安田淳一監督【後編】激推し!辺鄙な場所なのに平日も行列。京都・城陽のうどん『やまびこ』
先代の味を受け継いだ、娘婿たちの挑戦
近鉄寺田駅から徒歩4分。京都の中心街からはやや遠いその場所に、『手打ちうどん やまびこ寺田本店』はある。
店内には、所狭しと飾られた著名人たちのサイン色紙と京都サンガF.C.の選手ユニフォームが飾られ、ファンの多さを物語っている。平日でも昼時は行列必至。「狙い目は夕方」と教えてくれたのは、映画監督・安田淳一さん。
「僕が繁華街でやってる油そばの店はコロナで大打撃でしたけど、やまびこさんは地元のお客さんに支えられて、コロナ禍でもそんなに影響なかったんちゃうかな。それくらいいつ行ってもいっぱいの人気店。俳優の玉山鉄二さんが通っていたことでも有名です」と教えてくれた。
現店主は、実は先代の娘婿。うどんの奥深さに魅了され、飲食に全く関係ない前職から後継ぎに。ちなみに、山城青谷にある姉妹店を切り盛りするのも同じく娘婿。義兄弟で先代の味を守り伝えている。
「うどんを打つのは楽しいですよ。毎日打っていても飽きません。ええ生地ができると嬉しいし、お客さんが美味しそうに食べてくれたらドヤ!って気分になる。手打ちスタイルを続けているのは、一番格好いいところを機械に任せられないからですよ(笑)」と、満面の笑みに。麺打ちによって鍛えられた見事な筋肉で、うどんと向き合う毎日だ。
出汁の旨みと手打ちゆえの麺食感が格別
看板メニューは「カレーうどん」。中でも「すじカレー」は、重さを感じるほど大きなすじとシャキシャキ食感の風味豊かな九条ねぎが、麺が隠れるほどたっぷり入っていて、ほどよいスパイシーさが食欲をそそる逸品。夏場は冷やしも人気だ。
しっかりと麺に絡むまろやかなカレー出汁は、うどん屋ならでは。基本の出汁はカツオと昆布の関西風。醤油は昔から使っているものを取り寄せているという。
加水は高め、やわらかいが箸でしっかりと持ち上げられ、モチっとしたコシのある麺が、カレーに負けていないバランスの良い一体感も魅力。
「出汁のきいたおつゆが本当に美味しくて、月に一度は顔を出します。あの、お出汁がしゅんでる感じがね、たまらないんです」と、安田監督も絶賛する。
常なるブラッシュアップで、客心を掴む
麺の仕込みは讃岐と同じという「やまびこ」だが、時代による好みの変化を常に意識しているのが客を飽きさせない人気の秘訣なのか。
「一時期の手打ちうどんブームのときは、いまより太麺が主流でしたが、トレンドを把握して、少しずつ細くしてきました。早い変化は受け入れられにくいので、お客さんの反応を見ながら緩やかに変えていくのが大事」とのこと。
「常連さんたちは僕より『やまびこ』歴が長い先輩ばかり(笑)。昔ながらの常連さんも遠くから来られる一見さんにも満足してもらえるように、改善、改善の毎日です」と微笑む。
data
- 店名
- 手打ちうどん やまびこ 寺田本店
- 住所
- 京都府城陽市寺田尺後1-19
- 電話番号
- 0774-52-4311
- 営業時間
- 11:00~20:00
- 定休日
- 月曜
- 交通
- 近鉄寺田駅から徒歩4分
- メニュー
- かけうどん300円、ぶっかけうどん800円、釜揚げうどん600円、なべ焼きうどん800円、しょうがごはん250円
writer

椿屋
tsubakiya
映画は「ひとり、劇場で!」がモットーの映画ライター。2025年鑑賞数は280本。人生の映画ハシゴ最高記録は1日7本。各媒体で、着物・グルメ・京都ロケ地といった切り口のレビューを担当する。超大作から自主映画まで、ノンジャンルな雑食。
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