六甲山のスモーク小屋で仕上げた冷燻が自慢 神戸・六甲『ヴィラージュ六甲』

神戸の再度山(ふたたびさん)ドライブウェイ途中にあった、知る人ぞ知る隠れ家レストランが、2019年、阪急六甲駅に近い街場に移転。山中の頃と同じアンティーク家具を配した店内の居心地の良さと充実の燻製メニューが評判になっています。

熊に猪など、他にないスモークに感動!

「スモークは趣味のようなもの」とオーナーシェフの廣田健三さん。長野県白馬村の『プチホテル ベル・プレ』で、7年スモークに携わったのがきっかけでその面白さにはまり、かれこれ30年余り燻製を作り続けていると言います。

現在も海抜800mの六甲山山頂にスモーク小屋を持ち、生ハムやサラミ、サーモンは、冬場2カ月間干して仕上げているのだそう。豚タン赤ワイン漬けや白肝のパテなどの他、熊のサラミや猪の生ハムなど、珍しい素材で作るスモークもあります。「時間をかけると、香りが穏やかでワインに良く合うスモークができます」と廣田シェフ。

『ヴィラージュ六甲』の廣田夫妻
廣田シェフとマダムの聖子さん。ウッディな雰囲気が、山小屋を思わせます。店の外観はシェフが手造りされたとか。
『ヴィラージュ六甲』の店内
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『ヴィラージュ六甲』の外観
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鯖や鴨ムネ肉などの温燻は店で仕込み、冷燻4種、温燻3種を常備。人気のベーコンなど、多い時には15種余りが黒板に書かれていて、どれにしようかと迷ってしまいます。
「ワイン好きは、必ずスモークを注文されますね」と、マダムの聖子さん。どれを食べても、上品な薫香とピュアな旨みにワインが進みます。

『ヴィラージュ六甲』の冷製スモーク盛り合わせ
冷製スモーク盛合せ1900円。左上より時計回りに、スモークサーモン、猪の生ハム、豚タンの赤ワイン漬けスモーク、熊のサラミ。脂身の上品な旨みの熊のサラミが、おいしいこと! ワインが進みます。スモーク各種はテイクアウトも可能です。
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こだわりたっぷりのフランス料理

廣田さんは、大阪のホテルや都内の有名フレンチ、イタリアンレストランでも働き、腕を磨いてきたベテランシェフ。伝統の手法を守って、驚くほどの大量の野菜や肉類でフォンドボーを、たっぷりの魚介でフュメドポワソンを取っています。「ベースがポイントですから」とにっこり。だから、スープも料理のソースも旨みたっぷり。広いオープンキッチンから繰り出される魚料理も肉料理も、ひと皿食べ終わると、誰もが皆、口福感に包まれます。

『ヴィラージュ六甲』のテリーヌとパテ
自家製テリーヌとパテ1700円。スモーク色々とフォアグラと栗のテリーヌは、食感が楽しい。白肝のパテも自慢の一品。マールを添加して発酵を止めた希少なワイン・ラタフィヤのジュレを添えて。
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『ヴィラージュ六甲』の天使の海老のプレゼ
天使の海老のプレゼ、オレンジ風味3100円。シェアして味わう、華やかな一皿。色鮮やかなオレンジの風味の味わい深いソースが印象的です。
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