古き佳き割烹を貫く、京都・木屋町『割烹 やました』

気になった食材を、煮るも揚げるもお好みのままに。昔ながらの割烹スタイルを貫く京都・木屋町『割烹 やました』で夜を過ごすなら、断然アラカルトがおすすめです。

京都・木屋町で40余年

「当時は、何もない静かな場所だったんですよ」と懐かしむ店主の山下茂さん。木屋町二条を少し下がった一角に『割烹やました』が店を構えたのは昭和58年。今から約40年前です。

今年で77歳になる山下さんの出身は、石川県の奥能登。縁あって家族と共に10代半ばで上洛し、食べるのも飲むのも、人と話すのも大好きなことから、自然と料理人の世界へ。寿司屋や割烹で腕を磨いてから独立を果たしました。

京都『割烹 やました』の外観
京都『割烹 やました』店主
今も毎日板場に立つ77歳の山下さん。店内の壁を埋め尽くす千社札(せんじゃふだ)やサイン色紙が、店の人気を物語っています。
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アラカルトは約100品

旬菜旬魚を中心に構成された分厚い品書きには、造り、焼き物、揚げ物、煮物などが100品近く並びます。それでも「品書きにないものも、やれることは対応いたしますよ。好きなものを好きな風に食べるのが、割烹の醍醐味ですからね」と微笑む山下さん。

昔ながらの割烹スタイルを貫くのは、カウンター越しのやり取りも楽しみのひとつからだと話します。

京都『割烹 やました』炊合せ
タコ、筍、フキ、小芋など春味満載の炊合せは3300円。
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京都『割烹 やました』のトリ貝の造り
プリっとしたトリ貝の造り3080円前後には、アスパラガスとトマトの蜜煮を添えて。
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京都『割烹 やました』白エビの天ぷら
天ぷら盛合せは4950円。サクフワっとした白エビ、カリカリのレンコン煎餅、ねっとりした小芋と、食感の違いが楽しい組合せです。
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京都『割烹 やました』ホタテ貝柱の真薯蒸し
エビや銀杏、百合根入りのホタテ貝柱の真薯蒸し2530円。メレンゲでつないでいるので、フワフワと淡雪の様に口ほどけます。
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板場の華麗な連携にも刮目

次々と異なる注文が入っても素早く提供ができるのは、板場の連携が見事に取れているから。椀刺しを担当する板長・安達春徳(かずのり)さんを中心に、煮方・焼き方・揚げ方などを数人が分担して、山下さんの脇を固めています。

料理人たちが阿吽の呼吸で調理をこなしていく板場の風景も、こちらの名物です。

京都『割烹 やました』店内
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2階の個室は会食や宴席に

おすすめはライブ感溢れるカウンターですが、2階に個室も2部屋あります。間仕切りを外せば12名まで入れる広さです。

畳の上に緋毛氈(ひもうせん)を敷いた和室のテーブル席は、しっとりとした雰囲気。こちらは会食や宴席の折に、ぜひご利用ください。

京都『割烹 やました』のテーブル個室
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