識を、自店ではコース料理に昇華。コースは昼・夜ともに、13200円と17600円のおまかせのみ。※すべて要予約。ランチは水・木・金・日のみ、2名以上。

「舌も目も肥えた方が多い芦屋。ここでやる以上、中途半端なことはできない」と、和食の基礎ともいえるだしやお米には兵庫県・氷ノ山の天然水を使用したり、自ら集めた美しい骨董を器に使用したりと、細部までこだわり抜いています。

「和食は下仕事が命」とも。その気概は、一つひとつの料理から伝わってきます。
まずは、先付。炭火で焼かれた松茸は、噛めば噛むほど滋味深いエキスが溢れ、酒をきかせた餅米、甘みのある蟹身と絶妙な相性。

 『和食 孤一』先付
器に使ったカニの甲羅の紅色と、新銀杏の緑のコントラストが目にも鮮やか。
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煮物椀のだしは、真昆布と利尻昆布をブレンドし、40℃の低温で5時間煮出したもの。車海老はぶつ切りにされているため、弾力のある歯ごたえで、甘みもたっぷり。海老芋と湯葉の炊合わせ、菊花あんは、下茹でした後、2時間近く二番だしで炊くそう。さらに二番だしには、マグロ節を使うという贅沢さです。

 『和食 孤一』煮物椀
煮物椀は、豊潤な香りと、キレのあるだしが美味。
『和食 孤一』菊花あん
土の香りまで上品な、海老芋と湯葉の炊合わせ、菊花あん。
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また、希少部位のシャトーブリアンのみを使用した鳥取産黒毛和牛の炭火焼き、お造りの高級魚のメイチ鯛など、素材選びにまで徹底しています。

『和食 孤一』肉料理
脂が控えめで、きめ細かく繊細な舌触りなので、コースの最後でもスッと食べられる。
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料理の下仕事から器使い、盛り付け、素材選びまで、一つひとつに手を抜くことのない濱岡さん。丁寧に仕立てられた料理は、価格を上回る満足感と幸福感を与えてくれます。

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amakara.jp編集部

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