穴子料理店の二代目が営む和食の新星。神戸・六甲道『料理屋 大夢(ひろむ)』
父のもとで11年間腕を磨いて独立
JR六甲道駅から南へすぐ。スーパーや銀行が並ぶ利便性の良い場所に、2024年11月にオープンした『料理屋 大夢』。「どんな店名にしようか散々迷って、結局自分の名前を付けました」と、人懐っこい笑顔で迎えてくれたのが、29歳の若き店主・佐藤大夢(ひろむ)さんだ。
佐藤さんは、同じ灘区の水道筋商店街近くにある、穴子料理で有名な『韋駄天(いだてん)』のご子息。10代半ばから父のもとで修業を始め、「最初は親父にやらされている感じでしたが、2~3年目からだんだん面白くなってきて、いつか自分の店を持ちたいと思うようになりました」と振り返る。料理を覚えるかたわら、魚屋の手伝いにも行き、目利きや捌き方もイチから学んだという。11年間腕を磨いたのち独立。兵庫や神戸沖で獲れる旬魚料理を主軸とした和食店を構えた。
旬魚を軸にした日替わりメニュー
メニューは日替わりで、その日仕入れた魚介を中心に、造りや焼き物、天ぷらや小鍋、寿司や丼まで多彩な一品が揃う。ここでまず頼みたいのは、造り盛合せ。海が近い神戸ならではの新鮮さを直球で味わう旬魚のほか、生と炙りの違いや半生食感を楽しむものなど、趣向に富んだ魚介が7~8種類も盛り込まれている。
「仕入れは、水道筋の魚屋をはじめ信頼できるところから、その日の良いものだけを。新鮮な魚のおいしさはもちろん、熟成や低温調理で旨みを引き出したり、炭油で炭の香りを纏わせたり。魚の持ち味を活かしてどうおいしく食べていただくか、色々試しています」と、佐藤さん。父親譲りの確かな技と味を土台に、試行錯誤を重ねながら、自分らしい一皿を創り出している。
季節の果物を取り入れた一品も好評で、この日の「イチゴと菜の花の白和え」は、甘酸っぱいイチゴに、ほろ苦く香り立つ菜の花を合わせ、やさしい甘みの和え衣でまとめた瑞々しい味わい。フレッシュなお酒とも相性が良さそうだ。
肉厚の伝助穴子を多彩な仕立てで
そして、やはり外せないのが穴子料理だ。使用するのは、主に宮城県産の大ぶりな伝助穴子。「人間に例えるなら、マッチョというより、恰幅の良い感じ。肉厚で身の柔らかいものを選んでいます」と佐藤さん。魚屋で目利きしたものを自ら神経締めにし、店へ持ち帰って仕込みを行う。造りや焼き物、小鍋、にぎりなど、仕立てはさまざまながら、どの一皿にも共通するのは、伝助穴子ならではの旨みを最大限に活かすこと。造りの生は、きめ細やかな身と上品な甘みを身上に、炙りはニンニク塩で香ばしい旨みを際立たせ、天ぷらではふっくら柔らかな身をサクッと軽い衣が引き立てる。
すき焼きは、「骨や頭から取った出汁を加え、自分なりに配合を工夫しています」というすっきりとコクのある割り下に、身をさっとくぐらせ、溶き卵につけて味わう。丁寧に骨切りした身は、花がほころぶように開き、コク深い割り下と卵がしっかりと絡んで、まさに口福。噛むほどに滋味が溢れ出し、酒を呼ぶ味わいだ。
日本酒は、灘や播磨など兵庫の地酒を中心に10種類ほど。ほかに、ハイボールや焼酎、梅酒も揃う。肩肘張らず、好きな一杯を片手に料理を2、3品……そんな使い方ができる気安さも、この店の魅力だ。
また、昼も人気で、日替わり御膳は、焼き魚や天ぷら、鰻蒲焼きなどのメインに、小鉢2品、刺身、ご飯、吸物付きで1650円~と、コスパ抜群の内容。お米は毎日精米し、炊きたてを用意する。予約制で松花堂ランチからランチコースも楽しめるほか、日曜日はドリンクと料理がセットになった昼飲みメニューも登場する。
しっかり食事を楽しみたい日にも、ふらりと一杯飲みたい日にも頼りになる、六甲道で覚えておきたい一軒だ。
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- 店名
- 料理屋 大夢
- 住所
- 兵庫県神戸市灘区備後町5-3-1 ウェルブ六甲道1番街 1階
- 電話番号
- 080-5849-3449
- 営業時間
- 11:30~13:30LO、17:30~22:00LO、日曜は昼飲みメニューあり12:00~15:15LO
- 定休日
- 水曜
- 交通
- JR六甲道駅から徒歩3分
- 席数
- カウンター8席、テーブル12席
- メニュー
- 昼/日替わり御膳1650円~、松花堂ランチ2000円、ランチコース3500円~(松花堂ランチ・ランチコースは前日までに要予約)。夜/伝助穴子白焼2000円、ブリ塩焼き1200円、ふぐ皮白菜あて700円、和牛蓮根山椒煮900円、握り寿司350円~。日本酒1合550円~、生ビール600円。
- 備考
- 貸し切り可(12~20名)
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