
フォルムも味も洒脱な、祇園『鮨まつもと』の江戸前寿司
京都でいち早く江戸前寿司をうたった店として名高い『鮨まつもと』は、開業から約20年。日々の研究を惜しまないにぎりはより深く、もてなしも丸みを帯びて和やかに。ファンは増える一方です。
contents
京都における江戸前寿司の先駆け
観光客で年中賑わう京都の花街・祇園の花見小路通を、ほんの少し西に入った路地沿いに揺れる色暖簾。端に小さく書かれた「鮨」の一文字に、店主・松本大典(だいすけ)さんの気概を感じます。
『鮨まつもと』が京都に店を構えたのは2006年。京都で江戸前をうたう店は数えるほどしかなかった当時、東京の名店『新橋しみづ』で腕を磨いた気鋭の職人の登場は、一躍話題になりました。
塩と赤酢だけで調味する江戸前風の酢飯は、甘めの酢飯を食べ慣れた京都人には衝撃的。けれど新味があって完成度も高い堅実なにぎりは鮨通の心を着実につかみ、京都の鮨シーンを牽引する存在へと駆け上りました。
ゆるりと楽しむ「つまみとにぎり」
料理はおまかせのみで、昼夜ともに「つまみとにぎり」もしくは「にぎり」のいずれかを選べます。
「つまみとにぎり」は東京・豊洲や兵庫・明石から届く白身魚や貝の刺身、あん肝など、酒を誘う一品からスタート。寒い時季なら甘鯛の骨蒸しなどの温かいつまみなどを4品前後堪能した後、にぎりが12貫ほど続きます。ゆっくりお酒を飲みながら楽しみたい方におすすめです。
「にぎり」をとことん堪能
「アテは不要。にぎりだけが好き」という方は、ぜひ「にぎり」を。おおよそ18貫前後を小気味よいリズムでいただけます。
脂がのった小肌は塩と酢で〆てから冷蔵庫で5日ほど寝かせて丸みのある味わいに。九十九里浜のハマグリは、柔らかさを保つギリギリまで火入れして、特製の醤油ダレに漬け込んで。大間のマグロは状態に合わせてヅケにする時間を細かく調整。日々の研究を欠かさない丁寧な江戸前仕事を施したにぎりは、見た目も味も洗練されています。
夜は少しハードルが高くて…という方は、まずは昼のおまかせからお試しを。使う部位などが多少違うけれど、魚は同じ。かなりお得にいただくことができます。
data
- 店名
- 鮨まつもと
- 住所
- 京都府京都市東山区祇園町南側570-123
- 電話番号
- 075-531-2031
- 営業時間
- 12:00~14:00、18:00~21:00
- 定休日
- 水曜
- 交通
- 京阪祇園四条駅から徒歩4分
- 席数
- カウンター7席、テーブル4席
- メニュー
- 昼/にぎり13貫14000円~、夜/にぎり18貫前後20000円~、つまみとにぎり24000円~。瓶ビール小800円、日本酒1合1200円~。
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