名物・鯖寿司のあるコースが魅力、京都『祇園にしむら』

京都・祇園で30年。円熟の料理ともてなしに定評のある一軒が『祇園にしむら』です。そしてお土産の鯖寿司でもよく知られる存在。ちょっと背伸びしてでも一度は祇園の路地に揺れる暖簾を潜ってほしいお店です。

気概のある店主・西村元秀さん

石畳の路地を行くと、格子戸に犬矢来と呼ぶ竹製の柵、そして祇園にしむらと染め抜かれた暖簾が迎えてくれます。京の町家のしっとりとした風情に、ちょっと緊張してしまいそうです。けれど、カウンターに座れば、店主の西村元秀さんの飾らないお人柄が、きっと肩の力を抜いてくれるはず。

「祇園に店を開こうと考えたとき、近所には綺麗な盛り付けで目を楽しませる料理屋は何軒もありました。だから、魚本来の美味しさを伝えるシンプルな料理を目指そうと思いました」と話した開店当初から、30年を経た今も、その心は変わりません。
上質な食材を用いるのは当たり前で、その旨みをいかに際立たせるかを常に考えている西村さんです。

京都『祇園にしむら』店主・西村元秀さん
店主の西村元秀さん。男気あるご主人とのやり取りもこの店の魅力
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京都『祇園にしむら』外観
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名物・鯖寿司は夏冬で変身

この店には名物と呼ばれる一品がいくつかあります。ひとつは、ゴマ豆腐。まるでババロアのように滑らかな食感です。
もうひとつは、お土産としても有名な鯖寿司。塩で40分、酢で50分と軽めの締め加減で、レアな味わいが開業当初から評判を呼びました。冬場は、京都の老舗「大藤」の千枚漬けを載せてあり、「八坂の雪」(10月~3月限定)と名付けられています。冬場以外が、白板昆布が載っていて、こちらは「東山」と呼ばれ、通年コースに入り、お土産として購入もできます。

京都『祇園にしむら』鯖寿司
料理はすべて14300円(8品程度)のコースから。冬場はお凌ぎに登場。千枚漬けを載せた姿がはんなりと美しい鯖寿司「八坂の雪」。
京都『祇園にしむら』ごま豆腐
先付に供されるゴマ豆腐。こっくり濃厚な味わい。
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白木のカウンター越し、西村さんとの会話も楽しい京都のひとときを是非。

京都『祇園にしむら』鯛
お造りは、この日はマグロのトロに瀬戸内の鯛、もんごうイカにはこまやかな包丁仕事が施されている。
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京都『祇園にしむら』お雑煮
寒くなると登場するすっぽんとカラスミの椀。美しいだしを味わって。
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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。