兵庫食材を唯一無二の美味に昇華。神戸『季と菜と魚と さんたか』

神戸の漁港町、垂水(たるみ)。駅から歩いて5分ほどにある、福田川沿いに佇む日本料理店『季と菜と魚と さんたか』。セリに出す前の鮮魚や朝採れ野菜、出汁のための天然水など兵庫の恵みを駆使した、驚きに満ちた和食が楽しめます。

人のご縁がつなぐ最高の兵庫食材

「実はオープン当初は兵庫産食材にこだわっていたわけじゃないんですが、セリに行って初めて垂水にもいい魚があると知りました。それ以降は地元の食材にこだわっています」。そう話すのは、『季と菜と魚と さんたか』の店主・白波瀬喬士(しらはせたかし)さん。

白波瀬さんは垂水出身。塩屋町で漁師として活躍する同級生からは市場に卸す前の鮮魚を、神崎郡市川町で有機農家として米や野菜を育てる同級生からは有機野菜と天然水を仕入れるほか、毎日市場にも足を運んで最高の食材を吟味します。

また、こだわりの魚はカウンター後ろのいけすで一日寝かせてストレスや老廃物を取り、提供直前に締める“活け越し”のスタイル。「こうすることでタイなら身が飴色に変化して、美味しさが格段にアップするんですよ」。

神戸『季と菜と魚と さんたか』内観
素材の一番美味しいタイミングを見極める白波瀬さん。普段は流通に乗らないトラハゼやグレといった魚も、「脂の乗った旬は最高に旨いんですよ」と提供。訪れるたび、美味しい発見の連続です。
10

和食の決め手となる出汁には神崎郡の湧水を使用。丁寧に引いた出汁は過度に主張しすぎることなく、クリアで芳醇。あくまで素材の旨みを引き立てるために“添える”ように扱うのだそう。

旬を味わう「おまかせ」が主軸

メニューは、その日の仕入れでコース内容を考える「季節のおまかせ料理」が中心。予算や品数など希望を伝えれば、快く対応してくれます。

神戸『季と菜と魚と さんたか』の「八寸」
季節のおまかせ料理は8800円〜。この日の「八寸」(写真は2人前)には、垂水産足赤エビのカラスミ和えや神戸のナマコ、市川町の太水菜とイクラのおひたしなどが登場。品数の少ないハーフコースもあり。
神戸『季と菜と魚と さんたか』の「お造り」
コースに登場するお造り。取材時は寒グレ、タコ、ヒラメの3種。奥にあるのは、その都度炙って提供する『すまうら水産』の上質な須磨海苔。磯の香りが鼻腔をくすぐる海苔で巻いていただくのも美味。
10

誰もが知る安心感のある和食に加えて「昔からありそうでどこにもない日本料理を目指したい」と白波瀬さん。

たとえばエビ入りで作ることが多いという大根餅なら、「今は大根が一番美味しいときなので、あえて大根と塩のみで仕上げてみました。余分な旨みは必要ないんです」。みずみずしい大根の甘みがダイレクトに広がり、思わず笑みがこぼれます。

神戸『季と菜と魚と さんたか』の「大根餅」
ねっとりと甘い大根餅。さっくり軽やかに揚げた蕗のとう、ふっくらとした身のアブラメと合わせて、みぞれ餡をたっぷりと。柔らかで甘い市川町の独自ブランド「まちこネギ」を添えて。
10

店主の手にかかれば、兵庫の豊かな食材が唯一無二の料理に進化。神戸で醸造する「IN THA DOOR BREWING」のクラフトビールやオレンジが香る焼酎など、意外なお酒とのマリアージュもぜひ楽しんでみては。

神戸市のおすすめディナー20選!記念日・女子会などシーン別で紹介

詳しくはこちら