京都・河原町のフレンチバル『ジュメル29』の創味光るアラカルト

ブドウの枝で軽く燻した鴨肉のロティや尾崎牛のタルタル仕立てなどシェフ得意の肉料理を中心に、真サバのスモークをのせたポテサラやマグロのカツレツなど、食べ応えある前菜も豊富。がっつり食べたい食いしん坊におすすめのフレンチバルです。

2011年オープンのフレンチバル

阪急京都河原町駅から歩いて5分ほどの麩屋町通り沿い。味わい深い大きな木の看板が目印の店が誕生したのは、2011年。

店主の村上章(あきら)さんは、祇園にあった『フィリップオブロン京都』や京都市内のホテルで10年近くフランス料理を学んだ後に独立を果たしました。

『ジュメル29』外観
10
『ジュメル29』店主の村上章さん
店主の村上章さんは岡山出身。カンヌやリヨンなど、フランスでも料理を学んでいます。
10

創作系アラカルトが約40品

「気軽に楽しんでほしい」という村上さんの想いから、料理はアラカルトを自由に選べるスタイルで、常時40品前後。フランス料理をベースに村上さんが創意工夫を凝らしたメニューが、品書きに名を連ねます。

「見た目は超地味ですが、ハマる方が多いですよ」と村上さんイチ押しの前菜は、ひよこ豆ペーストとチーズのフリットです。フランス・ニースの軽食「パニス」をアレンジしたもので、ひよこ豆のホックリ感とモッツァレラチーズの塩気が抜群のコンビネーション。一杯目のビールのお供に最適です。

『ジュメル29』のひよこ豆ペーストとチーズのフリット
ひよこ豆ペーストとチーズのフリット770円。表面はサックリ、中はクリームコロッケのような食感です。
10

そのほか、リンゴのチップでスモークしたポテトサラダの上を同じくスモークしてからマリネした真サバで覆った前菜や、ウニのプリンをのせたガーリックトーストなど、名前からおいしそうなメニューが色々。素敵な品揃えに、どれから頼むべきか悩んでしまいます。

『ジュメル29』の真サバマリネのスモークとポテトサラダ
真サバマリネのスモークとポテトサラダ1250円。レモンの酸味が利いたサバとスモーキーなポテサラが大人な組合せ。
10

シェフの得意は肉料理

店名に掲げる‟29“は、肉を意味したもの。シャルキュトリー(肉加工品)なら、ベーコンやパテ・ド・カンパーニュのほか、尾崎牛や鴨の生ハムまでも自家製する徹底ぶり。村上さんが好きを得意にしたそそる肉料理も、見逃せない逸品揃いです。

前菜系の中で人気が高いのは、軽く火を入れた尾崎牛のタルタル。赤身主体で旨みの濃いウデ肉の表面を加熱してしっとりロゼ色に仕上げています。

『ジュメル29』の尾崎牛のタルタル
尾崎牛のタルタル1750円。味付けは塩のみ。温泉卵を絡めるほか、マスタードやケッパーなど皿の縁にのせられた10数種類の薬味を自由に合わせていただくスタイルです。
10

メイン系なら、ブドウの枝で軽く燻した鴨胸肉のロティが他にない味わいです。チョコレート色のソースは、鴨肉のだしをベースにクミンやコリアンダーを利かせたカレーのような芳香。オレンジやハチミツの甘みもあって、鴨肉の旨みをグッと持ち上げます。

『ジュメル29』の鴨胸肉のロティ
鴨胸肉のロティ スパイスソース2550円。ベリーやカシスなどの赤い果実のニュアンスがある重厚な赤ワインが似合う味です。
10

2階は20名までの宴会OK

カウンターメインの小さな店に見えますが、実は2階に最大20名まで入れるテーブル席も備えています。8名以上の大人数の場合はコース料理がおすすめで、1日前までの予約でお願いできます。

『ジュメル29』2階テーブル席
2階のテーブル席は17名以上で貸し切り利用も可能です。
10

大きなセラーに並ぶワインはフランスとイタリアを中心に200本ほど。グラスワインだけでも常時8種前後と選択肢豊富で、ボトルワインも4200円からスタンバイ。4人以上ならグラスよりボトルで頼むのがお得です。

『ジュメル29』のワインセラー
ワインのチョイスは好みの味と予算を伝えた上で、村上さんにお任せするのがおすすめです。
10