
夏こそ鴨肉! 大阪名物・河内鴨専門店、なんば『炭火焼と鴨鍋の店 おら鴨』で
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河内鴨は伝統ある大阪名物
鴨は、かつて大阪の特産品でした。そのキッカケは、何と豊臣秀吉。大阪城周辺は、秀吉の故郷・近江に似た湿地帯だから、「鴨を飼いなさい。卵も採れるし肉もおいしい」と奨励したのが始まりとか。以来、大阪は日本一の鴨の産地となり、鴨は身近な食材として大阪に根付いていました。ところが昭和40年代以降、安価な輸入品に押され、急激に衰退。歴史を今に伝えるのは創業155年、日本最古の鴨農家『ツムラ本店』(大阪府松原市)だけになりました。
河内鴨は、『ツムラ本店』で孵化から処理・加工、卸、流通まで一貫体制で丁寧に生産されています。ホルモン剤や抗生物質を与えず、広い鴨舎でストレスなく大切に育てられた河内鴨は、安心安全で、高タンパクで鉄分豊富。あっさりとしつつ脂まで甘い最高品質の鴨肉として、珍重されています。
そんな河内鴨は、今や星付きレストランや和食の店など、多くの料理人がメニューに組み込んでいますが、こちらの『おら鴨』は、専門店として2007年にオープン。コース仕立てで河内鴨を堪能できるお店です。
プライベートな空間で鴨を味わう
法善寺の水掛不動さんの向いにある串カツ『だるま』、その横手のエレベーターで4階へ。店内はなんだか複雑な構造です。広いアプローチの奥に10名まで入れる大き目の部屋、右手に4名グループに程よい個室が並び、螺旋階段を下りていくと、ロマンスシートな2人用個室が幾つか。大小9つの個室だけで構成されています。
そんなプライベートな空間でいただく河内鴨料理は、炭火焼きがメインのコースと、鴨鍋メインのコース、さらに、焼きと鍋、両方を楽しめるコースをご用意。
まずは季節の野菜などを使った小鉢2種が先付代わり。たっぷりのサラダと本日の鴨を使った一品料理が供されます。そして、焼きメインの「焼道」コースなら、七輪が卓上に運ばれ、河内鴨のロース、ズリ、ササミなど、その日の仕入れで良き部位が3種と焼き野菜が登場。贅沢にもサイコロ状に分厚くカットされたロースを網にのせると、たちまち芳しい香りが立ち上ります。
「お造りでも食べられる肉ですから、裏表さっと炙るだけでいいですよ」など、部位毎の焼き方や加減は、店のスタッフが丁寧に説明してくれます。シャキシャキとした独特の食感のスナズリ、柔らかいロースなど、昆布を漬け込んで旨みを増した自家製のポン酢でいただけば、いくらでも入りそうです。焼道コースの締めは鴨だし茶漬け。焼きコースでも、鴨のだしの旨みが楽しめます。
鴨鍋は大阪の夏の風物詩
暑い時期にお鍋は…と思うかもしれませんが、かつて鴨鍋は、大阪の夏の風物詩だったのです。夏バテ防止・滋養強壮にと、大阪三大祭りの一つ・天神祭に鴨のすき焼きを食べる風習がありました。2025年、この食文化を復活させようと、天神祭の宵宮の7月24日を「夏の大阪・鴨すき焼きの日」に制定されました。
そんな大阪人の知恵にならって、クーラーの効いた個室で鍋メインの「鍋道」コースをぜひ。先付、小鉢、サラダ、一品に続いて、こちらは七輪の代わりに紙鍋が運ばれてきます。
鴨鍋の肉は、ロースともも肉。牛や豚とは異なり、白い脂の部分が殊に美味。その透明感のある旨みは、河内鴨ならでは。鍋のだしは、和だしと鴨ガラから取ったスープをブレンドした甘めの味わい。おいしすぎてついつい飲んでしまいます。途中、柚子コショウで味変すると、止まらなくなりそうです。鴨鍋の締めは、うどんかそばをお好みで。
そうそう、焼きも味わってみたいなら、うすネギロースを追加オーダーするのがオススメ。薄くスライスした河内鴨のロースを焼きしゃぶ風に。炭火で片面だけ炙って、こんもり盛ったネギの小山の上にダイブさせ、ネギをたっぷり挟んでいただけば、「鴨葱ってやっぱ最高」と思う抜群の相性ですよ。
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- 店名
- 炭火焼と鴨鍋の店 おら鴨
- 住所
- 大阪府大阪市中央区難波1-5-24 だるま難波本店ビル4階
- 電話番号
- 06-6211-1528
- 営業時間
- 17:00〜21:00(料理LO)
- 定休日
- 不定休
- 交通
- 各線なんば駅から徒歩3分
- 個室
- 9室(2~10名)
- メニュー
- 焼道コース6品5060円、鍋道コース5品5060円、焼と鍋おら鴨流7品6380円。生ビール中715円、勝沼アルカブランカワインボトル4620円、日本酒1合770円~。
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