発酵×イタリアンに焼酎も進む!京都・高倉仏光寺『コチネッラ』

ギリシャヨーグルトを使った冷製ジェノベーゼや甘酒ピュレでいただくイサキのカルパッチョなど、とりわけ発酵食品との取合せが刺激的。ワインはもちろん、日本酒や焼酎も揃う町家イタリアンで、食べて飲んで1人1万円でお釣りがくるなんて幸せだ。

レトロモダンな町家イタリアン

京都・四条烏丸から南東へ徒歩5分ほどの仏光寺通り沿い。店名でもあるてんとう虫をさりげなく外装にあしらったレトロモダンな町家は、イタリアンらしからぬ装いだ。

店内は奥に坪庭を備えた長いカウンターがメインで、手前には4人掛けのテーブル席が2卓。厨房の壁面を敷き詰めるカラフルなタイルや随所に飾られたドライフラワーが違和感なく溶け合う空間は独特の色気が漂っている。

『コチネッラ』店内
京都・三条新町から現在の町家に移転したのが2012年。2026年に開業20年を迎えた創作イタリアンの雄。
10
『コチネッラ』ドライフラワー
店内に品よく彩りを添えるドライフラワーは、店主の森山雅彦さんお手製。「いただいた花束を大切にするうちに増えてしまいました」と微笑む。
10

巧みな発酵食品使いにニンマリ

島根で生まれ育った店主・森山雅彦さんは、小学生の頃から週末は家族に料理を振る舞うほどの料理好き。興味を抱いたらのめり込む性格で、一時は手打ちパスタにハマり、カカオニブや唐辛子を練り込んでみたり、低温熟成させた日本酒を何十本も常備したりなど、数々の先進的な取り組みでも知られている人だ。

『コチネッラ』店主・森山雅彦さん
森山さんは『イル・パッパラルド』など京都の名イタリアンで修業後、25歳で独立。
10

そんな森山さんが10数年前からハマり続けているのが発酵食品を使った料理だと聞いて、前菜は甘酒ピュレでいただくイサキのカルパッチョに決まり。甘酒のどこかミルキーな甘みと自家製発酵野菜の心地よい酸味がイサキの旨みを持ち上げ、ミネラリーな白ワインがスルスルと進む。

同時に頼んだ紋甲イカのグリルに添えられているフムスが真っ黒な理由は、たっぷりの黒ニンニク。ハマグリに惹かれて注文した冷製ジェノベーゼは、ギリシャヨーグルトがコクがあるのに軽やかな秘密。鮮やかな発想の料理が愉しくておいしくて、つい顔がにやけてしまう。

『コチネッラ』のイサキのカルパッチョ
発酵野菜と甘酒ピュレを添えたイサキのカルパッチョ2000円。自家製の発酵野菜は季節替わりで、この日は京紫大根や大根、春キャベツなどを塩漬けして1カ月ほど乳酸発酵させたもの。
10
『コチネッラ』の紋甲イカのグリル
黒いフムスを添えた紋甲イカのグリルは2000円。フムスは、ひよこ豆のペーストにニンニクやオリーブ油を加えた中東のディップ料理。
10
『コチネッラ』のギリシャヨーグルトジェノベーゼ
パスタは常時10種ほど。バジルが香るギリシャヨーグルトジェノベーゼは2500円。九十九里浜産のハマグリの旨み炸裂。あえて選んだという1.8㎜の太麺のムチムチ感が快感。
10

今どきの焼酎ソーダ割りでほっこり

ワインはイタリアを中心にジョージア、スペインなど世界各国のヴィンテージものや自然派まで多彩に1000本以上。グラスで1000円から揃っているが、階段下の押し入れ棚にズラリと眠る日本酒の古酒やセレクト眼が光る焼酎も、森山さんは10年以上前から推している。

