京都の食卓でお馴染み『七味家』一子相伝の七味唐がらし

約360年前に茶店として創業した当時の屋号は『河内屋』。そこで参拝客に出していた“からし湯”が評判を呼び、七味唐がらしを取り扱うようになったと伝えられています。カツオと昆布で取る京風だしの旨みを引き立てる七味唐がらしは、京都の家庭の常備品としても親しまれています。近年は薬味のプロならではのクラフトサイダーやチョコレートアイスも人気です。

一子相伝で守る、京都ではお馴染みの調味料

京都屈指の名所・清水寺に続くゆるやかな坂道のなかほどで明暦年間(1655~1658)に創業。約160年後の文化13年、『七味家』に改名して七味唐がらしを商うようになりました。多くの家庭や麺類店などには山吹色の袋に入った詰め替え用の七味が常備されている、京都ではお馴染みの調味料です。

京都『七味家』商品、薬味缶
オリーブ油を合わせれば、ペペロンチーノ風パスタが楽しめる七味唐がらし。約50年ぶりにリニューアルした薬味缶は、レトロなデザインやカラーが人気を呼んでいる。色々な形の薬味入れも販売。写真は十草台付(七味小袋付)2624円。
京都『七味家』七味唐がらし袋入り
七味小袋864円、山椒袋972円、一味袋756円。
京都『七味家』七味唐がらし袋入り
左/天然瓢箪(七味小袋付)1744円と、右/『七味家』のロゴマーク入りの木の瓢箪(七味小袋付)2514円。
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その名が物語る通り、七味唐がらしは漢方薬にも使われる7種の薬味で作られています。契約農家で丹精込めて育てられた唐がらし、さわやかに香る国産の山椒、噛み砕くと香りを放つ麻の実、白胡麻と黒胡麻、青のり、青紫蘇を、15代目の現店主に至るまで一子相伝で守り続けてきた秘伝のレシピでブレンドしています。

「当店の七味は『東京・浅草のやげん堀』『信州・善光寺の八幡屋礒五郎』と共に、日本三大七味に数えられていますが、土地柄や料理の傾向に合わせるため、使われる7種の内容はそれぞれ異なります。『七味家』は山椒が最も香り高いのが特徴。面白いですよね」と話すのは管理課長の和田直澄さん。

京都『七味家』外観
清水坂と産寧坂の交差点、多くの観光客にとってランドマークにもなっている立地に建つ本店。メインの商品は全国の百貨店や有名スーパーにも並ぶが、本店ではすべての商品が購入可能。
京都『七味家』内観
店内には歴史を感じる写真などが飾られている。
京都『七味家』内観
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意外な出合いがクセになる新作スイーツ

本店内には、約40種の商品がズラリ。なかには、薬味のプロならではのノウハウを生かしたクラフトサイダーなど、意外性のあるオリジナルも並びます。特にユニークなのが、今夏にデビューしたばかりのチョコレートアイスクリーム山椒です。

「これは『七味家』が新たな味わいとスタイルを提案する、新ライン『738.kyoto』の商品です。清水界隈を散策される際にも食べやすいようパウチ包装にしました」。
驚かされるのは、チョコレートと山椒の相性の良さ。最初はチョコの濃厚な味わいが先行しますが、喉を通る辺りで山椒のさわやかな刺激が広がります。

京都『七味家』アイス
パウチ包装のチョコレートアイスクリーム山椒。トロリなめらかなチョコアイスと山椒のコンビネーションが見事。商品化するまでには、山椒之粉の配合量などを変えて何度も試作したそう。600円。
京都『七味家』サイダー
シトラスサイダー400円、ジンジャーサイダー450円。
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