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野菜とプリフィックスコースで、ご夫婦がもてなす神戸下町の本格ビストロ。板宿『ナベサンテ』

神戸・板宿は、神戸市営地下鉄と山陽電車、両方の駅が隣接する利便性の良い下町。商店街があり、賑わう居酒屋や店も多い。なのに神戸っ子でも訪れたことがないと言う人も…。そんな、神戸でも知る人ぞ知る街・板宿の一角に、小さなフランス料理店『7bé santé(ナベサンテ)』はある。

心も身体もサンテ(健康)に!

『ナベサンテ』は、2022年6月オープン。シェフの渡邉真一郎さんと奥様の泰子さんがもてなすアットホームなムードが気に入って、リピートする人も多い。ちょっと不思議な店名は、シェフのニックネームと、コンセプトの「毎日(1週間7日)心も身体もサンテ(健康)に」とをかけたもの。

渡邉シェフは、地元・神戸の出身。22歳でホテルの厨房に入って歴史ある『オリエンタルホテル』の料理人から料理の基礎を学んだ。フランスのレストランへ修業に行く予定が、1995年の阪神・淡路大震災で中止になり、その後、大阪や神戸のホテルでも研鑽を積んだ。トアウエストのカフェで働いていた泰子さんと知り合い、結婚。「2人で店を開こうと、物件探しを始めたらコロナ禍になってしまいました…」。

自店を開くまでの間に、西洋料理の出張シェフとして、兵庫・赤穂から大阪まで、あちこちに出かけた渡邉シェフ。「子どもを持つお母さんから、僕の作った野菜料理なら食べてくれると喜んでいただいて。野菜のおいしさを上手に伝えられたら、今までとは違うフレンチの店になると思ったんです」。

『ナベサンテ』のご夫婦
渡邉シェフとサービス・デセール担当の泰子さん。2人の息はぴったり!
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『ナベサンテ』の店内
9坪の小さなビストロ。落ち着いたボルドーカラーの空間はリビングのような居心地の良さ。
『ナベサンテ』の店内
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スターターは野菜のプレート

『ナベサンテ』のコースの最初の一皿は、「旬の野菜のプレート」。大きくカットされた季節の野菜が数種類、ゴロゴロと、ソースもドレッシングもなしで盛られている。「野菜だけ!?」と初めての客には驚かれるという。しかし、口にすると甘みや苦みだけでなく、土っぽさ、瑞々しさなど、旬の野菜の表情が感じられ、心が満たされていく。

主役は農薬や化学肥料、除草剤や動物性肥料を使わずに年間100種類以上を露地で育てている兵庫県三田市の『なゆた農場』の野菜たち。根菜類は、基本、塩だけしてオーブンでゆっくりと火を通し、葉野菜はブイヨンで火を入れていく。野菜の持ち味と食感とを生かす丁寧な調理だ。「季節で野菜は変わりますが、まずは、野菜のおいしさそのものを味わってもらいたい」と渡邉シェフ。

『ナベサンテ』の野菜の一皿
一皿目の旬の野菜プレート。取材時は紅芯大根、菊芋、カツオ菜、新タマネギ、ニンジンなど。野菜の味わいを再認識できる大きなサイズで。栽培人と料理人の思いたっぷりの野菜ひとつ一つを、噛み締めたい。
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昼も夜もプリフィクスコースで

メニューは、昼夜共通のプリフィクスコース。前菜、メイン料理がそれぞれ5品以上用意されており、好みでセレクトするスタイル。「まれに前菜を2品、メインを2品、オーダーする方もおられますよ」と泰子さん。その日のお腹の具合で、食べたいものを注文できるのが魅力的だ。「農場から届く旬の野菜や市場の新鮮魚介、フランスの厳選食材を使用した、日本とフランスの融合をお楽しみいただける料理をご用意しています」。

『ナベサンテ』の前菜、活けアワビのポッシェ
昼夜共通の「選べるプリフィクス」レギュラーコース6050円より。前菜5品から。活けアワビのポッシェ ヴィシソワーズ パパーダ コンソメジュレ キャビア。アワビの旨みを、スペイン産の生ハム・パパーダとキャビアの塩気が際立たせる。コンソメのジュレが全体を優しくまとめるアクセント。
『ナベサンテ』の前菜、アスパラガスとハマグリ
こちらも前菜5品からのセレクト。フランスロワール産ホワイトアスパラガスのブランマンジェ 千葉県産ハマグリ エストラゴンのオイル。ホワイトアスパラの繊細でまろやかなブランマンジェに、ハマグリの旨みをプラスした心踊る旬の一品。
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前菜で季節ならではの食材の組み合わせの妙を楽しむ。初夏から夏は、アワビ、ハマグリ、ホワイトアスパラ…。ヴィシソワーズやガスパチョなど、冷たいスープ仕立ても好評だ。メインは、牛、豚、鶏、仔羊といった様々な肉料理が並び、大いに迷う。どれにも最初の一皿とは異なる野菜がたっぷり添えられているのが嬉しい。

『ナベサンテ』のメイン、仔羊ロティ
メイン料理5品からセレクト。フランスリムーザン産ルバロネ仔羊ロティ。仔羊のおいしさを引き上げるそのジュのソースでストレートに味わう。しっとり柔らかく羊肉好きにはたまらない!付け合わせの野菜はジャガイモ、ソラマメ、シイタケ、ホウレンソウ。
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奥様担当のデセールも注目

デザートは、パティスリーでの経験や料理教室の講師も務めてきた泰子さんが担当。「コースを召し上がった後、満腹でも食べられるように味わいや素材の組合せを工夫しています」。季節のフルーツを使ったものだけでなく、クレームブリュレ、クレープシュゼットなど、3~4品がオンメニュー。こちらも食べたいものを選ぶことができる。どれも口当たりが良く軽やかな風味で、食後の満足感をさらに高めてくれる。

『ナベサンテ』のイチゴのミルフィーユ
本日のデザート1000円。西区のイチゴ・おいCベリーを使ったミルフィーユ。イチゴのおいしさをサクサクのパイ生地、パンデピスのスパイスの香りとコク、爽やかな自家製アイスクリームと共に味わう。
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ワインは神戸・岡本の『R the wine shop』からフランス産の自然派のものを中心にセレクト。ナチュラルな味わいの料理とよく合う。ノンアルコールドリンクも充実していて、パンは和田岬『メゾンムラタ』、珈琲豆は長田『豆の匠』によるオリジナルブレンドと、渡邊さんご夫婦がこれだと思うものを厳選。手間を惜しまない丁寧な料理と温かい雰囲気が幅広い層に支持され、家族の記念日などに利用されることも多い。また訪れたくなる下町の小さなビストロ、完全予約制なので、事前に必ず連絡を。

『ナベサンテ』の外観
住宅街の角にポツンとある、フランスの田舎の村にありそうな素朴な店構え。
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