薪と炭の2つの炎で繰り出すクリエイション。大阪・西天満『薪炭まだら』

大阪・なにわ橋駅から3分の場所にある『薪炭まだら』。薪と炭を使用した創作料理をエンターテインメントのように楽しめるイノベーティブレストランです。

ライブ感あふれる演出が魅力

「『薪炭まだら』でパフォーマンスする全員がアーティストとしてステージに立つ気持ちなんです」とは、店主の馬渡雄二さん。洗い物や仕込みは“舞台裏”である2階で行い、1階で観せるのは料理パフォーマンスのみ。ほの暗い店内でスポットライトに照らされた2つの焼き台は舞台、それを取り囲むように配されたL字のカウンターは、まさに観客席のようです。

『薪炭まだら』店主の馬渡雄二さん
イタリアンや焼き鳥の名店で腕を磨いてきた馬渡雄二さん。
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独創性あふれるコース料理

メニューはコースのみで、18時・19時・20時30分スタートの3部制です。手元に配られる短冊型のメニューには、「薪菜」「斑」といった漢字が書かれており、どんな料理が運ばれてくるのか、待っている間にイメージが膨らみます。

料理は週1回変わるそうですが、この日の1品目「薪菜」は、薪の煙をまとわせたサイコロ状の根菜とサザエの前菜。また、目の前の紀州備長炭で焼き上げる焼き鳥と、客を楽しませる料理が続きます。

『薪炭まだら』薪菜
サイコロ状の根菜やサザエからは、清々しい薪の香りが口に広がります。
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『薪炭まだら』焼き鳥
焼き鳥は、胸とつくねの2種。
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スペシャリテを意味する「斑」は、もち麦と舞茸を詰めた京赤地どりの手羽先。炭火でじっくり脱水させ、特製のだしと一緒にいただきます。ジビエコースでは、猪のメンチカツが登場。薪の炎で燻して野生味を増した猪肉を、アサリやレモングラス、サフランの爽やかなソースが引き立てます。

『薪炭まだら』京赤地どりの手羽先
特製のだしと焼き鳥を一緒にいただくスペシャリテ「京赤地どりの手羽先」。
『薪炭まだら』猪のメンチカツ
「猪のメンチカツ」の猪は、加古川の猟師が仕留めたもの。
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「炭火で味を凝縮させながら火入れし、水分を含んだ薪の熱で保湿して食材をリラックスさせます」と、馬渡さん。薪と炭を使い分けて繰り出されるのは、世界各地の料理を織り交ぜ再構築した“作品”といえる料理ばかり。デザート食べ終わる頃には、ステージを観たかのような満たされた気分になります。

2軒目は2階のバーへ

「もう少しこの世界観に浸っていたい」。そんな時は、2階にある『ワインバー 斑』へどうぞ。アラカルトメニューも提供しているので、お酒とアテと共に余韻を味わってみてはいかがでしょうか。

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amakara.jp編集部

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