京都・笠置の料理旅館『松本亭』の味わい深いキジ鍋コース
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明治23年から続く料理旅館
京都市内から車を走らせること約1時間30分。古くから信仰の場として知られている笠置山に『自遊宿 料理旅館 松本亭』ができたのは、明治23年(1890)のこと。宿のすぐ上に建つ笠置寺やその奥にある魔崖(まがい)石仏に詣でる人が多かった時代に、参道の茶店を兼ねた宿屋として始まったそうです。
時代のニーズに合わせて増改築を繰り返した結果、現在は約50畳の多目的ホールや大広間まで備えた設えに。音楽サークルや大学生のゼミ合宿の場としても親しまれているそうで、屋号に掲げている“自遊宿”の名の通り、多彩な滞在を楽しめるちょっと変わったお宿です。
名物のキジ鍋コースは先代が考案
キジの姿を模した愛らしい陶皿が印象的。宿の名物として知られるキジ鍋の歴史は意外と浅く、「‟自然に囲まれた環境の中でいただくに相応しい個性ある料理を“と先代が考案したんですよ」と5代目亭主の松本敏明さん。色んな方が楽しめるようにと、食事だけの利用も可能。笠置山ハイキングに訪れた方が利用されることも多いそうです。
キジは笠置山の麓にある『ナカムラポートリー』を通じて、高知や愛媛などの国産養殖を丸のまま仕入れ。松本さん自ら、日ごとに捌いています。「自分で捌くから、ムネやモモだけでなく、肝や心臓、ネックなどの内臓まで余さず楽しんでいただけます。骨からとてもよいだしが出るので、鍋の最初に加えていただく仕立てにしているんですよ」と、松本さん。
キジ鍋コースは1人前6500円から用意。ボリュームを抑えたキジ小鍋定食もありますが、ここまで来るなら、おすすめはキジの塩焼きや釜めしまでまんべんなく堪能できるキジ鍋弥勒(みろく)コース8500円です。
塩焼きは、パリッと焼けた皮目から滲み出る濃厚だけれどキレのいい脂が何とも言えないおいしさ。
噛み締める度にコクのある旨みを感じるモモ肉や胸肉は、鶏肉と鴨肉の中間といった印象。醤油ベースの鍋でいただくコリっとした砂ずりや肝・心臓などの内臓もまったくクセがなく、きれいな味わいです。
1300年以上の歴史を育み、巨石「弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)」をご本尊とする笠置寺まで徒歩数分と、観光にも恵まれた立地。食前や食後の運動を兼ねた山道散策も気持ちが良いですよ。
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- 店名
- 自遊宿・料理旅館 松本亭
- 住所
- 京都府相楽郡笠置町笠置山20
- 電話番号
- 0743-95-2016
- 営業時間
- 11:00~15:00、17:00~21:00(最終入店18:30)
- 定休日
- 不定休(要予約)
- 交通
- JR笠置駅から車で5分
- 個室
- 4室(2~32名)※状況により、個室を相席として利用する場合もあり。
- メニュー
- 昼夜共通/きじ鍋コース6500円~、きじ小鍋定食・きじ焼き定食各2900円。瓶ビール中770円、日本酒1合660円。
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