京都・祇園の焼鳥店『うずら屋京都』で淡海地鶏を満喫

鶏皮はカリッと香ばしく、ササミは驚くほどしっとり。滋賀産淡海地鶏のおいしさみなぎる焼鳥をフランスワインと共にいただける、祇園の穴場です。

京阪祇園四条駅からすぐ

『うずら屋京都』までは、歌舞伎劇場『南座』から川端通り沿いを南に歩いて1、2分。京阪電鉄祇園四条駅からも、阪急京都河原町駅からも徒歩数分という好アクセス。

さりげない店構えなので、通り過ぎないよう要注意。闇夜にぽわんと柔らかな灯りを浮かべる大きな提灯が目印だ。

『うずら屋京都』外観
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『うずら屋京都』店内
奥に長い構造の店内はカウンター10席のみ。気取らない感じが心地よい。
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大阪の名店仕込みの‟串のない焼鳥“

メニューは焼鳥が中心。定番のモモやササミのほか、背肝やテールなど珍しいものも少し。500円前後のアラカルトを自由に注文できるのが嬉しい。

鶏皮もモモも、目の前の炭床で焼かれる鶏肉は、つくね以外には串が打たれていないのが気になるところ。その理由を店主の大島将吾さんに尋ねてみれば、「串を打つと表裏だけを焼くことになるでしょう?串を打たないことで焼き面が増えて、繊細な火入れができるんですよ」。笑顔と共に明快な答えが返ってきた。串を打たない独特の焼鳥は、屋号にも掲げている大阪の名焼鳥店『うずら屋』(現在は閉店)で学んだ手法だ。

炭は宮崎県の日向備長炭。鶏肉は変遷を経て、滋賀の養鶏場『かしわの川中』から届く「淡海(たんかい)地鶏」に一点集中。
平均120日間かけてじっくり育て上げられた鶏の肉は、程よい弾力と旨みが持ち味。その抜群の味わいを生かすために、味付けは基本塩のみ。修業先で学んだ技術をベースに大島さんが選び抜いた素材を合わせ、ここだけの味に仕上げている。

『うずら屋京都』店内
店主の大島将吾さんは京都の和食や居酒屋で長年修業。『うずら屋』で焼鳥のおいしさに目覚め、暖簾分けという形で2006年に独立。
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『うずら屋京都』のササミワサビ
大島さんが「肉の味の違いが一番わかる!」と断言するササミワサビは550円。お好みでワサビとマヨネーズを付けて。
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『うずら屋京都』のモモ焼きとつくね
皮目がパリッと焼けたモモ焼きは700円、鶏のせせり、皮、軟骨を合わせたジューシーなつくねは旨み濃厚。1本350円。
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『うずら屋京都』のうずら半身焼き
程よい野趣を感じる、うずら半身焼き900円。食べやすいよう切り分けてくれる気遣いが有難い。
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ワインを誘う鶏のパテや生ハムも

焼き物のほかにも、ワインを誘う鶏アラカルトが少数精鋭で揃う。リンゴのチップで燻製した「淡海地鶏」ムネ肉の生ハムは滑らかな質感。程よい塩気がシャンパンや白ワインによく合う。

希少な鶏の白肝が手に入った時だけ登場する隠れ名物のパテも絶品だ。65℃の低温でじっくり火入れした白肝のほかに加えているのは、バターソテーした玉ネギのみ。「クリーミーなパテにはどっしりしたでボルドーワインが合いますよ」と大島さん。ワイン選びに悩んだら、スタッフに相談するのが正解だ。

『うずら屋京都』の地鶏の生ハム
地鶏の生ハム800円。こちらも塩・砂糖・コショウだけのシンプルな味付けで鶏の旨みを際立てている。
『うずら屋京都』の白肝パテ
ねっとりとしたコクが堪らない白肝パテはバゲット付きで1100円。その日あるかどうかは運次第。
『うずら屋京都』のフォアグラつくね
パン粉をまとった予想外のビジュアル。開店当時からの名物、フランス産のフォアグラ100%で作るフォアグラつくねは1個1300円。
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おにぎり・お茶漬け・丼ものと、ご飯物のバラエティーも豊富。もちろんどれも鶏料理。焼き物とワインを軽く楽しむのも良いけれど、締めまでとことん鶏尽くしを堪能するのも一興だ。