北摂で愛される円熟のフレンチ 大阪・豊中『ラ・メゾンブランシュ』

北摂といえばランチ、ランチといえば北摂。1999年に創業して四半世紀、舌の肥えた北摂の方々に優雅なランチ、特別な日の美味しい時間を提供してきたフレンチレストラン、『ラ・メゾンブランシュ』をご紹介します。

懐深い郊外のグランメゾン

阪急豊中駅から歩くこと15分。豪邸が建ち並ぶ高級住宅街という地域性を反映した落ち着いた飲食店が点在している豊中市上野東界隈。豊中ロマンチック街道沿いにある3階建ての白亜の一軒家が、名店『ラ・メゾンブランシュ』です。エレベーターで2階へ上がると、洗練された白いメインダイニングが広がります。

『ラ・メゾンブランシュ』の店内
窓が大きく取られ、抜け感のある空間で、家族や友人と落ち着いて食事を楽しむのにぴったり。奥には個室もあるので、小さなお子さま連れでも利用できます。
『ラ・メゾンブランシュ』の入口
2009年に移転・拡張。280㎡の敷地に建つ3階建てのグランメゾン。
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柔らかい陽光が差し込むダイニングでいただくコースは、平日のランチは何と3500円からと良心的な価格設定。レストラン初心者やお子さま連れも歓迎。もちろん個室も備え、裏口から入る個室直通の階段も配置されています。「3世代で通われる方も増えましたね」とオーナーシェフの加藤賢一さん。郊外にあるレストランだからこその懐の深さ、長年北摂マダムの心を掴んできた理由が分かります。

料理の安定感はもちろんのこと。加藤シェフは、味のプラザと称された『プラザホテル』出身。南フランスの名門『ロワジス』でも修業をした華々しいプロフィールと確かな技を持ちながら、その上で自由な発想で旬の食材を駆使した安定の料理を提供しています。「原点回帰。僕自身が食べて素直においしい!と思える料理を作っています。だから品数も多いですよ」。

『ラ・メゾンブランシュ』の加藤シェフ
ベテランながら気さくな加藤シェフは岡山県真庭市出身。最近は釣りにハマっているとか。YouTubeで食材やメニュー紹介の動画も配信しています。
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確かな技で安定感のあるコース

夜の12000円のコースは全部で9皿。秋の前菜の一皿、小さなフランス産栗のヴルーテとケークサレ。なめらかなスープで栗のほのかな甘さが広がります。いが栗の上に盛られたケークサレはトリュフの香りがほのかに。ひと口ごとに季節の香りが閉じ込められています。
また、包み紙には「M」のマーク。笑みを誘う仕掛けにワクワクさせられる、好評の鹿肉とブルーチーズバーガー。ブルーチーズの塩気も穏やかで、鹿肉のパティはクセなくあっさり軽い後口です。

『ラ・メゾンブランシュ』のフランス産栗のヴルーテ
ひと口サイズでいろいろが楽しい前菜。左はフランス産栗のヴルーテ。イガ栗の上に盛られたケークサレ。
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『ラ・メゾンブランシュ』の鹿肉とブルーチーズバーガー
ビジュアルも可愛らしい、鹿肉とブルーチーズバーガー。シェフの出身岡山県産の鹿肉を使用。
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また、クリスマスの時期のメインディッシュの定番は、クラシックなブランケット・ド・ヴォー「仔牛とムール貝のクリーム煮込み」。クリーム煮といっても生クリームは少々、ムール貝のエキスが溶け込んだあっさりと軽いソースで、仔牛の肩肉のジューシーで上品な旨みを味わえます。

『ラ・メゾンブランシュ』のブランケット・ド・ヴォー
仔牛とムール貝のクリーム煮込みは、クリスマス時期の定番メニュー。適度な脂身もあり柔らかい肩肉を使用。ラディッシュや、白いんげん豆、ナッツの彩りや食感のアクセントも利いています。
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彩りやサプライズの演出で魅せる前菜はもちろん、メインは伝統的な料理を確実に美味しくと、安定感あるコース構成。ベテランシェフによる円熟の料理と、若いスタッフによる目配りの利いたサービス。非日常の中でリラックスして過ごせる、優雅で美味しい時間を約束してくれます。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。