京都・東寺『うなぎ料理 美登利』で関西風地焼きのうな重を

近鉄京都線の東寺駅から少し南に下がった住宅街に建つ『うなぎ料理 美登利』。半世紀以上受け継ぐ特製ダレで地焼きする本格的な蒲焼きを、アットホームな雰囲気の中で味わえます。

近鉄東寺駅から徒歩5分

元々は大衆食堂だった『美登利』が鰻料理を始めたのは、1952年。60余年に渡り名刹・東寺からほど近い九条通り沿いで営業を続けてきましたが、「静かな雰囲気の中で食事を楽しんでいただければ」と、2020年にすぐ近くの住宅街に移転。ひっそりと店を構えています。

京都『美登利』外観
ご近所さんが自転車で来店することも少なくない、気取らないお店です。
10

鰻ひと筋に約40年

三代目主人・松浦一彰さんは、現在61歳。生粋の京都育ちです。京都にある懐石料理の老舗『瓢亭(ひょうてい)』で約4年間料理の基礎を学んだ後、家業に戻って鰻料理の道へ。以来、約40年ひと筋に技術を磨き続けています。

京都『美登利』店主
京都『美登利』店主息子さん
約2年前から息子の銀河さんが修業から戻り、共に鰻を捌いています。頼もしい跡継ぎです。
10

あえてガス火で焼く蒲焼き

炭火焼を謳う店が多い中、あえてガスロースターの上火でじりじりと焼き上げるのが、『美登利』のスタイルです。

鰻は愛知や徳島、静岡など全国各地から、よく身が肥えて上等な脂感を持つものを吟味。冷たい井戸水にしばらく打たせて身の緊張をほぐしてから捌きます。

そのこだわり抜いた鰻本来の風味を立たせるためには、炭の香りはかえって邪魔になるそうです。

半世紀以上繋ぐタレ

おいしさの秘密は、タレにもあります。カリッと焼いた鰻の頭をグツグツと煮込む独自の製法は、先代から受け継いだもの。醤油をたっぷり使った甘さ控えめの塩梅ながら、まろやかなコクがあるのが特徴です。

休まず継ぎ足し続けて、今や60年以上。年々味を深めています。

京都『美登利』の鰻ダレ
タレを煮込む寸胴の中には、鰻の頭がたっぷり。香ばしさと濃厚な旨みの秘訣です。
10

まむしスタイルのうな重

うな丼やひつまむしなど選択肢は豊富ですが、おすすめはうな重。タレを絡めたご飯の間に短冊に切った鰻の端の身を潜ませた、〝まむし風″スタイルを楽しめます。

関西風に地焼きした蒲焼きは、皮は箸で切れる柔らかさ。ふわりと焼けた身の儚い口溶けが、脂のりの良さを語ります。

京都『美登利』のうな重
うな重5500円は肝吸いと香の物付き。「本来のまむしのように蒸し上げなくとも、ご飯の熱で挟んだ身がふっくらとするんですよ」と松浦さん。
10

骨せんべぇも必食!

何かもう一品…と悩んだら、ぜひ骨せんべぇを。美しい1本揚げが6~7本のって、何と580円。カリカリと香ばしく、ビールのつまみにも最適のフィンガーフードです。

京都『美登利』の骨せんべぇ
骨せんべぇ580円はシンプルに塩で。タイミングが良ければ、揚げたて熱々をいただけます。
10

広々としたカウンター席は、お独りさまに最適の空間。う巻きやうざくをつまみに、ビールや日本酒を呑むのも乙な楽しみ方です。

京都『美登利』のう巻き
だしをたっぷり抱き込んだう巻き1200円は、たまらないふわとろ感。
京都『美登利』のうざく
うざく900円。焼き立ての蒲焼きと上品な酢の塩梅が絶妙です。
京都『美登利』店内
暖簾の手前、焼き場の正面がカウンタースペース。2階に20名まで入れる個室もあります。
10