「故郷・島根の名酒『天穏』の酒粕焼酎にハマったのがきっかけ。ジンの様にすっきりとした味わいで、不思議なくらい僕の料理に合うんです」と森山さん。

「最近は味だけでなく、ラベルもお洒落なものが増えましたね」と薦めてくれたのは、『鹿児島酒造』の芋焼酎「MASQUERADE of 蔵真紅(くらしんく)」。15年以上熟成した原酒をベースに紅はるかや安納芋の原酒をブレンドしたそれは、複雑な旨みがありながらスッキリと抜けのある味。ワイングラスに注がれたソーダ割りを飲めば、猛暑でほてった身体に涼を運んでくれる。

『コチネッラ』の焼酎イメージ
ジャケ買いならぬジャケ飲みしてしまいそうなエレガントなデザインの芋焼酎「MASQUERADE of 蔵真紅」はソーダ割りで900円。。森山さんのお薦めで合わせた一品は、カツオのタタキ 焼きナス ロメスコソース2000円。
10
『コチネッラ』の日本酒・焼酎棚
日本酒・焼酎は常時30種ほどで焼酎はグラス800円から。料理に合わせるなら森山さんにセレクトを任せるのがベター。
10

10年継ぎ足し万葉牛赤ワイン煮込みで締め括り

どれも結構量があるので、ここまでの4皿を2人でシェアしながら2杯ずつ飲んだだけで、それなりに満たされた。けれど、最後にもうひと皿と頼んだのは万葉牛スネ肉の赤ワイン煮込み。品書きの‟10年継ぎ足し“というパワーワードに、どうしてもあらがえなかった。

これが頼んで大正解!ほろほろと口ほどけるほど柔らかく煮込まれたスネ肉は、赤味噌でも使っているのではと錯覚するほどの熟成した旨み。フルボディの赤ワインと見事なマリアージュを見せる。

『コチネッラ』の万葉牛スネ肉赤ワイン煮込み
味付けは赤ワインと塩だけ。煮汁を継ぎ足しながら作り続けているという万葉牛スネ肉赤ワイン煮込みは3500円。
10

前菜3皿、パスタ、メインで計12000円。白ワイン2杯、焼酎ソーダ割り2杯、赤ワイン2杯で計6400円。締めてお会計は18400円。一人あたり9200円に収まった。

ポンポンに膨れたお腹をさすりながら、未練がましく品書きを見ると、「鱧のフリット びわっこトマトと梅干しのガスパチョ」「ヒラメと自家製カラスミのスパゲッティ」など、まだまだ気になる品が多数。テーブル席もあることだし、次は4人で来てもっと食べ尽くそう。

飲んで食べてもだいたい10,000円!

お一人around10,000円(15,000円まで)で、編集部がおすすめするお店を紹介中!他のお店の情報はこちらから。

詳しくはこちら

writer

川島 美保

kawashima miho

両親曰く、「生まれた時から食いしん坊」。3歳の頃から庖丁を握り、8歳から菓子作りにハマる料理好き。趣味と実益を兼ねて食メインの編集兼ライターになり、気付けば20余年。酒は弱いが、味は好き。甘いものはいくらでも。食べたいものを好きなだけ食べられる健康的な身体造りを目指し、週2回の筋トレに励んでいる。

recommend

読まれている記事

『あべのハルカス近鉄本店』お菓子売り場がリニューアル。百貨店初&関西初が続々!

兵庫・伊丹『KUROPURI』。フレンチのシェフが手がける「クロワッサン」と「プリン」の専門店

京都『和菓子&ワイン 養老軒』が届ける フルーツ大福とワインの楽しみ方

「りくろーおじさんのチーズケーキ」おいしい理由&並ばず買える方法も

安田淳一監督【前編】待ってました! 日本アカデミー賞「侍タイ」スピンオフドラマ放送。独占インタビュー

『資さんうどん』広報がこっそり教える!「実はコレも食べてほしい」隠れた名物

『粟玄』の和洋[大阪]老舗おこし屋のモダンな名品

絶対に失敗しない「くたくたブロッコリーのタラコスパゲッティ」『寺町コロンボ』のひと手間レシピ

【番外編】俳優・津田寛治さん絶賛の「おたべ」。進化系、変化球に驚き!

ギネスビールが生む深いコク。大阪・中津『IRISH CURRY』の名物ポークカレー