小さな熟成肉イタリアン、京都・四条烏丸『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』

表面を香ばしく焼き上げた熟成肉の炭火焼を始め、粗挽肉たっぷりのボロネーゼや熟成豚のパテまでスタンバイ!16席だけの小さなイタリアン酒場は、毎晩熟成肉ラバーで賑わっています。

熟成肉は滋賀の名店『サカエヤ』から

京都の繁華街・四条烏丸から歩いて5分足らず。錦小路通沿いにこちらの小さなオステリアがオープンしたのは2015年。イタリアでも修業を積んだ店主の藤原順さんが名物に据えているのは、滋賀の精肉店『サカエヤ』から届くとびきり上等な熟成肉です。

「『サカエヤ』さんが独自の哲学の元に‟手当て“をして味を磨いた熟成肉は、香りだけでなくて旨みも段違いに深い。滋賀で修業中に出会った時から夢中です」と藤原さん。開店当時は今ほど熟成肉が認知されていませんでしたが、迷いはなかったそうです。

『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』店主・藤原順さん
店主の藤原さんは1973年滋賀県生まれ。イタリアでの修業はフィレンツェなどで1年ほど。元々は魚好きでしたが、『サカエヤ』との出会いで肉派に宗旨替えしたそうです。
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主役の炭火焼きは注文率100%

「今では注文しないお客様はほぼ皆無ですね」と藤原さんが嬉しそうに話すのは、その『サカエヤ』から届く熟成肉の炭火焼です。ベストな熟成具合を見計らって届くため、品種や部位はその日次第。とはいえ常時3~4種類は用意されているので、食べ比べることも可能です。

例えば、黒毛和牛のリブロースと北海道で育った放牧牛のウデ肉を150gずつなど。「黒毛和牛は旨み濃厚。放牧牛は野生の草だけを食べて育っているので味も香りも軽やかですよ」と藤原さん。愛し子を自慢するかのようにそれぞれの魅力をわかりやすく教えてくれます。

『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』の熟成肉の炭火焼食べ比べ
写真の熟成肉の炭火焼食べ比べは、黒毛和牛のリブロースと放牧牛のウデ肉各150gで8130円。
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サイドメニューも熟成肉を

塊肉を網にのせては休ませてを何度も繰り返すため、熟成肉の炭火焼が出来上がるまでには、最低でも40分。その間は、まだまだある熟成肉を使ったサイドメニューをいただきながら待つのが、常連さん達の過ごし方です。

少しずつ色々いただける前菜盛合せも良いのですが、炭火焼に負けない注文率を誇るのが、藤原さんがイタリアで出会った味を再現したというボロネーゼ。熟成肉の端肉がゴロゴロ入った食べ応えあるソースと、やや太めのモチモチ麺とのバランスが絶妙です。

そのほかにも、熟成肉で作ったミンチカツやキーマカレーのパスタなんて変化球も。ワインのお供にするも、炭火焼の後にして締めにするも自由!緩いムードの中、話題の熟成肉を楽しめる素敵な肉酒場です。

『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』のボロネーゼ
熟成肉がゴロゴロ入ったボロネーゼ1800円は、サフランの風味が利いているのが特徴。
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『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』の豚肉のパテ
熟成肉ではありませんが、パテ・ド・カンパーニュ1200円もおすすめ。こちらも仕入れは『サカヤエ』から。熊本の大自然のなかのびのび育った放牧豚・走る豚を使っています。
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『メッシタ パーネ エ ヴィーノ』の店内
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amakara.jp編集部

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