神戸・湊川『la mura 神戸会下山』で酒屋発、日本酒と味わう発酵フレンチ。

山頂から神戸の街を見渡す会下山に建つ、歴史ある古民家でいただく“発酵フレンチ”のお供は日本酒。街の酒屋『酒のてらむら』による、感動のペアリングを楽しめます。

神戸の文化人も訪れた趣のある邸宅

どこか懐かしく、温もりを感じる古民家。『la mura』の前身は、かつては洋画家の小磯良平をはじめとする多くの文化人が訪れる場所でもあったという、国登録有形文化財・旧石阪家住宅です。

神戸・湊川『la mura 神戸会下山』外観
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人気(ひとけ)のない空き家となっていた邸宅を偶然見つけ、レストランという新しい命を吹き込んだのが、会下山の麓から地元兵庫の地酒を発信してきた『酒のてらむら』でした。

三代目の寺村仁均さんと奥様の加代子さんにとって、料理とのペアリングを通じて日本酒の多彩な魅力を伝える場所を持つことは長年の夢だったそうです。どこか洋館のような雰囲気も漂うこの古民家で、「和食ではなくフレンチを」と、新たな世界を発信することになりました。

酒屋らしく、テーマは「発酵」

料理のテーマに掲げたのは「発酵」。長い付き合いである和歌山の『名手酒造店』から特別に譲っていただいたという麹をベースに、塩麹や醤油麹、甘酒といった発酵調味料をホテル出身のシェフが手作りするところから仕込みは始まります。

驚きなのが、フレンチの伝統的なソースにも麹を使用すること。いわゆるオーソドックスなフレンチだと思って口に運ぶと、いい意味で裏切られるでしょう。麹由来のふくよかな風味、余韻。ビジュアルからは想像できない味わいの連続なのです。

神戸・湊川『la mura 神戸会下山』のオードブル
全9品のディナーコース7000円より(内容は季節替わり)オードブル。自家製酒粕クリームを生ハムで巻いたアミューズや、塩麹で和えたクスクスなど4種。
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神戸・湊川『la mura 神戸会下山』のポワレ
同じくディナーコース6000円より、甘酒が香る真鯛のポワレ。
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料理に合う最高の日本酒と共に

コースに寄り添う日本酒は、食中酒がメイン。たとえば赤ワインと醤油麹のソースでいただく牛サーロインのグリルには「花垣 純米生原酒 超辛口」を合わせるなど、ペアリングは酒のプロの提案に委ねるのが大正解。客席からは「日本酒のイメージが変わった!」という声も聞こえてくるそうですよ。

街の喧騒から離れて、“日本酒×発酵フレンチ”を心ゆくまで味わってみてはいかがでしょうか。

神戸・湊川『la mura 神戸会下山』のグリル
同じくディナーコース7000円より、牛サーロインのグリル。
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