秋田食材を駆使した中国料理にも注目 大阪・福島『中国菜 fēve.(フェーヴ)』

オーナーシェフは辻調理師専門学校で長らく講師を務めていたと聞けば、それだけで期待が高まりますね。1月に食べるフランス菓子「ガレット・デ・ロワ」に入ったフェーヴ(王冠)のように、“アタリ”な中国料理店が、福島のはずれにあります。

秋田の食材×中国料理

ここ数年、調理師専門学校の元講師出身の個性豊かなお店をよく耳にしますが、こちらの『中国菜 fēve.(フェーヴ)』のオーナーシェフ・畑川 豊さんもそう。約11年間、辻調理師専門学校で教鞭をとられたお方です。東京の人気店や大阪『四川料理 御馥(イーフー)』などを経て、2018年“福島のはなれ”大淀に自身の店をオープンさせました。

『中国菜 fēve.(フェーヴ)』のオーナーシェフ・畑川 豊さん
畑川さんはバスケで知られる秋田県能代市出身。「フェーヴはフランス語で空豆という意味。空豆は豆板醬の材料でもありますしね」と店名の由来を話します。
『中国菜 fēve.(フェーヴ)』の店内
空豆型のエントランスを抜けて店内に。どの席からもガラス越しに調理シーンを見られるテーブル席のみ。グループでの食事会に利用しやすいですね。
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長年培ってきた確かな技だけでなく、現地にも定期的に足を運んで、自分の理想とする味わいを追及する畑川さん。化学調味料を使わずに手作りの調味料を駆使した清らかな味わいの香港・四川料理が魅力です。
中でもぜひ味わいたいのが、秋田食材を使った一品です。「おそらく大阪で唯一、秋田県出身の中国料理オーナーシェフです」と笑顔で自己紹介する畑川さん。燻製にした大根の漬け物・いぶりがっこの食感がクセになる炒飯、名産のじゅんさいと牛肉入りのとろみのあるスープ、ハタハタの魚醤・しょっつるを使った鮮魚の蒸し物や野菜炒めなど、地元愛が詰まったメニューにワクワクさせられます。特にキハタの蒸し物は、しょっつるのふくよかな旨みを纏った甘みのある皮やほわっと柔らかな身と共にいただけば口福が押し寄せます。

『中国菜 fēve.(フェーヴ)』の鮮魚のしょっつる蒸し
鮮魚のしょっつる蒸し。この日はキハタで1尾7000円。蒸し魚は3日前までに要予約で種類は応相談。
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クリスピーチキンは必食

さらに、皆が必ずと言っていいほどオーダーするのが、名物のクリスピーチキン(秘製脆皮鶏)。油をかけながらじっくりと火入れした皮の “ザクザクッ”と軽快な食感が快感! ジューシーな身とのコントラストが見事で夢中で食べ進めてしまいます。コーンフレークやココナッツパウダー、カレー粉などの金砂スパイスでいただく、香港の市場、街市(ガイシー)風に仕上げてあります。

ほかにも、四川の「ピーシェン豆板醤」と葉ニンニクで仕上げる厚みのある辛さと旨みの陳麻婆豆腐は、秋田から直送のあきたこまちの白ご飯にのせて。数量限定提供で焼きたてにこだわる蜜汁叉焼排骨(スペアリブのチャーシュー)など、自慢のメニューが目白押し。
シェフの郷土と中国料理への溢れんばかりの愛がぎゅっと詰まった一軒です。

『中国菜 fēve.(フェーヴ)』のクリスピーチキン
ビジュアルも美しい、秘製脆皮鶏1750円。比内地鶏など地鶏でいろいろと試したところ、国産の鶏肉でようやく理想の食感に仕上がったとか。
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『中国菜 fēve.(フェーヴ)』のスペアリブのチャーシュー
大ぶりのスペアリブで焼きたてにこだわる、蜜汁叉焼排骨(スペアリブのチャーシュー)1200円は数量限定。飲み放題付きのお得なコースに追加で組み込んだり、アラカルトでも。
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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。