‟直球“も‟変化球”も揃う単品割烹、京都・北大路『悠々』

鴨の治部煮や海老芋の唐揚げなどのスタンダードな一品に加え、白味噌グラタンや刺身サンドなんて遊びの利いた変化球もスタンバイ。気分に合わせて選べる幅広い品揃えが嬉しい、小さなカウンター割烹です。

北大路駅からすぐの好立地

北大路駅から歩いて3分。烏丸通りに続く静かな道沿いにひっそりと佇む店は、2018年にオープンしました。白木の格子戸を開けると、中はカウンター8席のみ。店主の下田哲也さんと女将が二人三脚で営む、小さな割烹です。

『悠々』外観
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『悠々』店主の下田哲也さん
店主の下田哲也さんは1978年京都生まれ。祇園の日本料理店に約7年勤めた後、京都市内の『和久傳(わくでん)』各店で計13年修業を重ね、2018年に独立を果たしました。共に厨房に立つ女将も、京都の有名料亭で13年修業した生粋の料理人。今は甘味を担当しています。
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鷹峯の野菜を生かした直球

料理は日替わりの単品が40品ほど。「気分に合わせて選べるよう‟直球“と‟変化球”をご用意しています」と品揃えについて下田さんは話します。

直球は、店からほど近い鷹峯(たかがみね)にある『水沢農園』や『樋口農園』から届く朝採れ野菜の持ち味を生かしたものが中心です。例えば海老芋はだしで煮含めてから外はサクッ、中はむっちりとした唐揚げに。香り高い春菊には、カニ身を合わせてだし醤油味の和え物に。濃すぎず、かといって上品にもなりすぎない塩梅が絶妙。常時30銘柄ほど揃えている全国の地酒にも合うよう配慮しているそうです。

『悠々』の海老芋の唐揚げ
海老芋の唐揚げ1500円。お好みで『和久傳』仕込みの山椒醤油を付けていただきます。
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『悠々』の鴨の治部煮、カニと春菊の松の実和え
鴨の治部煮1500円~。トロトロになるまで鴨と共に煮込まれた太く甘い九条ネギが、脇役とは思えないおいしさ。カニと春菊の松の実和え1800円は、炒った松の実が食欲をそそります。
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洋の遊びが光る変化球

もう一方の変化球は、洋テイストを取り入れた遊び心ある一品です。皮目を炙って梅肉で和えたサワラを大葉やミョウガと一緒に挟んだ刺身サンドや、中身をくり抜いた柚子の皮を器にして根菜と白子のグラタンを詰めた柚子釜グラタンなど、インパクト抜群のアイデアメニューが揃います。

酒肴の定番のポテトサラダは、マッシュポテトにドライフルーツ、カラスミ、キャビア、ローストビーフを盛り合わせた贅沢で独創的な仕立て。リピーターが多い人気メニューのひとつです。

『悠々』の刺身サンド
ファンが多いという刺身サンド1300円~。季節によってカツオのフライや鯛の昆布締めなどに変わります。
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『悠々』の柚子釜グラタン
柚子釜グラタン2000円。白子を贅沢に使った濃厚な和風ホワイトソースが辛口の日本酒によく合います。
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「夜もコース対応していますが、単品でしかいただけないお料理をたくさんご用意していますよ」と下田さん。ちょっとしたアレンジや、お一人様の場合は量の加減もしてくれるそうです。

お昼はコースのみの営業になるので、要注意。夜の予算は軽く飲んで食べて20000円ほど。まったりと贅沢な夜を過ごしたい日に、おすすめです。

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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。