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京都『山本料理店』 ユニークな複合施設『湯浅会館』の新顔で、炭火焼き鳥×ワイン

地下鉄五条駅から徒歩5分の場所に佇む、大正2年に建てられた大型町家をリノベーション。2024年に複数の飲食店が集う『湯浅会館』が誕生した。知る人ぞ知る実力派揃いとしても注目を集めているスポットの新顔としてオープンしたのが『山本料理店』。炭火焼きと季節の料理がアラカルトで楽しめるとあって、すでに超人気店になっている。

瞬く間に超人気店に

京都『湯浅会館』の『山本料理店』雰囲気
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五条高倉を北に上がってすぐの西側に建つ格子造は威風堂々。かつては何かを商う館であったのかもしれない、奥行きもある大型の町家だ。そんな2階建ての大空間をリノベーションした、計6軒が集う複合施設に新しい看板が上がったのは2026年3月のことである。

それが炭火焼き鳥の店だと知って実は何度か予約を入れていたが、いつも満席であえなく断念。ハードルの高さを感じていたが、思い直して再チャレンジしたところ、少し先にはなるが口明けの17時なら1席あるとのこと。ただし、19時までには退店をとのことだったがひとり呑みなら充分だ。

太い梁が通る天井裏が露わになったカウンターだけの空間に立ち、額に汗をにじませながら炭火を熾すのは店主の山本浩巳さん。鶏料理で知られる『侘家古暦堂(わびやこれきどう)』の立ち上げ時から計23年にわたって腕をふるったベテラン料理人だ。

「かつて、私は友人とバーを開いていたのですが、『侘家古暦堂』でお世話になるようになって焼き鳥の魅力に開眼。最終的にはマネージャー的な役割も任せてもらっていたのですが、かねてからの希望だった自分の店を開きたく、50歳を機に挑戦を決めました」

ワイン好きでもある山本さん。フランス産を中心に、クラシカルな味わいのワインを中心に多数ストック。料理に合わせてペアリングしてもらえるのも人気の所以だ。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』内観
コンパクトな店内には酒類やグラスを並べる棚を自作するなど、山本さんの工夫があちこちに凝らされている。
京都『湯浅会館』の『山本料理店』店主
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アテになる大根おろしはお替わり自由!

席に着くと大根おろしの自家製ポン酢掛けが出てくる。これはお通しなのだが、なんとお替わり自由。アテになるし、焼き鳥に乗せても良しなので、何杯もお替わりするツワモノが少なくないそうだ。

サラダ感覚でも食べられる柚子風味の大根おろしをつまみながら品書きを凝視。まずはモモ肉を注文する。

「モモ肉は焼き鳥屋の命。色々試食した結果、今は「近江黒鶏」を使っています。それ以外の部位は主に「京赤地鶏」。ただ、常にもっと良い物はないかと探していて、まだオープン数カ月ですがすでに銘柄は4回変えています」

研究熱心さは調味料からも伝わってくる。モモ肉には米油をサッと塗り、伝統的な製造方法を守り続けるイギリス産の海塩「マルドン」をパラリ。皮目がきつね色になるまでこんがり焼き上げる。

「ワインはフランス産のシャルドネを合わせました。樽香を利かせていない、さっぱりした味わいなので、スターターにぴったりだと思います」

気分はワインバーである。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』モモ肉
香ばしい焼き目も食欲をそそるモモ肉480円。「焼き鳥の味は、素材選びはもちろんですが、串打ちで決まると言っても過言ではありません」と山本さん。
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2本目は手羽先。今までに味わったことがない、極薄せんべいを食べているかの可憐なパリパリ食感に焼き上げた皮と、骨の際にある肉の旨みに目尻が下がる。大根おろしをたっぷり乗せて食べるのも良い。ワインがさらに進んだ。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』手羽先とおろし
「骨際の肉の旨みを楽しんでほしいので、あえて骨つきに」している手羽先は大口を開けてかぶりつきたい、420円。大根おろしをたっぷり乗せて味変するのも。
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3本目は砂ズリ。実は、独特の食感が苦手で普段はあまり選ばない部位なのだが、メニューに「おすすめ」であることを示す赤丸がついていたのでチャレンジしてみる。焼き上がった砂ズリはビジュアル的にも見慣れたものとは異なり、サクッと小気味よく歯切れる。今まで食べてきた砂ズリは何だったんだろう、と思わず呟く。

「切り方が違うんですよ(笑)」

焼き鳥の奥深さを思い知った。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』砂ズリ
切り方と丁寧な処理が施された砂ズリ。380円。
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4本目は大好物のつくね。京赤地鶏4に対して鴨肉6の割合で練り混ぜ、白ネギや玉ネギで甘みを、大葉を加えて香りを出している人気メニューだ。熱々を頬張ると肉汁があふれた。

「コクのあるつくねは樽香との相性が良いので、南仏産のピノ・ノワールがおすすめです」

京都『湯浅会館』の『山本料理店』つくね
空気を含ませるよう、ふんわり焼き上げるつくねには、醤油ベースの甘すぎないタレにサッと絡める。480円。
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焼き鳥以外の料理も実に個性的

焼き鳥は他にもせせり、ささみ、ハツなどの定番が12種類。ネクタイやハラミなどの数量限定部位が5種、滅多に出合えない白肝なども用意されている。3本、5本と数だけを決めて内容を山本さんにまかせることも可能だ。加えて、鴨ロースやタタキといった鶏料理も楽しめる。そのひとつ、台湾などで人気の「炸鶏(ザージー) 北京ダック風」を頼んでみた。

モモ肉に塩を振り、水飴を塗ってツヤを出しながらなんと10時間もかけて焼き上げた鶏の皮はパッリパリで身はしっとり。八丁味噌にショウガやネギ、豆板醤を合わせたピリ辛の味噌が添えられる。まさに北京ダックさながらの贅沢感に箸が止まらなくなった。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』炸鶏 北京ダック風
まずはそのままで、皮のクリスピー感と肉の旨みを味わいたい。次にピリ辛味噌をたっぷりつけて。ビールにも合う一品。1380円。
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炸鶏のボリュームが予想以上にあったので、食べるつもりだった卵かけご飯をやめて、焼き野菜で締めることに。京都・久御山町の『西村農園』で栽培された「極ズッキーニ」をオーダーするが、仕上がりを見てびっくり。“極”の名に恥じない、通常の倍以上はありそうな特大サイズで、噛む度に熱い果汁が迸る。〆にふさわしい存在感だった。

予約は来店前に電話もおすすめ

予約困難店になりつつある『山本料理店』だが、基本的に予約は19時からの1回転分のみしか取っていないとのこと。したがって、17時スタートや閉店近い22時ごろは席が空く可能性もあるので、「電話してみてください」と山本さん。

焼き鳥4本にと焼き野菜、一品に白ワイン(980円)と赤ワイン(1280円)、お通し代500円を含めて、お会計は6360円。次回は大食いの友人を伴って、もっといろんな種類を、〆の親子丼も食べたいと思いながら駅に向かった。

京都『湯浅会館』の『山本料理店』極ズッキーニ
直径5~6㎝ある、特大サイズの極ズッキーニ、580円。
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writer

小林 明子

kobayashiakiko

京都在住フリーライター。缶入りクッキー、ワッフル、薯蕷饅頭、そば餅…、これらの名店に徒歩で行ける京都市の烏丸御池近くに生まれる。自動的に甘いもの好きが出来上がりました。

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